バランシーンさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

バランシーン

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宇宙戦争(1953年製作の映画)

3.2

全てのエピソードが当たり前だが僕にとってはどこかで観たことのあるものばかりであり、それは実はこの作品がオリジナルだったりするのだが、面白かったか?と言われれば興味深くはあったが、面白くはない(笑)では>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.8

とにかく冒頭のロスの夜の風景が美しく(本作は夜の撮り方はずっと美しいのだが)、グッと心掴まれての、主人公のいきなりのクズっぷりに高低差で耳がキーンとなりました(笑)
これはサイコパスというより、現代の
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ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.8

怪作との評判は聞こえていて、気になりながらもようやく初見となった本作。
難解との前振りだったが、構造は「シックス・センス」と似ていて、初見には初見の、ラストを踏まえて2回目には2回目の面白さがある作品
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トランス(2013年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

夢オチとかと同じなのだが、やっぱりエリザベスの催眠が万能過ぎることが、本作の面白味を減退させている。そうなると、もはやなんでもいいじゃん、みたいな。畢竟謎解きの楽しみはあまりなく、最後は予想通りストー>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.9

結果としてオーソドックスなオチなんだけど、この作品が作られた時点から考えても現在の驚異的な技術革新のスピードが、ある種のリアリティを帯びさせている。
おそらく、AIと心を通わせる、という体験は遠からず
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.0

僕はいい塩梅のメンタルの時に観たので、とにかく笑っちゃうくらいで済んだけど、これは健全過ぎる人が観ると何かが確実に壊れちゃいそうな作品。

大筋は屋敷のある部屋から出たいのに出られない物語。
いくつか
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.3

なんやかんやで、フィンチャー大好きなんですよね。計算された悪意というか。セブンで撃ち抜かれちゃったんで。

そして本作のような後味の悪さこそが、デヴィッド・フィンチャーの真骨頂。
セブンだって、ゲーム
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.9

地味な方のスピルバーグ。
150分近く、この地味な内容と淡々とした脚本を引き込ませる手腕はやはりスピルバーグ。前半のジムとアベルが心通わせていく流れも素直に入り込める。
が、同系統のミュンヘンもそうだ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.0

主題としては大好物なはずなんだけど、何だか乗れなかった。主人公のキレっぷりにどこかついていけない感が。エミリー・ワトソンもそんな聖母みたいな人いる?ってな感じで。セリフ回しや絵の感じはPTA!ってなり>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.5

ロッキーという作品を本当にリスペクトしているチームが作った、多くのロッキーファンが観たかったあるべき続編。これが本当に観たかった「ロッキー5」と言える。
アポロの息子、という設定が秀逸で、ロッキーとい
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.2

ワルキューレのシーンをピークに観るのを諦めた作品だったが、今回完走。
全編、狂気対狂気対狂気。でもこれが戦争のリアルであろうし、ソファーで寝転びながら観る僕にとやかく言うことはできない。何かがズレれば
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.9

公開当時。フィンチャー×あのゾディアック事件、ということで傑作確定と意気揚々と観に行って、見事に完走出来なかった(途中でかなり豪快に寝た)作品。
当時、何が退屈だったのかと考えると、やはり僕がフィンチ
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.5

まずは3時間近く、飽きずに集中させるストーリーテリングの見事さに感服。
ノーラン得意の「時間」モノだが、テーマは愛。ガゼットはハードSFときて、大盛り上がりでした。娘などいない僕にも、愛する娘のために
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カンパニー・マン(2002年製作の映画)

3.5

公開時、当時の彼女と観た思い出。
そして18年ぶりに見返してみて思うのは…。

CUBEは本当に傑作だった。あの当時、そのヴィンチェンツォ・ナタリの次作となれば大きな期待が集まるのは仕方がなかった。が
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ナチス第三の男(2017年製作の映画)

3.0

何度か描かれているハイドリヒ暗殺だが、本作はハイドリヒ側からの描写、特に妻リナのエピソードなど、従来作にない視点があり、期待したが結果から言うと脚色の失敗。ハイドリヒ側のストーリーも、レジスタンス側の>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.3

実際、観ている僕らは何が起きているかを分かっていて、画面内では何が起きているのか分からない。この視座の差をどのように埋めて、緊迫感を作るのかが、この手の作品のポイントになるのだろうが、本作は良くその緊>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

率直な印象はアナザーサイド・オブ・まごころを君に。最後に「序」同様、結構忠実に旧世紀版に回帰したなと。
もはや、SF的な謎解きや、物語としてのカタルシス・整合性は主題にならず、作り手も受け手もひたすら
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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

4.0

熱くなれる映画。
ボルグもマッケンローもコナーズも活字では覚えている。マッケンローが一番印象的かな。ただ、ボルグとマッケンローの間にこんなドラマがあったことは知らなかった。
冷血、と見せかけて実際は滾
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

3.6

観るならあれから10年の今日しかないと思い、鑑賞。
正直言うと、ドキュメンタリーとしては極めて優秀な一連のNHKスペシャルの仕事があり、こちらが存在感を示すにはいかにドラマとして訴求するか?なのだろう
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サムライ(1967年製作の映画)

3.9

ミニマリズムのカッコよさ。とにかくセリフが少ない。アラン・ドロンもほとんど喋らない。喋らないが、ストーリーは伝わるし、むしろ印象に残る。
伏線もしっかりしていて、ラストの弾が入っていない演出もグッとく
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誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)

3.8

素晴らしい脚本。素晴らしい演技。ル・カレとフィリップ・シーモア・ホフマンを悼む。
共感を呼び込む演技と、拒絶する演技、もっとホフマンの作品を見たかった、とつくづく思う。
ラストはコレがリアルだとも言え
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

3.9

とても強く、厳しい物語。
レジスタンスがどう、ナチがどう、の前にひたすら目の前にある扉を削る、開く。これ自体がなんらかのメタファーとなっている。孤立した生があり、連帯とは言えないが、しかし確実な紐帯が
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潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

3.7

この作品は若くて勢いに溢れているときに観ても多分意味がなくて、ゆっくりと人生の後半戦に差し掛かろうとしている今、観たことに意味があったと思う。
人の一生というのはよく出来ていて、何も出来ない状態から、
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バファロー大隊(1960年製作の映画)

3.2

時間が経ってしまったからこそ、評価の難しい作品。
ジョン・フォードらしいドンパチもなく、ミステリー仕立ての法廷劇。脚本は立派で、50年代のご時世でよくあのラストにたどり着けたとすら思う。
そんな言葉な
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暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.0

映画でなければ出来ない体験、というものがあり、この作品はまさにそれだった。
とにかく美麗な画が続くのだが、どれも僕自身がどこかで見たことのあるように感じる光景ばかり。田舎町の夏の夕暮れ、という字面の良
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.4

序盤、ジェフ・ゴールドブラムがシリーズの核心を突く問いを行う。そこで5作目にして、恐竜は現実の何かの比喩であり、ジュラシック・パークシリーズはファンタジーだけではなく、ある種のアクチュアリティを持つ物>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

4.0

映像表現の素晴らしさ、テーマの多様さ、そしてエンターテインメント。こうした多くの骨子を無理なく消化させ、ひとつのパッケージとして提示されたものを見るのは、やはり映画にしかできない愉悦と言える。
ついに
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.9

何度かぶつ切りで見ていて、とても気になっていた作品。
今回初めて通しで観ました。

前半。とにかく演者の熱気とテンションでグイグイ引っ張る。テンポもよく、プロットも秀逸で引き込まれます。控えめに言って
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ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.2

スピノサウルスとプテラノドンがシリーズ初登場。
プテラノドンの登場で恐怖の奥行きは増したが、相変わらずドラマパートはチープで、一作目のレジェンド、サム・ニールを担ぎ出すも結局、散々人を殺して、迷惑を掛
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ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年製作の映画)

4.0

やはりエンタメに徹したスピルバーグはすごい。
飽きない展開。でも逆にワザと?ってくらい画一化したキャラ設定。
公開当時、映画館で観たが、恐竜の表現の方に気がいき過ぎてドラマはほとんど覚えていない。再見
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.7

とにかくストーリーはとても間抜けで、ジュリアンもジャンヌ・モローもダメカップルも、いちいち足りないのだが、この映画のポイントはそこではなくて、ルイ・マルという才能溢れる作家が25歳の美意識を惜しみなく>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

4.1

なんとも評価にも、感想にも困る作品だ。
登場人物は皆、半分正しく、半分間違っている。
スケール感のある悪党はおらず、賞金稼ぎもガンマンもどこか悪い意味で等身大だ。
一方で不条理は徹底していて、現代から
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.0

絶望的なまでにストーリーが厳しい。
もちろんトンデモ風味のSF meetsラブストーリーだから、多少の破綻は問題ないのだが、これは厳し過ぎる(笑)
ただ、ダムドに始まり、ベルベット・アンダーグラウンド
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.2

とにかく脚本の見事さで129分引っ張る。
淡々とした演出だが、そこには熱く、理想的な仕事がある。
もうどこにも存在していないだろうと思っていた、ジャーナリズムの理想がゼロ年代のボストンに確かにあったと
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華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.1

バズ・ラーマン×ディカプリオ、これだけで名作確定。
しかも、あのギャツビーをディカプリオが演じる。これもいかにもなハマり役。
感じたのは、享楽と蕩尽で埋まるものも確かにあり、埋まらないものもあるという
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女は女である(1961年製作の映画)

4.0

ゴダールのマイベストでは?

とにかく、アンナ・カリーナにメロメロなことが痛いほど伝わる(笑)あの、しち難しいイメージのゴダールが、ただの恋の虜。そして、それをなんのてらいもなく曝け出してるのが素晴ら
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