扇さんの映画レビュー・感想・評価

扇

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

内容はノーランが撮った『風たちぬ』という印象。でも彼って人生ドラマあんまり得意じゃないよね。ポール・トーマス・アンダーソン作品の小さく納まったverみたい。

怪物の木こり(2023年製作の映画)

2.5

亀梨、菜々緒、吉岡の役の作り物感が濃くてこれはキャスティングの失敗では?と考えていた。
ミステリーって中身に興味が湧かないとどうしようもないね。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

これほとんどヒューマンコメディだと思ってて、一流の殺し屋が格好つけてぶつぶつ仕事の流儀を語ってるんだけど実施に当たってはグダグダ(そもそも一番最初のドジが寝坊っていう平凡さ)で「あれ?俺なにやってんだ>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.6

ジョゼフィーヌの存在が作中の重要な位置を占めていて、同監督作の『ハウス・オブ・グッチ』との類似性を考えずにはいられなかった(グッチの方が断然面白いが)。

全体的にダイジェスト版のようなブツ切れ感があ
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.9

電動工具メーカーの「そういう使い方を広めるのは止めてください!!!!」っていう悲鳴が聞こえてきた気がする。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.5

アバターの続編を見ているうちに「あれ?これはタイタニック??」という既視感が生まれた。
ジェームズ・キャメロン本当に海(特に深海)好きだよねえ。

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

2.5

映画の話と全然関係なくてゴメンだが、一番心に残っているのが主演がこんにゃく串を片手に「ボク、オデンカークデス。オボエテネー」と宣伝映像で喋っていたこと。
皆『ベター・コール・ソウル』観てあげてね。

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト(2022年製作の映画)

3.9

失速気味のマーベル作品の中ではかなり良かった。やはり意外性ってすごく大事だし、ギャグの入れ込み方もいい意味でマーベル風味で楽しく見れた。
これぐらいのレベルを毎回求める。

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

1.8

アントマンって風呂敷を広げすぎない小さな家族の物語とマイケル・ペーニャの口パクが良かったのに、どちらも失ってしまってホントこれなんなのって感じ。
長い間「大変なことになる!」「何がだ!」「今は説明して
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.9

興奮した。
奇跡は可能性を信じて行動した人の前のみに現れる。

ここに映った誰しもが前例のないことにチャレンジし掴み取る。これは単に金をかけるギャンブルとは違う。各々の熱意が可能性を引き寄せる。熱意だ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

2.4

緩急ないありきたりな構成、ゲームの設定や絵面をなぞることにほとんど力を使っていて感動はない。
ただ、どうすれば感動が?と考えると方向性すら簡単には思いつかない。
練習ステージ、ピーチ姫視点の滑空シーン
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ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

2.3

映画そのものはあんまり好きじゃなかったけど、愛情っていうのは有限のものを分配することじゃないんだっていうメッセージはすごく良くて視野が広がりました。ありがとうございました。

アイ・オリジンズ(2014年製作の映画)

4.9

マイク・ケイヒルここに在り。
ハードSF理論の先にスピリチュアルな世界が垣間見える。そこに人間の生々しい機微が乗っかれば並の監督では太刀打ちできない一流の品格が宿る。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.2

『アトミック・ブロンド』を見た時に何か誤魔化されている気がすると感じた感覚の正体が浮き彫りになった。
この監督、上手くはないな。

斬、(2018年製作の映画)

3.2

塚本晋也、初の時代劇。
と言っても中身はいつも通りの戦争に心を壊された人たちの姿を描いたもの。作家としてブレないのは感心するというか、ワンパターンというか。まあ前者かな。
お椀山盛りのお米って美味しそ
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マクベス(2021年製作の映画)

4.4

すごく良かった。
マクベスの映画化というよりは映像化という感じに近い。モノクロの世界で影と静寂、そして詩が際立つ。
魔女の人誰?身体能力とかどうなってんの。
シェイクスピアもこれには満足でしょうよ。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

4.4

起こる出来事が面白すぎるということを抜きにしても見せ方がやはり上手い。

マクドナルドが大流行りするのは画期的なシステムキッチンができたからでしょうと思っているとそうじゃない。
諦めないことが成功の秘
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

2.9

コオロギ食えって言われる時代だからなあ。ソイレントグリーンのオチは知っておきたいよな。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

評価が高くないので及び腰になっていたが杞憂だった。
やはりこの監督のセンスが好きだ。
クサいのに不思議とクドくはない台詞、曲のチョイス、画の美しさ、そして何より音響演出のケレン味。サイクロン号がロケッ
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シカゴ(2002年製作の映画)

2.8

ロブ・マーシャルがアカデミー賞監督ヅラしてられる(しかも監督賞取ってない)のはゼタ・ジョーンズのおかげなので彼女に足向けて寝るんじゃねぇぞ。

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

冒頭の皆から好かれるちひろさん描写にウッとなってしまい(底が見えなくて怖い)抵抗があったが、見ているうち納得できる部分が増えてきた。

死と孤独。
弁当の梅干の会話。酸っぱいから他のおかずが引き立つ。
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

5.0

この映画に満点付けて正気を疑われるかもしれないけどマジです。

エイリアンっていうパッケージを被ったゴシック調のブレードランナーじゃん。(SFなのにゴシックっていうのがまたすごい)
これを観たらリドス
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天命の城(2017年製作の映画)

4.4

快感はほぼゼロ。
ずっと八方塞がりの中、出口を探すようなテンションのまま物語は続く。
生きるってなに?
尊厳なき人生は生きていると言えるのか?
この映画を久しぶりに見て、再確認したのは人生って他人のた
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天気の子(2019年製作の映画)

3.3

思っていたよりずっと楽しく観れた。
「君と僕さえいればいい」っていうセカイ系の物語を当人たちだけに責任を負わせるんじゃなくて、社会として容認していこうっていう主張(誰かが我慢して維持する社会ではなく、
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

一度見た時より、二度目の方が好きになる。きっと三度目はもっと好きになる。
愛おしい時間はいつか終わるかもしれない。でもそれは確かにあったのだと忘れずにいられる。何か愛の形を残したくなる。
静かに揺らめ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

マンガ原作の場合、映画にできるボリュームは単行本一冊分と聞いたことがある。
山王戦を映画化すると聞いた時にどんな勝機が見えるんだろうと気になっていた。
鑑賞後そういうことかと膝を打った。

原作者が映
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かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

4.4

自分の抱える孤独とどう向き合うかっていう話。センダックの絵本を舞台にして子どもを主人公にしてるけど、大人だって同じだよね。
ていうかよくあの原作にこのエッセンスを融合させたな。原作を壊さないでグッと大
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.1

映画のことはどうでも良くて、思い出の人と一緒に見た唯一の映画。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.3

勝手にランティモス作品だと思ってた。
すまん、真面目な顔してやってることはコメディにしか見えんかった。
だってこの話ってもっと脚本頑張ったらオール人間で出来そうなものに思えたから。

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

1.0

岡本喜八版には溢れんばかりの軍部への批判的眼差しがあった。
広島への原爆投下後、陸軍が本土決戦など馬鹿な妄言を主張せずに速やかに降伏していれば長崎に原爆は落ちなかったと暗に主張しているのはほぼ間違いな
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.2

この映画でなにか気の利いた感想書くことができるの?っていうぐらい真ん中を突き抜く娯楽作だと思う。

「もうジュラシックパークシリーズは当分出来ませんからね!」と言わんばかりにギュウギュウに詰め込まれた
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ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

4.7

こんな最高の映画向きの企画をキャメロンではなく、ましてやエメリッヒでもなくスピルバーグがやってくれたということに人類は感謝するべき。
そしてバランスはおかしい。怖すぎる。

パープル・ハート(2022年製作の映画)

1.6

愛する人でも実際に介護したら自分の気持ちがついていけなくて涙するのが人生だと思いますけどね。はいはいって感じ。
それから主役本人が曲を歌ってるのは結構なんだけど、流れる曲と本人の唇の動き、喉の動きが全
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.3

細田守アバンギャルドだなと真面目に思った。

オープニングの違和感は作品全体を見るまでどういう意図か分からなかったけど、この作品は過去から未来に至るまで家族はずっと何かしらの因縁というか繋がりがあるっ
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

4.6

素晴らしい、、、これを『10クローバーフィールド・レーン』の面子で作ったのか。いまプレデターシリーズの最新作から最高傑作出るなんて誰も予想してなかったでしょ。偉すぎる。

展開に無駄がない。本当に贅肉
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生きちゃった(2020年製作の映画)

3.7

これまで苦難の時代にあっても何とかポジティブに生きようというメッセージを発信し続けてきた石井裕也がついに「どうにもならない時はどうにもなりません」という内容を映しだしたのにはかなりの衝撃を受けた。
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