paraさんの映画レビュー・感想・評価

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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.0

救いのない現実
出口が見えず終始胸が締め付けられる

爽快なラストはベニーにとりシステムからの解放のようでいて、ミヒャのセリフの通り更に自ら首を絞めていくことでもあるので解放への道ではない…

アルブ
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彼女たちの舞台(1988年製作の映画)

4.0

ジャック・リヴェット作品だなぁと思わせる長尺でも先が読めなくて引き込まれる世界。
ビュル・オジエの存在感。

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.5

観てください、そのひと言

AP通信の記者が命懸けで撮影し世界に広めたマリウポリの惨状
そこは何が起きているのかもわからない情報が遮断された社会
その映像をロシア側に渡さずに真実として残すために記者達
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医学生 ガザへ行く(2022年製作の映画)

4.0

飛び込む勇気と自然体の博愛

レビューまとまらないため、思ったままを記録

ユナイテッドピープル主催
パレスチナ子どものキャンペーン田中さんとユナイテッドピープル関根さんのトークおよびUNRWA清田
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死刑台のメロディ 4K リマスター・英語版(1971年製作の映画)

4.0

アメリカで起きた冤罪事件であるイタリア人移民のサッコ・ヴァンゼッティ事件を描いた法廷劇。

社会情勢等の時代に翻弄されたとも言えるが、正義とは何か、主義思想を持つことは罪なのか、そもそも人が人を裁く時
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.8

異形の愛

想像もしなかった展開と着地点。(後から思えばフリアンもディアナも伏線は言動や絵画など複数あった。そして後半は息苦しさと祈るようにスクリーン見入ってしまった。虎の絵ナイス)

人は他人には言
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異人たち(2023年製作の映画)

4.1

1人で心の奥底に抱える孤独や辛さ。
寂しくはないが物悲しく身の置き場のないような窮屈さはなかなか他者とは分かち合えないし積極的に共有しようとも思わない。
それでもやはり誰かに自分を理解して認めてもらい
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.8

挿入される歌の歌詞がシュールなものが多く、またセリフやナレーションも含めてこれぞフランスというアニメーション。
リンダが亡き父の想い出のパプリカチキンを食べたいあまりに引き起こされる大騒動(カオス)。
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プリシラ(2023年製作の映画)

-

人間とは無いものねだりをする生き物で、皆それぞれに愛に飢えている

従順な少女が大人になり自立して自由を求めて旅立つまでを描き、原作プリシラ・プレスリー本人が製作総指揮も務めているため完全にプリシラに
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.7

幸せの渦の中に突然放り込まれる石が引き起こすさざなみ

心象を表す映像がとても素敵でした。
リアルな人間模様や感情の機微。
登場人物たちが切ない感情を抱くのは移民であることも関係しているのかも。生ま
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Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022+(2023年製作の映画)

5.0

過去鑑賞記録

2022年12月11日 教授が場所を指定したという町田のグランベリーパーク SAIONでRyuichi Sakamoto Playing the Piano 2022を、
その後、教授
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.8

まさにインフィニティ♾️で何処からどこまでが幻覚なのか境界線が明確ではない倒錯の世界
飲み物飲むのも忘れて見入った不穏な117分

ミア・ゴスの男を絡めとるような小悪魔ラスボスと追い詰められるアレクサ
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.7

大きな声で問題提起もしなければ解決もしないが、前向きな気分になる作品で伏線回収が見事。

カトリック(堕胎不可)、妊娠することで夢を諦める人、突き進める環境にある人、州によって法律が異なること(結婚年
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

アメリカのフォン・エリック一家の実話に基づく手堅い作品
最後はジーンと来る家族の物語
A24
プロレスは全くわかりませんが、ハリス目当てで。

強すぎる父親の価値観マッチョイズムの呪縛、薬の影響もあり
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.1

ノーラン監督長編デビュー作を監督自ら監修して4Kスキャン
パンフレットあり※

全員別に本職ありで週末限定撮影の低予算とは思えない。ノーラン監督は最初から非凡な才を発揮していた。
ビルに同じく最後は観
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.1

数日経っても脳にこびりついている作品

デンマーク統治下にあったアイスランド

Vanskabte Land(デンマーク語)
直訳すると歪な土地、変形した大地
Volaða land (アイスラン
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.9

ある意味『ラインの黄金』で始まり、『ラインの黄金』で終わる。

破天荒なラッパーカターの成功までの物語。
切り替えの良さとテンポが非常に良く、ハラハラしながら引き込まれあっという間にエンド。

ドイツ
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

-

写真家ナン・ゴールディンの半生と、彼女が大手製薬会社を弾糾するドキュメンタリー。
(裁判の場面での弁護士はデュポンに挑んだ弁護士を彷彿させる)

美しくも残酷なタイトルが何処から出てきたのかがわかると
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

我は死なり、世界の破壊者なり
天才科学者が科学者の本懐と言うべき真理を探究することで抱えることになった苦悩や政治背景
そして不可逆な世界について

ノーラン監督なのでアメリカ万歳でもUSA!USA!で
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.8

16mmフィルムが醸し出すノスタルジー
中絶が違憲だった頃のアメリカそして女性の連帯を描きながら、今再び中絶禁止が広まりつつある状況に一石を投じるために作られたのかな?と思いながらの鑑賞。
重たいテー
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私が女になった日(2000年製作の映画)

4.2

3話のファンタジーオムニバス   
舞台はイラン リゾート地キーシュ島(風光明媚でとても美しい海)
声高にうたわずともふんわりそしてしっかりと伝わるイランにおける女性の立ち位置。

イスラーム映画祭 
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憎しみ(1995年製作の映画)

4.5

フランス バンリュー映画 
イスラーム映画祭 神野俊史氏トーク付き

大事なのは落下ではなく着地

ユダヤ、アラブ、アフリカと宗教も人種も異なる移民である3人の若者を通して感じるフランス。
現状から抜
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ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」(2024年製作の映画)

4.0

現在のイングランド代表監督に現役代表選手たちを登場人物として、イングランドの文化、風土、笑いそして政治を描き、さらには人間が避けられない不安や恐怖といった感情への向き合い方を我々にも提示してくれる舞台>>続きを読む

ロンドン・コーリング ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー(2007年製作の映画)

5.0

The Future Is Unwritten
ジョー・ストラマー 人生の軌跡

死ぬまで思考することをやめない。
(自論:頭を使えるのは生きている間だけ)

Rock The Casbah
今も時々
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戦禍の下で(2007年製作の映画)

3.7

第二次レバノン戦争(2006年7月〜)
イスラエルがレバノンに侵攻して3日目にフランスからレバノン入りして撮影された映像とフィクションで構成された作品
俳優は4人のみであとは現地にいた住人、ジャーナリ
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ファルハ(2021年製作の映画)

4.0

1948年 イギリス統治が終わったパレスチナの地で起きたナクバ
実在の人物の身に起きたことに着想を得た作品

岡真里先生トーク付き
『ホロコーストの記憶の政治利用』に図らずも加担している私たちという視
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COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

4.2

Odessaにて

欲を言えばセッションがもっと長ければ満点
それでも観ている間は絶対に目がキラキラしていたし、少し感涙、笑い、共感した。
みなさん本当にドラムを愛している

チャドのチャーミングなオ
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ハーミド〜カシミールの少年(2018年製作の映画)

4.0

映画は世界を知るための入り口
と同時に真実を伝えているとは限らない
それでも映画を観ただけではわからなくても、関心を持つことの大切さはあるはず。

インド カシミール地方に住む少年ハーミドの成長譚で
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.8

実際に起きた事件を元にしたフィクションで、迷宮入りしている殺人事件とそれを追う刑事たちの物語。

勝手に事件に取り込まれて精神的におかしくなるストーリーだと思っていたら、そうではなく犯罪と向き合う刑事
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プロスペローの本(1991年製作の映画)

3.8

人間は夢の成分で構成されている

復讐と赦し

テンペストを元にしていることもあり絢爛豪華な舞台を観ているような気分になるし、登場する本は美術品のよう。

英国ロイヤルバレエスクール出身のダンサー マ
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関心領域(2023年製作の映画)

4.5

慣れと無関心が生む残酷さ

何もナチスの時代だけではない。
今この瞬間もあらゆることに見て見ぬふりしている我々へのメッセージが含まれている。

そして音の恐怖…と不快さ

アカデミー賞前夜先行上映(の
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの独壇場。
+忠実な犬たち(犬ギャング)

IN THE NAME OF GOD…

ラストの画が強烈。
犬たちの活躍(演技)が凄い。

劇中で使用される選曲センス良き
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ネイビーシールズ ラスト・ソルジャー(2023年製作の映画)

3.8

未体験ゾーンの映画たち2024

不死身なネイビーシールズが保護対象を救出に向かうも…
周りは敵しかいないところをたった1人で対峙するあり得ないレベルの戦闘能力。
舞台は米国撤退間近のアフガニスタン。
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季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

シュミット監督少年時代の想い出
祖父母の経営していたホテルが取り壊されることになり、頼まれて思い出の品を探しに向かった先で甦る
少年時代の楽しかった記憶と大人たちの世界を幻想的にノスタルジーたっぷりに
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デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

3.8

17世紀に実在した人物の死因の謎を巡る取材対象の世界に嵌まり込み、心理的にパラレルワールドに入り込んでしまった記者の男の物語。

スリラーはたまたホラーな雰囲気でラストのあのシーンは記憶に残る。

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.8

至高の映像体験

素晴らしい映像の世界観に圧倒され続ける166分
(ストーリー以上に世界観を愉しむ作品かと。ふと冷静に全宇宙にしては北と南とか小さくね?と思うもそれは野暮というものだ)
砂の世界も
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