又三郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

又三郎

又三郎

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フリーソロ(2018年製作の映画)

4.0

まず、作品に出てくるアレックスオノルドという人間は尋常じゃない。我々がどんなに努力しても、真似できないことをしている。命綱を持たずして急峻な断崖絶壁を登るなど、誰が好んでやるのだろう。しかしそれが目の>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.6

隣人はジョーカー。
社会の中で人間が生きていくことはそう簡単なことではないと、この作品は教えてくれる。主人公のように大きな〝負債〟を背負ったことはなくても、我々も一つくらいは身に覚えがあるのではないか
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.9

とんでもない厨二映画を観させられた。と、序盤は思っていました。女に浮かれたアメリカのティーンたち、うだつの上がらない大人たち、そして世間知らずのお姉ちゃん。全てがストーリーに都合よく展開し、いつまでも>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

3.2

映画の内容は後に譲るとして、国のスキャンダルというテーマ性に加え、現政権をここまで皮肉るストーリーを今の日本で作ることができたこと(映画のプロデューサー陣、スタッフ、キャストの姿勢)の意義は非常に大き>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.9

名前という自分のアイデンティティを軸にした恋愛劇。過剰な演出も気にならず、とても入り込めて見ることができました。

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.8

冒頭はアメリカのティーンにウケそうなシーンの連続で安っぽいハリウッドを見せられたかなという予感がしたが、随所に挟まるインタビューが妙にリアルで、話が進むにつれてどういうことだ?と。
つまり下調べをせず
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.8

人種差別をテーマにした痛快なドラマ。
上映時間が長いのは玉に瑕だが、中盤以降はハラハラさせる展開が続くので体感時間は早く感じる。ロンとフリップの人種を超えたバディ感に見てるこちら側も感情移入してしまう
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.0

大切に思う人や土地を死後の世界から見つめる作品。人類の存在そのものに問いを投げかけるシーンも差し込むなどいわゆる他のゴースト系(そんなジャンルがあるか知らないが)とは一線を画している。序盤のこれでもか>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

自分とは何者か。本作はアメリカの片田舎で育った女の子が自我を問うていく映画だ。自分が住んでいる場所や親からつけられた名前、あらゆることに不満を抱く主人公。思ったことは不謹慎でも何でも口にし、(ある意味>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.9

怒りは怒りを来す。作中の言葉がまさにストーリーの軸になる。
娘を亡くした母親のある行動がまちの警察組織を大きく揺るがす。よくあるストーリーかと思いきや、この作品の興味深いところはその価値観が中盤で逆転
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恋の渦(2013年製作の映画)

3.5

見た目もやりとりも全てが中途半端でリアル

来る(2018年製作の映画)

3.3

良くも悪くも〝聖俗〟併せ呑む中島ワールド炸裂な作品。ラストで松たか子が芋虫を吐いたのは何故か未だに不明。柴田理恵の伸びしろ感じました。

愛と法(2017年製作の映画)

4.1

LGBTをはじめときたマイノリティの人々というのはともすれば「普通」の人々よりもしっかりしてると思いがち(それが弁護士ならば尚更)ですが、この作品を見ると誰もが人間臭くてなんだかホッとさせられる。

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.9

ストーリーの導入がやや唐突な気もしたが全体の尺を考えると致し方ないか。アーティストものではよくある孤高の〇〇という描き方。それでも気づけばフレディやバンドメンバー、そしてメアリーをはじてとした周りの人>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.9

ストックホルムを舞台にした社会派映画。アート界あるあるや、ヨーロッパならではのユーモアが散りばめられたシーンの数々。だいぶ笑った。
一方、後半の晩餐会のシーン、あれには正直驚いた。文明と野蛮の対比をあ
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.2

良くも悪くもスピルバーグ映画だなと思った。しっかり物語に起伏を持たせて描くあたりは流石。女社主と幹部連中とのあつれきが、国家に立ち向かう地方紙の報道の展開に沿ってうまく昇華されていく過程は観ていてとて>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

SWシリーズは一応全て観てますが、最新作を見る頃には過去の流れは細かく覚えていない程度の観客です。
そんな私が観た感想なのであまり偉そうには言えませんが、今作ははっきり無駄の多い作りになっていると言わ
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.9

高校生以来、久しぶりに見直しました。
昔ほどの感動はなかったものの、やはりキャスティングが絶妙というか。映画を飛び越してマッドとベンの友情が垣間見えるような気がして心を動かされてしまう。

しばらくぶ
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十年(2015年製作の映画)

3.2

この喋り方...
広東語の語り口が妙に懐かしいと思っていたら、小さな頃によく観ていたジャッキーチェンの映画の話し方そのものだった。そう、あれは確かに香港映画だった。
文化的な侵食が進む香港で、彼らが危
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.7

前作を見直さずに鑑賞したので比較はあまりできません。が、少なくとも82年当時に作品を見た人が受けた近未来の描写への衝撃と同じ程度のものを感じました。個々に描かれる非常に美しい景色は、それだけでも大画面>>続きを読む

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.9

アメリカンニューシネマの類が好きということもあるけれど、それぞれのキャラが立っていて落ち着くところに落ち着くストーリーがなんとも切なく味わい深い。それにしてもジャックニコルソンの演技はいつ見ても惚れ惚>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

3.0

ストーリーもベタベタでこんなカメラマンいるかよという思いもありながら、所々感情移入してしまいました。

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.7

前評判通りの良作。前半にじっくりと登場人物を紹介したからこそ後半の展開に引き込まれるし、妙にカタルシスですっきりとしてしまう。ただパーティーでアジア人を無理やり出す必要はあるのかなと。人種的バランスを>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

限られた時間で三つの物語を一つにうまく収斂させていく描き方は見事。CGにあまり頼らずに現場を撮影していたところにも感心した。

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

サンダンス映画祭受賞作と聞き、持ってしまった期待値を上回るものではなかった。現実と空想が混在したストーリーは珍しくないが、この作品については自分はそこの区別に納得できず、置いてけぼりを味わう羽目に。孤>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.3

おっさんになって疾走感はやや失速気味だが、それはそれで味わい深い。やんちゃな青春を送った主人公たちのその後を見るのはなんとも痛くて辛い。でもそんな中で必死にもがく彼らの姿は希望に似た何かを与えてくれる>>続きを読む