ニューヨークSVA時代の作品。舩橋監督の映画を観るのは初。
モノクロとニューヨークに暮らす若者のモラトリアム描写ということで、どうしてもジャームッシュを連想するけれど、むしろニューヨークという街は自然>>続きを読む
これは「コミュニケーションを一切描くことなく映画が成立するか」という実験なのだろうか。
正直な感想を言えば、楽しめたといえば楽しめたが、健全な楽しみ方ではない。映画としての出来は優れていない。90年代>>続きを読む
あまりこういった面からの評価はしたくないけど、主人公がどうしても嫌い。作劇上の意図とはいえ、苦痛だった。
10年代総決算みたいな内容は興味深い。白石晃司、山戸結希、カンパニー松尾、ウテナ(について議論>>続きを読む
実は初見。ノーマン・ロイド追悼で鑑賞。
娯楽として間違いなく面白かったが、終盤は例の見せ場のため物語の整合性を犠牲にしている感じがあり。
階段や影を使った心理表現などは言うに及ばず、前半はモニュメント>>続きを読む
これはダメです。悪趣味というより悪思想。
内藤監督は「暴力というのは気持ち良い。」という事実を提示し、その上で胸糞な物語展開でもって居心地の悪さから観客の暴力に対する考えを促す側面があると思うが、この>>続きを読む
ふーん、という感じで観ていたがラストには号泣。このラストのため、ある人物をあそこまでの利己的で排外主義者のクソ野郎にしたの
残酷すぎる人生の伏線回収。韓国現代史で描く『市民ケーン』。恐ろしいのは、これが決して特殊な人生ではないのだろうと思わせられるところ。そこが危うさでもあるのだが。
一部のシネフィルにイ・チャンドンが好か>>続きを読む
超絶。
暴力「についての」映画。場末を舞台に厭な暴力が繰り広げられる。そのどれもが我々が実体験で遭遇した類のものである。出口はない。傑作。
この作品を観てからだと、真利子監督が『宮本から君へ』を撮るの>>続きを読む
この手のドキュメンタリーに期待することは、画面に映っているものと語られていることのずれにこそ宿る何かだと思うので、その意味では「二重のまち」の朗読の箇所が良かった。四人が集まるワークショップも良い。
かなり鈍重な印象。今年の映画(『花束みたいな恋をした』『街の上で』など)との符号も見られる。要再見。
意外と突き抜けていない印象。
今泉監督を甘やかしてはいけないとは思うけど、面白かったよ。
イメージを違わないお洒落な街(下北沢)を舞台に、下世話な話をやって、それでも不思議とさわやかな後味が残る。舞台っぽさは拭えないものの役者陣が>>続きを読む
待望の新作だったシンエヴァを観て思ったのは「最初から呪われてなんかいなかったのかもしれない」ということだった。
旧作を観ていた時期のことを思い出し感慨に浸ることはなかった。新劇はあくまで、最初から最後>>続きを読む
後作にも見られる「ワークショップ」を発端に瓦解を見せる(あるいは、すでに壊れていた)人間関係がすでにここで見える。誰もが指摘する部分ではあるが、朝の散歩のトラックの偶然たるや。
観ていて連想するのは、>>続きを読む
超絶大傑作!オールタイムベスト級!
冒頭の宴会(?)のシーンから煙草の煙に不穏さを感じる。ただし、このオープニングからは後の顛末など想像も寄らないが。物語としては、歳下の女性に惚れた中年男の悲哀とい>>続きを読む
そこまで惹かれず。すべてのショットが決まってるがゆえに全体が平均的に見えた。要再見。
退屈する時間も少なくなかったにも関わらず、終盤はエモで持ってかれてしまう。
序盤から中盤にかけてはラック(とオザワ)を中心に描いており、『サウダーヂ』より見やすく感じた。場所転換も効果的。ところが終盤>>続きを読む
万田お得意の三人の関係性を軸に見せるやり方が、研究倫理、デッドライン、信号と愛情、そして人間との越境を描き出す。
この手の装置って確か『パシフィック・リム』にも出てきたけど、あちらに比べて圧倒的に怖い>>続きを読む
優れた映画監督は時に優れたDJと見分けがつかない。中国古典をベースとしつつも、ワイヤーアクション、恋愛、コメディ、ホラー、政治劇、マカロニ、宗教、サイケとジャンル不問で打ち込みながら、音楽的に、BPM>>続きを読む
無時間的、無国籍な印象を受けるも、描かれている「生きづらさ」は確かに現代日本のもの。寄らば切るといった佇まいの萩原みのりが素晴らしいが、同時に彼女の華奢さがある種の限界を物語る。
本当に男性社会って嫌>>続きを読む
現在NHKでやっている渡辺あや脚本のドラマに感じる符号。あるいは、この作品が『ワンダーウォール劇場版』に繋がっているのかもしれない。大学の閉鎖性を強調した場面設定に、日本の隠蔽体質を縮図的に描いた脚本>>続きを読む
初めて観たのだけれども、マイケル・ベイという人がここまで『北国の帝王』などのグッドオールドなアクション映画の継承者であったという事実に改めて驚いた。
多様なカルチャーへの接続は脚本にクレジットされてい>>続きを読む
往年のロマンポルノのような殺人事件が起きても、そこにはロマンはなくひたすら殺伐としているのが90年代的。ロケーションはひたすら室内だが、鳴り止まない蝉の声との対比が廃墟っぽい。電車を降りたシーンのカメ>>続きを読む
面白い!異世界転生時代劇ミュージカルといったジャンル混成的な面白さ!
このジャンル混合性も、よく知られた森の石松譚へのメタ的な批評性だったり、あるいは運動や音楽(浪曲や浪花節のみならず台詞も)の快楽性>>続きを読む
ダグラス・サークが現代東京を描いたらこうなる、と言ったら怒られるだろうか。
登場人物の心情や境遇に沿った丁寧な演出に佐々木靖之の陰影の深い撮影が決まる。
キャスティングが発表された時「勝ち」だと思っ>>続きを読む
https://note.com/otsurourevue/n/n830185981204
凄惨な原作と内藤監督特有の渇いた暴力描写の相性が良いため及第点ではあるが、説明台詞の多さや登場人物の類型的さが惜しい。しかし、内藤的(あるいはジャンル映画的)な渇きってこういった部分でもあるのは、わか>>続きを読む
空虚との対峙を明確な輪郭で描いたドラマ。『愛のむきだし』の10年後、『寝ても覚めても』の翌年、『愛がなんだ』『宮本から君へ』の同年に放映されたという事実に強い符号を覚える。
まずはなんといっても土村芳>>続きを読む
冒頭のスピーチにカットバックされるSEXシーンが示すこの映画の見方。決して全体を通してフラッシュバックは多くないにもかかわらず、少ないシームレスな過去との繋ぎで印象付け、カメラワークと移動で時間感覚を>>続きを読む
日活ロマンポルノやりたかったんだろうなとは思うが、もう少し短くまとめてくれたら…。とはいえ、生活感あふれる美術と蒼井優の熱演は買う。
新年一発目に黒沢清『蛇の道』(1998)鑑賞!
……ちょっと持ち帰らせてください
個人的にはよく言及される「呪いのビデオ映像」や「渇いた銃声/暴力」よりも、前半の住宅街の撮り方が不気味で不穏で印象>>続きを読む
前半は台湾NWを感じたと同時に、これなら本家の台湾NWで事足りるわと思ったのも事実なのだけれども、語り草の60分長回し部分はたしかにすごい。ただ、一方で内面世界の映像化というのをすでに打ち出している点>>続きを読む
忙しさで飛び飛びで観てしまったので正当な評価は下せないかな。
流麗な横移動、奥行きのある画像など優れたところは多いし、まるで細部のみで構成されたようなところも新しい部分とは思うが、どこかはまりきらない>>続きを読む