Vocaliseさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Vocalise

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ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.3

サーカスが人生
人生はサーカス

それでも帰る(還る)場所は

といったようなわかりやすいストーリーに
映画・映像の歴史の歩みも添えられた愛ある作品

ふんだんなアイディアとユーモラスに溢れながら物悲
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

まだ小さすぎた私の宇宙の中で
明日もあさっても生きぬくには
物語がどうしても必要だった

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.8

ともすると台詞が空々しくさえ感じられたりもするのに
却ってそれがポツンとたつASAHIZAの存在と共鳴しあって、多くが象徴的な言葉や笑いとして残っていく不思議な味わいがありました

皆さんおっしゃつて
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

二重にも三重にもそれ以上に幾重にもあって容易には測りようもない内面がうまく描かれていました

それを表情で見事に形にした主演二人が本当に素晴らしい

アジアの天使(2021年製作の映画)

3.9

荒削りなところは多々あったように思うものの
妙に響いた感覚があるのもたしかです

子どもの頃に刻まれた記憶を信じ続けて
それをちょっとした寓話的アイテムとして使っているのが好みに合っていたのは大きいか
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

3.9

視点の変動に途中までやや戸惑いも感じながら見ましたが、食べものを中心とした日常とそこに笑顔が生まれてくる描写は理屈抜きに好きで楽しいです
もちろん厳しい現実がベースにあってのことですが

アブラの変化
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.2

おもしろいものを観させてもらいました

日々のルーティン、特に家の中のことそして少しの何度かの外出(家事の一環)
自分なりの順序、ルール、効率により繰り返すジャンヌがあらゆる定点カメラで捉えられますが
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冬の小鳥(2009年製作の映画)

4.2

常に主人公視点でありながらも
何人かの登場人物の心情描写が手に取るとるよう扱われていたところが作品に厚みをもたせていてよかったです
それぞれ想いがあるのだなと、その内面の深くまでは語られはしないものの
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.9

青春ものはそんなに得意な方ではないものの、
この瑞々しさも煌めきも押しつけがましさのないもので独特なアプローチや課程の運びによりむしろ心地よく観られて好きでした

教祖とか興味をひく要素を盛り込みつつ
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.0

いったい何を見せられているのか
と感じつつも
自由すぎる(それとも闇で作られた極限の)産物によって映画の新しい可能性みたいなものがはみ出しそうな勢いをもって迫ってくるようにも感じながらの観賞でした
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

観賞してからちょうど丸一日たってみてものすごく大きな何かが気持ちに残っているわけではないものの
観ているときずっととても心地がよかったなという感想が変わらずあります
そして好きな作品だなとしみじみ感じ
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.1

どこか現実的でない、オハナシの中であるような彼らの会話や距離感
その中にもまたオハナシがあって、そこでの登場人物はときに実際にも登場するという面白い構造

けれどだんだんと緩やかに推測させ察知させて真
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

これから飛びたつ若者たちと、枯れゆくことを意識し始めたおじさんたちとの対比にラスト泣きそうになりましたが、マッツの華麗すぎる踊りに圧倒されて感動してかなり良い後味でした

ドライブマイカーは向き合えな
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

劇場で見るべきとアドバイスを受けて漸くの観賞

終盤で突然腑におちました(勝手に)

一周どころか何周もめぐりめぐってつまりは、芝居においても人生においても“自分のパート”がいかに重要かということ
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.5

ファルハディ監督の本気の本気をここにみた思いがして、どっと疲れが出ましたが大変な見応えでした

これでもかと抉り出すように、幾層もの思惑をみせ交錯させるさまには本当に驚きました
しかもここまで多くの登
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水を抱く女(2020年製作の映画)

4.1

出会いにも水で
それぞれの決断にも水があって
そして神話をもとにしたらしい妖しさや謎めき等々
世界観がすごく好みのものでした

水の底に刻まれた名が最初は愛絶頂の象徴にのように見えたけれど、
後にはま
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

監督のベルファストに対する郷愁は伝わってきました
子ども目線で描かれているので難しくなく見易い作品だと思います

以下、完全に個人的好みの問題だったため
これから観るのを楽しみにしている方は参考になさ
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.3

ほぼアクションじゃないかと思うような激しいシーンまでやってのける若尾文子さんはやっぱりすごい

人物のバックグラウンド、“村”というところの事、そして戦意高揚の空気感、それら土台がしっかりと描かれた上
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.1

雄大な自然と家の内側、人物たちが見せる姿と見せない内側、そのアンバランスさがこの作品独自の雰囲気をまとって描かれていました

すべての感情を多層的に複雑に隠しこんだようなカンパーバッチの演技が素晴らし
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冬の光(1962年製作の映画)

4.2

分かりやすく神の沈黙を扱っている作品
台詞の奥にもっと切実な何かがあるように見える陰影やアップがとても印象的でした

前半で一気に神の沈黙、不在、生きる意味目的
などの問いが吐き出されるように提示され
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.8

地球規模の事象がそこにあるときの人々の動静や模様がザ・アメリカ的に描かれていて面白く観られました

あるべき姿とかってあるのだろうかと考えてしまいました

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.2

極めて個人的な感情に密着して見せつつ、当時の国家の在り方が少なからず見渡せる面白いつくりでした

激しく描いているわけでないのに
葛藤や心情の変化が緊張感とともに伝わっきて
このような社会で生まれる
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プレイタイム(1967年製作の映画)

4.3

洒落ている
とはまさにこのことだと思う

ぼくの伯父さんと趣きは違いつつ
こちらもまた細部まで行き届いた魅せる力に溢れた作品でした

一部、「男はつらいよ ー 旅の女とユロ伯父さん」みたいになりそこも
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ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)

4.2

霧中と
つづいて
ようやく映写されたフィルム

なんてことだと息をのみました
監督のその発想と執心に震えそうにもなって
そこに殆ど心をもっていかれました

時間や自己の糸がもつれ合う描写が印象に残る作
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