オユユンさんの映画レビュー・感想・評価

オユユン

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.2

登場人物はみんな情緒不安定だし、ゴジラもなんか唐突に出てきて暴れ回るし、脚本はグダグダだし、どうでもいい描写ばかりなのに大事なことはよくわからないし、何を見せられているんだという気分になりました。視覚>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.9

日本的ドラマの演出と脚本を徹底的に突き詰めてやると素晴らしいエンターテイメント映画になるということがよくわかる一作でした。東京の描き方、コメディの演出、押しつけがましくないけどスマートでかっこいいアク>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.8

『キングスマン』シリーズで、スパイ映画をメタ的に捉え直しながら新作を作り続けてきたマシュー・ヴォーンがその雰囲気を持ちつつ、ロマンス映画を作ってしまうなんて、もう最高としか言いようがない。

二転三転
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.4

シナリオはどこかで見たようなもので「ふーん」と思いながら見ていたけど、トム・クルーズってやっぱりすごいなあ。ラストの電車のアクションなんて、もう何度もやられているのに、それでもハラハラして見ちゃうもん>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.2

3時間という長い長い上映時間を気にさせないくらいには良くできた作品だと思いますが、絶対に見なくちゃいけないかと言われたら判断に困ります。往還する時間やモノクロとカラーを使い分ける表現、足し算の音響、爆>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

2.8

なんとも消化不良な映画だと思いました。映画としては最低限って感じですし、Netflixはそろそろ続編を匂わせるようなエンディングをやめたほうが良いと思う。ご都合主義的な展開(ミサイル持ってたらまずヘリ>>続きを読む

ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.6

あいかわらずおバカで楽しい映画です。「あーもう絶対死ぬだろうな〜」と思ってもなぜか生きているのが『ゾンビランド』の良いところ。ジェシー・アイゼンバーグやエマ・ストーン、ウディ・ハレルソンと今ではアカデ>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

ここまで圧倒されるアクション映画は久々です。『ブレード・ランナー』のようなサイバーパンクな色調で描かれる日本、重厚かつディティールを繊細に捉えたパリ。光の使い方がこれでもかってぐらいカッコよくて、もう>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.6

ヒトラーをジョジョの「心の中の友達」としてナチスを少年の閉鎖された世界と重ね合わせ、そしてそれを解放し、世界へと羽ばたかせる存在としてユダヤ人の女の子を持ってくる。少年の「大人への成長」と戦争というテ>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

4.1

割と辛い批評ばかりだけど、すごく良い映画でしたよ。人種差別や性差別、経済格差などアメリカが未だに抱える政治的な問題を1930年代におけるナチスと絡めながら、愛と友情で乗り越えていくというテーマをすごく>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

80年代を象徴する映画『トップガン』の続編というのは、とても難しいテーマだと思うけど、見事な傑作になっていて感動しました。現代的だけれども『トップガン』的ではあるという最高の出来栄え。『トップガン』っ>>続きを読む

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

3.2

ザック・スナイダーによる『スター・ウォーズ』かつ『DUNE』であるが、ファンタジー的な未知の生物は出てくるわ、サイバーパンク的な要素も入ってるわ、色んな要素がてんこ盛り。『スター・ウォーズ』が過度に商>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.3

一見すると、ただの地味なジョン・ウィック。だけどフィンチャーの手にかかれば、張り詰めた緊張感漂うノワール映画になる。彼にとっての仕事は「どうでもいい」ものだったはずが、いつの間にか愛する人を傷つけた者>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

北野武の時代劇はやはり『アウトレイジ』になるのかなと思いきや、暴力映画ではなく、乾いた笑いを生み出すコメディでした。あらゆる判断が首に直結する戦国時代に張り詰める緊張をストレートな残酷描写と価値観がイ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.9

ハリウッドもこういう映画をいよいよ創り出したんだなあという印象でした。でも、こういうのが見たいのであれば、庵野を見るし、そっちのほうが良いよね。

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.9

また難しいことをやっているなあ、ウェス様。作者、主人公、主人公が読んだ本を書いた医者、その医者の元に来た超能力者と語り手がどんどんと重層化していく。その重層性を映像のアスペクト比を切り替えて表現する。>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.3

前作では「雑誌を読む」ことを映画にしたウェス・アンダーソン。彼の映画的な興味は様々な形式やメディアを映画の中で再構成して提示することに向いているのかな、今回は1950年代を舞台に劇とテレビ番組を巧みに>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.8

ずっと見る機会がなくて見ていなかったけど、今見ると、この映画は現代ではしこたま繰り返されている映画やドラマにおける「血気盛んな若者が成長する」というテーマの完成型だったんだなと思いました。そりゃみんな>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.9

まず何よりも浜辺美波が最高すぎる。個人的にこれはもう『シン・浜辺美波』。シナリオとしては「庵野だなあ〜」と思う一方で、シン・ウルトラマンは「見上げる」ヒーローだったのに対して、仮面ライダーは「向き合う>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿が作ってきた「世界」を宮崎駿自身の手で再構成し、駆け抜け、そしてぶち壊す。私の「世界」はもう終わった。さあ、君たちはどう生きるか。そう宮崎駿に問われるような2時間でした。声優陣といい、映画音楽と>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.1

この映画の主演はマッツ・ミケルセンだけど、主人公は他ならぬお酒だと思います。いろいろな意味で「お酒」が出てきます。勇気をくれるお酒、不安を覆い隠すお酒、取り憑くお酒、悲しみを癒すお酒、そして、幸せを祝>>続きを読む

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2021年製作の映画)

3.6

ジェットコースターのように駆け抜けるはちゃめちゃアクションコメディ。前作も割と好きだし、今作も好み。ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンのお馴染みのコンビに、アントニオ・バンデラスにモーガ>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

サイバーパンク的な世界観の近未来日本で繰り広げられる「運命」のお話。それなりによくできているとは思うし、ブラピはじめ他のキャラクターも個性があっておもしろい。ブラピって本当に何やらせても良いですね。『>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

超おもしろいマット・デイモンお仕事映画。80年代のテイストを存分に纏ってエア・ジョーダン誕生をコミカルに描いてます。マット・デイモンの「顔」が実に画になる。最高です。

からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)

3.9

映画のシナリオとしては「今どき、こんなベタベタなの作っちゃうの?」と思ってしまうものなんだけど、3期かけて育ててきた『高木さん』のキャラクター達がやるから、何も苦痛ではない。むしろ、西片と高木さんの純>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.2

『アド・アストラ』が描く宇宙飛行士は、現代を生きる人々の象徴として描かれているように思える。感情をどこまでも自制し、危険なことにも冷静に対処し、軍という組織で歯車として生きるロイと同じように、現代人と>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ライアン・ジョンソンが生み出した世界最高の探偵、ブノワ・ブランが登場する探偵映画の第二弾。彼の映画は時々見てきたけど、この映画で、彼のファンになることに決めました。ここまで素晴らしい脚本を書き、そして>>続きを読む

バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

4.0

ここまで「現実」と「夢」と「映画」の境界を曖昧にしながらも、区別可能な形で撮影し、編集し、映画にしているところにまず何よりも感動しました。映画は「時間」の芸術。それを体現するような一本だと思います。長>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

2.3

ガイ・リッチーの映画って「面白そう」ではあるけど、いざ見てみるとそんなに面白くないんですよね。ストーリーの展開は「どんでん返し」と言えるほどのモノでもなく「してやられた!」感もなし。映画ネタをちょいち>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.9

今まで見てきたチャップリン映画のなかで最もプロットが面白い作品だと思いました。それをコメディシーンだけで展開していく手腕はさすがですね。「チャップリンの映画を最初に見るならどれがいい?」と言われたら、>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

3.6

ウェスは本当にダメな人たちを描く天才ですね。今回は特にグウィネス・パルトローへの被写体としての「愛」がすごく溢れているように思いました。キャラクター的にはジーン・ハックマンのロイヤルが本当にコミカルな>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.0

人を人形みたいに撮影するウェス・アンダーソンにとって、ストップ・モーションアニメにたどり着くのは必然といえば必然なのかも。どこまでも静的な画がキャラクターの運動の強調とファンタジーな表現を両立させてい>>続きを読む

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

3.8

革靴を煮て食べるシーンや小屋での追いかけっこ、雪かきでの金儲け、落っこちそうな小屋の中でのやりとりなど、これ以降の全ての映画、ドラマ、コントに影響を与えたであろうあらゆる様式がここに詰まっている。喜劇>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

2.8

もともとの『ゴーストバスターズ』自体そこまでよくできた映画だとは思わないけれど、ビル・マーレイの淡々としたジョークが冴えていて、不条理なコメディ映画として成立していたように思う。リブートで生み出された>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

4.0

あまりにも有名なヒッチコックの名作。歪んだ愛に縛られて心がおかしくなるという点で、ジャネット・リーとアンソニー・パーキンスを並べて、まだ引き返せるジャネットをもう狂ってしまったアンソニーが殺すという展>>続きを読む

空に聞く(2018年製作の映画)

3.8

あらゆる建物が消失し、さらに嵩上げされていき、今まさに街が建て替えられていく最中で人々が日常を営んでいる特殊な光景にカメラを向ける。FMラジオのパーソナリティを中心に撮影されるショットはまるでそこにカ>>続きを読む