Vocaliseさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Vocalise

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幻滅(2021年製作の映画)

4.2

テンポがよく楽しく観ることができました

三人称での語りという距離感が
文学的でそれもよい作用をしていたと思います

バンジャマン、華があるなとつくづく

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)

4.3

隠れた名作
すごくよかったです

孤独な男たちが出会って
起こる作用

極北だからこそなお
ただ家の中というだけで暖かく感じるけれど
そこで繰り広げられるのは
不器用ながら交わされ始める言葉のやり取り
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

事前情報ゼロでの観賞
ちょっと苦手なアメリカ的“いいお話”というイメージしかなかったのですが、
そうとはまったく括りきれない意外なものでした

部屋に誰かが入ってきて会話が始まり物語が動き始める、の連
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憎しみ(1995年製作の映画)

4.0

つねに危うさであふれていて
リアルに伝わってくる凄みがありました

かっこいいカットの幾つかにはっとして
モノクロというのも相まって古さを感じませんでした
問題そのものが変わっていない、
どころか複雑
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五月のミル(1989年製作の映画)

3.9

斬り込んだブラックユーモアがなかなか心地よい作品でした

100分、この世界とこの一族にずっと楽しませてもらいました

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

旅の出会いの顛末
これも一つの正解と
静かに込み上げてくるものがありました

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.2

冒頭からお得意の皮肉がド直球で効いていて
始まった始まったと気持ちが昂りました

思想的なものや社会風刺の流れとはべつに
個々人の性分にも詰めよっているところが実に監督らしい
こういう人いるよなーとか
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金の糸(2019年製作の映画)

3.9

語り伝えていくべきことや心に刻み直したいことを
自分の言葉だったり著名な詩の引用でこれでもかと紡いでいく独特な物語

それだけ、私にもあなたにもあの人にもジョージアの血が流れていて歴史の積み重ねの上に
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近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

4.2

痛快喜劇
風刺的で諸々メッセージ性も強いながら
監督ならではの笑いとテンポでまるごとくるんでしまう見事なエンタメ作品でした

独立国“邪馬台国”の面々
各大臣がそれなりに役割を果たしていると同様
役者
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.1

日毎に増してきた余韻、余韻というのか、
多くのシーンが蘇ってきてはふとまたあれらに触れたいという感覚が増してきました

なかでもやはり、ラストに関しては観賞直後よりも鮮明に浮かんぶあの画や音がまさに私
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.2

世界に対して奥ゆかしく慎み深い姿勢でありながら
今テーマを堂々と作品として提示したことに圧倒され魅了されました

稀有な映画体験

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

疾走感
人物達の
時代の
画面からあふれてくるそれらが気持ちよかったです

共感とか好みとかは別としても
作り手の熱い意志が感じられて
なんだかんだ楽しく見られました

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.1

鵞鳥湖という名や妖気だけですでに惹き付けられてしまうものがありました
この監督はいつも舞台選びに長けているなと感じさせられます

ネオンや闇に行き交う靴の蛍光、わずかな日中の明るさ、影、それらの醸し出
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

早く醒めてほしい夢

お願いお願いお願いだから

起きた瞬間、哀しみが溢れ尽くして放心するのか
何らかの納得に似たものが僅かに勝るのか
どうなのかな

そんなことをちょっぴり想像した
やや珍しい観賞後
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.3

シンプルなテーマをここまで完全な物語として仕立て上げていることに
静かな驚きと感動が込み上げました

終わってみて振り返ると
とても胸にせまるシーンがあって

宇宙服のまま戻った部屋での動き
フェンス
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

優しさや親切なんてものじゃなく
私という一人に対してのほんの一つの挨拶が
どんなに明日の私を生かしてくれるか

届けるために用いる言葉は等しく重さをもつ

観賞中多くのことを感じとられせてくれる作品で
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.2

彼女たちが生きる数日の世界を
そっと傍から見ているような感覚にさせるカメラワーク

合間合間に互いを見やる視線であったり
カウンセラーや大人からの視点が
どんなに優しく必要なものだとしても
一定の距離
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祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.1

閉ざされ身動きのとりにくい小さな世界で
毅然と、まるで自由にうまく生きようとする振る舞いが軽妙に描かれていて
反面、本来の弱さもまた克明に浮き彫りとされて
最後にぐっと気持ちを引き寄せられました

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私の20世紀(1989年製作の映画)

4.1

ひとつの夢をみていたような
それもとても摩訶不思議で
でも起きるときには口元が穏やかに笑っているはずの
そんな心地にさせてくれる作品でした

エジソンの白熱灯や電報などを時間軸としても使うアイディアは
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帰れない二人(2018年製作の映画)

4.2

『長江哀歌』と連動するものがあって
U.F.O.の話とかついあの時の!?と思ってしまったり
なにか懐かしみすら感じながら観られました

歌謡曲の使い方が相変わらずよかったです

巨大な変化の波と矛盾の
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Summer of 85(2020年製作の映画)

4.0

事実でも回想でも
それが誰のためでも
歪曲していても
物語
であるとしているところが好き

書くということ

オゾン監督の中にある大事なベースのように思います

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

あの静けさに、最後に、
思うことは見る人さまさまなのでしょう

切なさのなかにも
巻き戻すことはできない時間というものを否定しないで
プラスの意思に働きかけるものを感じとれたのがよかったです

巻き戻
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