paraさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

3.7

日本初公開
クストリッツァ監督長編初監督作品
チトー政権下のサラエボ。
1人の少年の青春かつ成長物語。共産主義者で家父長制を重んじる父親が厳しくも暖かく見守る姿にジーンと来る。
その後のユーゴスラビア
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

生きづらさを感じて孤独に生きていてもやはり分かり合える他者と繋がりたい。
多様性という一言では括ることは出来ないし、人は各々生きたいように生きれば良い。(ただし、犯罪行為等社会秩序を乱す行為を除く)か
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私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

3.7

従業員の雇用を守るために権力に楯突いたら脅迫された女性の実話。
“良い被害者“でなければ裁判で心証が悪くなる。
それは裁判の前段階の捜査でも同じこと。
この裁判では最初の弁護士が無能だったに尽きるた
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.0

太平洋戦争前夜の上海租界。そして日本軍進駐。
南京派と重慶派、さらにはイギリス・フランスと日本が絡み合うスパイサスペンス。

オダギリジョーは頼りなく、中島歩は凛々しく、複数の顔を演じるコン・リーはカ
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.7

テンポが良いクラシックな軽快クライムコメディ。

イザベル・ユペールが圧巻。

オゾン監督、多作です。

追記
有名になるために犯罪も盗む…それだけ女性の地位が低かった表れかも。

軽蔑 60周年4Kレストア版(1963年製作の映画)

4.0

映画とはなんぞや。
ゴダールによる商業映画に対するアンチテーゼ。
フリッツ・ラングに語らせるセリフが深い。
第三者からすると取るに足りない事柄でも当事者には決定的事項となり得る。
劇中と劇中劇と、そし
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アスワン(2019年製作の映画)

-

東京フィルメックス2023プレイベント

ドゥテルテ元大統領時代の麻薬撲滅戦争についてのドキュメンタリー。(任期2016年〜2022年)
クライムフィクション映画であって欲しい生々しさ。

大統領の
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秘密金魚(2016年製作の映画)

4.2

ビー・ガンショートストーリーを登録する際に昨年観たショートがFilmarksにリストされたことを確認したのでコピペ。

イメージフォーラムフェスティバル2022
中国インディペンデント映画の新しい声と
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

3.9

你好、再見。

1番大切なものは何?
まるで絵本の世界。映像も素晴らしい。
シューマンのトロイメライで泣きそうになった。15分とは思えない黒猫の旅路。

クライアントからの依頼で黒猫が登場する広告を制
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.7

まんまと騙されました。
そして横にいたあなた、タイトル出てすぐ席を立たれましたがさらに騙されてますよ。

ちょっとインセプション、
そして原題まんまやん!(hypnotic)

手錠した手が千切れると
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

-

ブーストサウンドで聴くThe Smiths

オープニングはカッコいいけど海外テレビドラマっぽい。
一匹狼の殺し屋が平常心を保つために決まり文句を心の中で唱え続ける、スリリングなドラマ。

マイケル・
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ミュージック(2023年製作の映画)

3.8

destiny
避けることが出来ない運命の定めを描いた作品。

前評判が高く、ベルリン映画祭で脚本賞(銀熊賞)受賞、恐らく日本での公開はない、という情報からチケットを取り、その後難解、オイディプス王
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Somebody Comes into the Light(2023年製作の映画)

-

『music』併映

ヴィム・ヴェンダースが撮る田中泯の踊り。
『Perfect Days』の衛星みたいな作品。あちらでも同じ格好をされていたような。木漏れ日を突き刺すような感じ。

TIFF2023

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

5.0

肉体は滅びても魂(音)は続く
主を失ったピアノが切ない

2024.5.11 グラシネBESTIA 5
セットリストポストカードが入場者特典

時々下の階の4DX…とはなるが、スクリーン大きくて綺麗だ
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パッセージ(2023年製作の映画)

-

周りの身近な人への敬意に欠けると痛いしっぺ返しを食う三角関係のドラマ。

フランツ・ロゴフスキ演じるトマスがトンデモ野郎で、振り回されるベン・ウィショーとアデル。

TIFF2023

ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

-

ペドロ・アルモドバル監督の全編英語による30分の短編映画。
製作イブサンローラン。
30分とは思えない凝縮された見事な作品。
イーサン・ホークとペドロ・パスカルの演技も素晴らしい。

トーク付き。
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タタミ(2023年製作の映画)

4.6

今まさに世界を二分しようとしているイスラエルとイランの関係。
そのイスラエル人とイラン人による共同監督の持つ大きな意味もさることながら、メッセージ性も含めて映画として完成度が高く素晴らしい。題材が題材
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ロングショット(2023年製作の映画)

3.7

1990年代に中国北部の工場で実際に起きた銃撃事件をベースにした作品。これが実話ベースとは驚愕なフィルムノワール。
それは流石にあり得ないのでは?と思うところもあり粗さも感じるが、惹きつける力があり見
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鳥たちへの説教(2023年製作の映画)

-

監督のQ&A付き

映画はエンタメではない。(難解で)わからないことは悪いことではなく、感じることが大切。

冒頭からしばらくは良かった。
しかしその後繰り返される禅問答的ポエムはラグビーを観るために
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エア(2023年製作の映画)

-

第二次世界大戦下、スターリングラードの戦い。
一言、うーん。
話はブツ切れで取ってつけた感否めず。
未体験ゾーンで観る作品のようだった。
ソビエトは女性も前線に送り込んだことは知られているため、単に女
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開拓者たち(2023年製作の映画)

3.8

意図的な白そして赤のオープニング。
スリリングな冒頭から勝手に想像した復讐・反乱もの、では全くなかった。
19世紀後半から20世紀初頭にかけてチリ パタゴニアで実際に起きた悲劇。
登場するホセ・メネン
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.0

1858年に実際に起きたエドガルド・モルターラ誘拐事件を描いたマルコ・ベロッキオ監督作品。
上映前にスピルバーグが映画化を目指して断念したトークあり。
前情報なしでの鑑賞でしたが、すぐにスピルバーグが
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

サブタイトルは木漏れ日(多分)。
画が完璧で美しい人生讃歌。
静かで豊かという満ち足りた贅沢な時間を観客も共に味わえる。
ルーティンをこなす同じようでいて異なる毎日は平凡で淡々としながらもエモーショナ
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菊五郎の鏡獅子 4Kデジタル修復版(1935年製作の映画)

4.0

併映:長屋紳士録

昭和10年。松竹が海外に歌舞伎を紹介するために小津監督に依頼して撮影された短編ドキュメンタリーの4Kデジタル修復版。
上映される機会は滅多にないとのこと。

市川團十郎の下で修行し
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長屋紳士録 4Kデジタル修復版(1947年製作の映画)

4.0

最初に「ヴェンダース、小津を語る」が上映される。
これが有意義なお話。
海外では1970年代まで溝口、黒澤、大島作品を観ることが出来たものの、小津作品は1作品もなかった(存在も知られていなかった)その
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.8

期待をしていなかったこともあり、想像したより良かった。
ハンス・ジマー御大による特にエンドロールの音楽は圧巻。
音楽でいえばRadiohead のEverything In Its Right Pla
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

長さを感じさせない重厚な歴史物。
実話が元であり、アメリカの暗部でもあるため楽しい作品ではない。

暮らしていた土地で石油が発掘され、大金を手にすることになった先住民族オセージは白人に管理能力がないと
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.8

2007年にアフガニスタンにおいて23人の韓国人がタリバンに拉致された事件に着想を得て製作された作品。
実際の事件がベースのため派手さはないが、スリリングで緊迫感のある交渉劇はさすが韓国映画。

そし
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.1

人類のすべての要素が詰まった作品。
モラルやタブーという概念が欠如したバビー(多分母親も)が次に何をするのかが気になるイかれた怪作だと思って観ていたら、気が付いたら最後は泣いていた。恐らく安堵の涙。
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旅するローマ教皇(2022年製作の映画)

3.6

貪欲、不寛容、権力欲が争いを生む。

長い歴史の中で初めての南米出身のローマ教皇。
主にアーカイブ映像の繋ぎ合わせだが、フランシスコ教皇から映画に関する打診があったとのこと。
途中うっかり少しだけ寝て
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アアルト(2020年製作の映画)

3.6

建築家になってからのアルヴァ・アアルトの人生とその作品についての映画。
処世術に長け、人たらしで憎めないアアルトと彼を支えた妻たちの内助の功(時代もあるから仕方ないけれど奥さんたちは彼の最大の理解者と
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メドゥーサ デラックス(2022年製作の映画)

3.8

怪しい人が次から次へと登場し、沢山ある扉の先に何があるのか
ワンショットで魅せるミステリー。

音楽(エンドの曲は特に耳に残る)とアーティスティックでスタイリッシュな画(ヘアースタイルと衣装も!)が非
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

3.8

モキュメンタリー兼ロードムービー。
最初はちょっと変わっていると感じていても最後にはタン先生が愛おしくなること間違いなし。
予告をみて面白そうと鑑賞しましたが、オカルトモノではなく人類の存在意義まで語
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ザ・ドライバー 4K レストア版(1978年製作の映画)

4.0

実写のスリリングなカーチェイスが素晴らしい痺れるハードボイルド。

顔色変えない硬質な輝きのアジャーニ様が美しい。
アジャーニだからこそ醸し出せるこの冷たさが魅力的。

役名もドライバー、ディテクティ
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(2023年製作の映画)

3.9

記憶に新しい相模原の障害者施設での事件がモチーフ。
理解があるフリをして綺麗事を口にする。
厄介なことや不都合なことに蓋をして隠蔽する。
社会で生きる以上本音と建前は存在する。

人間の暗部に焦点を
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.8

ガイ・リッチー監督によるテンポの良いMI6スパイアクション。
ジェイソン・ステイサムはもちろんですが、
お久しぶりのジョシュ・ハートネットにほっこりし、全身から只者ではないオーラ放ちまくるイケおじヒュ
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