アラカンさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.2

前作よりも全ての要素で進化していて素晴らしいの一言に尽きる。多分何年か経ったら一部のマニアにめっちゃ支持される作品になるんだろうなぁ。

2人の表現の幅が広がったのかユーモアもセリフだけじゃなく間の使
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水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.9

中村倫也好きへのファンサが溢れている作品。多分ファンはこういうのが1番喜ぶんだろうなと。

簡単な設定でありながらなかなかに引きがあり面白かった。
人格をまたいでいるのは火曜だけというミスリードくらい
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

妄想と共に生きて現実を豊かに。
ずっと観よう観ようと思いつつ見ていなかった作品。ナレーションとBGMが終始作品のリズム感を安定させており、その中でアメリの静かで情熱的な葛藤が繰り広げられる。
この作品
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

1時間半と聞いていたが30分ほどで終わって「ん?なんか低質のもの見せられただけだが?」と思っていたら後半戦で なるほどそういうことか と一気に面白くなっていった。

まずそもそもワンカットで30分とい
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

アクション系かと思いきや思いっきり風刺コメディだった(ちゃんとキレのあるアクションもしてる)

髙石あかりをインスタでただ可愛いという理由でフォローしていたが、1作目公開時は劇場に足を運びはしなかった
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

実力派しかいないキャストのフルコース。
風刺とはこのように、と言わんばかりに完成されている作品。社会問題を取り扱った作品で時々何か一つをテーマに行うことがあるが実際生きているとそんな単純なことは無い。
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.4

仮面ライダーの設定をリアルに再現したらこんくらいヤバいぜ?ていうのを2時間ちょいじっくりと教えられた。内容はもう覚えていないが幼少期に親に連れられて観た仮面ライダーTHE FIRSTを思い出した。陰鬱>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

3.8

コメディとしての完成度が高い。
チャプターに分かれた12個ほどの構成となっており、テネンバウム家を主人公ロイヤルを軸として掘り下げていく。
家族のそれぞれが抱える問題を一番のトラブルメーカーであるロイ
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ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)

2.9

映画というより尖った演劇に近い。
具体を避けて抽象表現に逃げていたように感じた。脚本よりも物語の進行に沿ったダイナミックな感情にフォーカスしていたように思う。しかし脈絡が曖昧なためにその感情の動きもそ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.7

ペトログリフのシーンを寝こくってしまい激しく後悔。自業自得とはいえモヤついてしまう。
ラウラは異国の地で異文化のルーツに触れるためにムルマンスクへと向かったがその道中で一切の着飾りを知らないリョーハと
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Winny(2023年製作の映画)

4.2

劇的な演出はなくノンフィクションよろしく現実味のある展開。現在のweb3にも通ずるブロックチェーン技術の先駆けとなった"winny"、その開発者の不当逮捕をめぐる物語。
恥ずかしながら題材となる事件に
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.9

コメディとしての完成度が高い作品。
下世話な内容やわかりやすいボケなどはなく、終始マックスの行動を起点に描かれる非日常がどこか親しみを覚えるほどに感情描写が巧かった。
ウェス・アンダーソン作品は以前早
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.5

展開自体に意外性はなくモノローグを追っていけば灯台もと暗しであったと、そんなお話だった。キャラクターにもアイコニックさのようなものはなくただなにかの属性に当てはめた印象が強い。まあ世の中全ての人の特徴>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

スリラーとしてはもう少し刺激的に作ってもらえれば好みの味付けだったが、この一定のリズム感が作品に品格をもたらしてもいる。もしケチをつけるのであればそれは監督に対する信頼が足りないゆえであり、そんな輩は>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

3.8

狭い広い街、下北沢。 やっぱり狭いのかも。
直接の繋がりがあってもなくてもここに訪れる人は自ずと引き寄せ合うのだろうか。

映画というよりは演劇ともコントともとれるような脚本で、東京03やダ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.3

小難しい超次元的な話をコメディとアクションを混じえて体験的に理解でき、なおかつ様々なテーマを扱っていながらも複雑な印象を受けずストレートにそれらが頭に入ってくるため、コメディの明るさを失わないまま後半>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.9

映画監督志望の青年が主人公であるためか、作品全体を通して登場人物をフィーチャーする際に、主人公サミーの劇中での撮影技法と似たものを用いていた。
ドロステ効果とまではいかないが物語を俯瞰して鑑賞させられ
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さがす(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原田智と山内照巳、その関係性は歪ながらも利害の一致でなんとか成り立っていた。山内はネクロフィリアの衝動に従い自殺希望者の連続殺人を行う。原田は安楽死願望の強い妻を見殺した過去と高額報酬の誘いから山内の>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.7

作品自体になにか訴えかけてくるテーマがあるのかと言えばあまりそういったものは感じなかった。
ただそういう見方に対して「ちょっと肩の力抜いたら?」とつい誘われてしまうような感覚が残る。
今泉力哉作品とい
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.1

愛国心、家族愛、そのどちらを重んじても、根底に通じるのは平和を愛する心であり、それらがある限り個人は時に国家をも大きく動かす。
多数の個人の犠牲が今日の世界を作っている。まだ平和と言うには程遠い世の中
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.7

Netflixで鑑賞したが短編のひとつ「オサムをこんなうさんくさい道場に通わせたくありません」がどれかわからなかった。

竹中直人、山田孝之、斎藤工という世間的には俳優として印象強い3人が監督となり、
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

岸井ゆきのの演技が凄すぎる。
自分はろう者ではないためその再現度がどれほどのものかは正確には計り知れないが、「音が聞こえないなら確かにこういう行動をとるだろう」という考えを映像から伝えられることが多く
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

爆発的ヒットを起こしたホアキン・フェニックス版「JOKER」の世界線でのバットマンの物語。
何回目の焼き直しかわからないが、これまでのシリーズに比べていくらか現実味のあるアクションと装備の数々ではあっ
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.4

一見、"天才と凡才の対決"というありふれた構図に見えがちだが、この舞台で対峙している2人はまぎれもない天才同士。
しかし天才には天才の、それぞれに異なる悩みや葛藤を抱えている。滾り溢れる熱量をどうにか
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

圧倒的映像美。
IMAXレーザー、HFR、3Dというハッピーセットでの視聴。
エンドゲームの制作費ですら400億を超えるのなら、人間以外ほぼCGの今作は制作陣の苦労が計り知れない。3時間10分となかな
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美女と野獣(2017年製作の映画)

3.9

時代設定と描写の齟齬が時折引っかかるがファンタジーにそんな野暮は許されない。私達はあちら側の世界に招き入れてもらう異邦人なのだから。

"最初は"ルッキズムが挨拶してきたり引きこもったりという印象を受
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.6


1作目では「人と人の繋がり」というところにフォーカスされていたと思うが、今作では「メインキャラクターそれぞれが抱えるジレンマ」という点のほうが象徴的に描かれていた。特にアナとエルサの選択には2人それ
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.8

実写であれば海外作品は字幕で見るが、アニメーション作品は吹き替えで見る。その上で今作は様々な固有名詞が訳されないまま登場するが、特に説明はなくとも文脈からするりとその意味が頭の中に入ってくる。メキシコ>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.3

ミステリーと聞いていたがどちらかというと人の繋がりという部分にフォーカスされている作品だった。推理ものを期待していた人には少し物足りなく感じるだろうが、自分は満足した。孤独で報われない主人公のジレンマ>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.9

脚本は好き
けれど奇妙な世界観の割に演出がシンプル且つ親切で考える余白がなかった。ひとつの表現から複数の展開が働く訳ではなく1つの点と1つの点をただ結んでいくようなストーリー。含みを持たせた演出をする
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ドラキュラZERO(2014年製作の映画)

3.3

主人公が国と家族を守るため文字通り悪魔に魂を売る作品。BLEACHにハマっていた小学生の頃の気分を思い出させてくれた。