otteruさんの映画レビュー・感想・評価

otteru

otteru

映画(217)
ドラマ(30)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

劇場(2020年製作の映画)

3.8

ひとり語りも独りよがりで、誰からも理解されていないことを認めたくなくて、支えてくれた彼女さえも壊してしまう。
男がクズ過ぎて終始腹が立っていた。
ラストの芝居回し。
それだけでそこまでの苛立ちをすべて
>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.8

罪と影。
救う者と救われる者、救われない者。
保護司を扱った作品は、うまく行かないやるせなさに包まれていて、余裕のない生き方しかできない苦しさに満ちていた。
有森架純の思い詰めたような演技と森田剛の存
>>続きを読む

世の中にたえて桜のなかりせば(2022年製作の映画)

3.3

傷付け、傷付いた人をスマホで撮り、嗤う。そういうのって、なんでそうなるんだろう。作中の台詞が心に響いた。
「桜は下に向かって咲くんです。私達が上に向くためにね」
哀しみの中で出口が見つからない人に、少
>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.6

劇場、機内に続いて3回目の鑑賞。
すっかり安定感のあるストーリー、展開は素直に面白いと思う。シリーズに共通するテーマは「誰が本当の悪人なのか」。裁かれるべきものと裁かれるものとの不条理さに、やり切れな
>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.4

彼の視点から描いた「明け方の若者たち」に対して、彼女の視点から描いたショートムービー。
彼女の行為は身勝手なのは確かで、彼を傷付けたことも酷いけれど、決して綺麗ごとで済むこともない現実を真っ直ぐ伝えて
>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

パーカーにスカジャンの大学生。明大前、シモキタ、ヴィレヴァン、ザ・スズナリ…。アイテムを並べて学生時代を飾ってた。院生の先輩との歳の差って、凄く大きかったこと、覚えてる。あの頃、確かに朝まで飲んでも平>>続きを読む

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

4.0

?回目の鑑賞。地上波では11回目の放送だそう。
ガリレオの中で一番好き。この後に続くシリーズも悲しくて切ないけれど、この作品の結末は分かっていても心に響く。影のある堤真一の感情の起伏も秀逸で、まさぢも
>>続きを読む

さよならみどりちゃん(2004年製作の映画)

3.0

ストーリーはまあ、共感する部分はなかったんだけど、音痴だからと頑なに歌わなかったみどりちゃんが歌った「14番目の月」の歌詞がこの作品の描きたかった世界観なのかなと。
西島秀俊がマッチョじゃなかった。

望み(2020年製作の映画)

3.6

少年犯罪とその家族を描いた作品。
加害者なのか被害者なのか、最後まで分からず、重たく、救いはあるのだろうかと眉間に皺の寄ったままだった。精神的に人を殺めてしまう無責任な周囲の声やマスコミは、悪でしかな
>>続きを読む

映画 太陽の子(2021年製作の映画)

3.3

科学者の狂気と若者が本来持つべき未来への希望。不足する物資の中で新型爆弾を研究・開発する学生たち。戦況は悪化し、広島に原爆が落とされる。
開発か、破壊か。
戦争が人を変えたのではなく、科学に没頭するこ
>>続きを読む

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.0

未熟な高校生が同居する年上の女性に恋をする。台詞回しやカット割りが少年誌みたいだなと思ったら、原作がそうだった。
この歳になってこんな感じの作品を観ても、感じるものはなかったな。
広瀬すずの怒り。育ち
>>続きを読む

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

3.0

歌舞伎町のバーを起点にした、6本のオムニバス形式の映画。それぞれの短編に繋がりはなくて、ちょっともったいないな、とも。伝えたいことも特になさそうで、歌舞伎町のアンダーグラウンドな様相も別に架空の街でも>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.3

物理的な渇水だと思っていたらそうではなく、家族や社会、心の渇きを描いていた。原作は読んでいないけれど、原作のような結末ではなく、水が満たされていくような結末でほっとした。育児放棄された妹役の子がくせ毛>>続きを読む

大阪少女(2020年製作の映画)

3.3

西成に住む少女がどうしようもないおっさんたちから家賃を取り立てる。容赦なくドツき罵声を浴びせるくだりは痛快だった。
そのままで良かったのに、バイオレンス強めになってしまうのは、監督の色を出したかったの
>>続きを読む

はなちゃんのみそ汁(2015年製作の映画)

3.3

実話をもとにした作品。
癌に冒された母親が4歳の女の子に料理を教え込む。泣ける映画なんだけど、女の子はもっとわがままにお母さんに甘えたかったんじゃないかなぁと思うと見方が変わる。広末ちゃんが声楽を専攻
>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.1

6人の少年少女が受けているそれぞれの理不尽が重た過ぎて、心がずっと締め付けられていて、苦しかった。同じ学校で交差する「パラレルワールド&ミステリー」。たまたまテレビを視ていたら流れてきた作品。アニメだ>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.3

無防備な歩き方、ボサボサの髪、夢中で漫画を読む仕草。17歳の陰キャな高校生に見える。宮本信子と対峙する芦田愛菜の演技力の確かさだけでも観る価値がある。
エンディングテーマまで優しい、心温まる作品。もう
>>続きを読む

次元大介(2023年製作の映画)

3.6

タマテツって意外と顔丸いのね。
アニメの次元大介と輪郭を比べるところから入ったルパン三世のスピンオフ。アニメよりも温かい性格が前面に出ている気がして、それはそれでありかなと思った。暴力的なシーンも多く
>>続きを読む

十二単衣を着た悪魔(2020年製作の映画)

2.0

伝えたいことが伝わらない。
よくあるタイムスリップものとしてもあんまり面白くないし。そもそもコメディなのかそうでないのかも分からないまま観終わってしまった。伊藤沙莉が凄く良かったのに、残念。

夢売るふたり(2012年製作の映画)

4.0

松たか子の目線は誰に、どこに向けられてたんだろう?再び店を持つために結婚詐欺を働く夫?自分自身?それとも不透明な未来?もしかしたらこの作品を観ている人?
細かな心の動きを些細な表情や日常の小さな出来事
>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

4.2

前作より壮大で「カネ掛けてんなー」って感じ。他県民にずっと言い続けた「埼玉には海がある!」を実装してくれて、とても嬉しかったなぁ。前作ほどではないけれど、埼玉県民にはよーく分かるエピソード満載で、場内>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

人生のほとんどを刑務所で暮らしてきた、短気で一途で曲がったことが嫌いな元一匹狼のヤクザ。もうそれにしか見えないほど、迫真の演技だった。社会復帰しても社会に馴染めない主人公が、漸く自分の人生を生きられる>>続きを読む

今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

3.8

誰を主人公だと捉えてその視点から作品を観ると印象が変わるんじゃないかと思って観てた。記憶を失う少女なのか、それを優しく支える彼なのか、それとも少女の親友で全てを知っている彼女なのか。亡くしたものと亡く>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

2.6

ただのファンタジーな駄作にしか思えなかった。中性的な主人公にしたかったのかとうか分からないけど、のんが演じていたのはおそらく男性。でもそこはメインテーマじゃないからいらないんじゃない?という要素が多く>>続きを読む

左様なら今晩は(2022年製作の映画)

3.6

広島弁の久保史緒里がかわいい。
そういう作品。
尾道を舞台にするとファンタジーな世界になるのは定番なのかな。
序盤でいきなり「幽霊がノーブラ」だという台詞があったおかげで話がなかなか入ってこなくなった
>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.2

弱っていくニノさん、夫の死を知り号泣する北川景子。静と動、どちらも迫真の演技
だった。シベリアの強制収容所のリアルを描いていて、ソ連(ロシア)という国を信用してはいけないと、改めて心に刻まれた。

わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

2.9

目黒蓮のプロモ映画のヒロインが今田美桜ってことかな。作品としての面白さはなく、SFファンタジーとしてもチープな感じがして、真面目に観たらいけないんだなと、することがない国際線の機内でぼーっと観ていた。>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.1

誰なんだ?
身分を詐って生きる人々。
差別。
犯罪加害者の息子。
巻き込まれた家族。
視点によって感想も変わりそうな力作。どこまでも深い悲しみが覆っていた。
すべてが虚構で終わる、恐ろしい作品だった。

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

3.0

どこかに向かう機内で一度観たはずだけど、眠気に勝てず。全編しっかり観たのは今回が初めて。
実写版では描きづらいんじゃないかなと思っていたけれど、北川景子の猟奇的な眼差しと渡辺直美の怪演もあって、まぁま
>>続きを読む

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

4.8

去年の今頃映画館で観て以来2回目の鑑賞。
ロケ地をこの目で見たくて、世界観を感じたくて、与那国島にも行った。ドラマ版からずっと好きだった作品の集大成。コトー先生はきっと、島の人たちの心のなかで生きてい
>>続きを読む

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

4.2

ラスト20分。途中で観るのを止めた。結末の予想はついていても、電車の中で最後まで観る自信がなかった。悪人が一人も出てこない。笑っていればラッキーが転がってくる。現実にはきっとあり得ないような、素敵な物>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.5

新海作品独特の透明感に壮大なスケールが加わり、さらに南から東、北へと続く扉を閉める旅を続けるに連れ、その世界観に吸い込まれていった。過去の自分に問いかけるシーンは少し切ないけれど、時空を巻き戻している>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

3.5

古き良き時代の日本とコロナ禍に見舞われた現代。青春を謳歌している若き日の3人と、現実に流された老いた3人の歳月。山田洋次監督らしい、昭和の映画だった。吉永小百合みたいだった。もし沢田研二ではなくて志村>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

胸の奥の方をギュッと握られたような、呼吸がちょっと苦しくなるような、彼と彼女の4年間。学生時代の楽しくて甘いままじゃ生きていけない。少しずつ価値観もすれ違っていき、その時が終わる。少し離れたらふたりは>>続きを読む

はるヲうるひと(2020年製作の映画)

3.3

虚勢を張ることで自我を保つ兄と、
絶望の中で藻掻く弟と、
壊れてしまった妹と。
小さな島に生きる兄弟の葛藤を描いた作品。
新婦の涙とラストシーンの「ハハハハハハ…」。希望の光が見えたところで物語は終わ
>>続きを読む

マイ・ダディ(2021年製作の映画)

3.8

弱くて強い父と強くて弱い娘の話。
きっとこうなるんだろうな、と想像出来てしまうストーリーでも、キャスティングが嵌っていて最後まで飽きずに観ることができた。どうして医者役が徳井健太なんだろ。

>|