paraさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ルードボーイ:トロージャン・レコーズの物語(2018年製作の映画)

3.8

音楽は水と同じで色がない。

ジャマイカ独立後に多くの人々が英国に移民として渡り、ジャマイカの音楽、サウンドシステムがいかにして広がっていったか。

スキンヘッズやモッズとの関係も含め音楽史をスカやレ
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

-

親は死してなお、いやその死をもって子どもに大きなものを残してくれる。

個人的には響かなかったのですが、陽子が他者との出会いによって変化する658kmに心動く人もいるでしょう。

菊地凛子さんの演技は
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.2

幸せが楽しいとは限らない…
社会の中で生きていくには本人だけの幸せでは十分ではない。
人は違うものを差別化してしまう生き物なんだな。
根拠のない偏見や差別を映画で描く。(アンコンシャスバイアス。今も昔
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プレジデント(2021年製作の映画)

4.2

Change is coming.
2018年ジンバブエ大統領選挙を追ったドキュメンタリー。
デンマークのカミラ・ニールセン監督。
選挙の行方もですが、銃撃戦の模様を撮影したことが凄い。

民主主義を
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我が人生最悪の時 4K デジタルリマスター版(1994年製作の映画)

5.0

4Kデジタルリマスター(林海象監督監修)

まるで初恋の人に久しぶりに会うトキメキ!
(始まる前からソワソワドキドキ。)
めいなCo.のメインテーマで高揚感MAX。
俺の名前は濱マイク。
この頃の永瀬
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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

3.9

全体主義への警鐘。

映画として出来が良いかは別として、鑑賞前には想像もしなかったほど今日の社会情勢に一石を投じる、強いメッセージを感じた作品。

元々の気質もあるでしょうが、悲しいかな凄惨な収容所生
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星くずの片隅で(2022年製作の映画)

3.7

人情映画。
とても優しい気持ちになれるため、心がささくれ立っている時にお勧めかも。
邦題はちとセンスなし。

映画はコロナ禍の不況の中で懸命に生きる、世界からみれば塵のように小さな存在な人々の切なくも
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

5.0

トム・クルーズが送る現代の活劇。
タイトルがバーンっと出ると気分がアガる。
トム、本当に有難う!! これぞエンタメ。ハリウッド映画。

1回目 IMAX
2回目 4DXSCREENX
トム・クルーズが
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.0

営利優先で安全を疎かにすると、、、

午前十時の映画祭
テレビでしか観たことがなかったので、楽しみにしていました。
CGではない臨場感。やはり迫力が違います。鑑賞後は自分もグラスタワーにいたかのように
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奇跡の海(1996年製作の映画)

4.0

余りにも哀しいSelf sacrifice…
愛する夫のためだけに生きた純真な女性の究極の愛の形。

イエス・キリストは自己を犠牲にされ、それは愛と称される。
教会から追放されることは死と同じなんだろ
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サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.6

2016年に実際に行われた裁判をベースに、架空の人物(傍聴する作家)が裁判を通して自身の問題を考えるストーリー。

被告人が置かれた状況については、人種や男性の無理解などの問題が含まれ、
また作家の背
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.7

bravo!
虚である映画の中にその世界の虚と実がある入れ子構造で、最後は我々も観客と同じ立場になり、特にラスト30分くらいは舞台関係者と共に気を揉みハラハラし、怒涛と歓喜のフィナーレに向かう。

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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

誰と、どんな風に、親しくしようとも揶揄されることのない世界を…

多くは語らず、しかし映像はとても美しくそして雄弁な素晴らしい作品。

周囲にからかわれて素っ気ない態度を取ったり、近しい関係ゆえの煩わ
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裸のランチ 4Kレストア版(1991年製作の映画)

4.0

原作がバロウズということもあり、クリーチャーたちがたくさん登場するにも関わらず文学的で鑑賞後はまるで一冊の本を読んだ気分になる。

害虫駆除剤(ドラッグ)により倒錯した世界を旅するビル(ピーター・ウェ
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.9

愛は流れるものか、止まるものか。
愛を抱きながらも制御し切れずに持て余してしまう…何が欠けた姉と弟。
家族とは何か、愛と狂気の物語。



こちらもカサヴェテス監督のご自宅にて

フェイシズ(1968年製作の映画)

3.8

顔、顔、顔。
とにかくスクリーンには顔が映る。

倦怠期中年夫婦の話なのだけど、女性を下僕扱いで頭が固くなった中年と思考が柔らかで女性に優しい若者の対比も見どころなのかもしれぬ。

ジーナ・ローランズ
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大いなる自由(2021年製作の映画)

4.0

自由とは何ぞや
と思わず考えさせられる静かな作品。

マッチの灯火はホフマンの決して諦めない希望の灯。

ドイツ刑法§175によって人生に枷をはめられた男の生き様と
彼が刑務所で育んだ真の友情に見る純
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.8

人種の坩堝、アメリカはニューヨーク。

無自覚に、いや反射的に反応してしまう深層に潜む人種差別と1950年代アメリカの底辺にいるゴロツキ。
まさにアメリカの影。

即興的演出によるカサヴェテス監督の初
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ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.0

人間の脳は強い刺激によりエクスタシーを感じると更なる強い刺激を欲するようになり、それはエスカレートしていく。
その中毒性と人間に及ぼす影響や頭ではわかっていても抑えきれないムクムクと湧き起こる危険な欲
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.8

人間とは不可思議な生き物。

ジーナ・ローランズが本当に素晴らしい。
原題「A Woman Under the Influence」とあるし、夫ニックの高圧的な態度がメイベルを追い詰め病状を悪化させて
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

3.8

フィルムノワール。

暗がりはもちろん光も含めて撮影が素晴らしい。

場末のストリップ劇場オーナーであるコズモにとってなによりも大切なのはこの劇場。
ショーの内容からして芸術性が高いとは言えないのだが
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.8

インディアナ・ジョーンズよ、永遠なれ。

この映画を世に送り出し、ハリウッドを支えた功労者である
スピルバーグ、ルーカス、ジョン・ウィリアムズそしてハリソン・フォードが今なお現役でご活躍されていること
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.7

シャガールで幕。

やりたい事に出会ったら突き進もうメッセージ映画。
欲を言えばもう少し歌の場面があると良かったか。

MB14の歌唱力凄い!と思いながらも(比較すること自体が野暮ですが)
ロベルト・
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

-

苦い涙、ファスビンダー監督のオリジナルを鑑賞。
セリフ、人物の配置がリメイクより演劇的。ドイツ語ということで感じる硬質さ。

恋愛と嫉妬は当事者には苦しいが、他者からすると滑稽でしかない悲劇。

女性
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

-

アンドレア・ライズボローの痛々しいやさぐれ具合が素晴らしい。

ラストは少し上手く行きすぎな感じがしてしまったが、周りに理解者がいれば人生やり直すことは出来る、立ち直ることは可能という希望を込めたメッ
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シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

4.0

あと何回満月を眺めるか? せいぜい20回だろう。人は無限の機会があると思い込んでいる。
byポール・ボウルズ(原作者)

「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」by坂本龍一

教授追悼
オノセイゲン氏音
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

-

時に静物画かと見紛うような端正な画に
ゆったりとした癒される調べ。
ユーモラスに戦前戦後のイタリアの混乱を描く。

退屈はしない。
ただ映画にエンタメや物語を求める人には不向きな作品。
個人的には癒さ
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アシスタント(2019年製作の映画)

-

感想一言で言うなら…
んー、で?

音の演出は良かったです。
ジュリア・ガーナーも素晴らしい。

が、アシスタントの想像の域を出ない告発とか、題材としてかなり弱いし、流行りに乗っかっただけ感否めず。
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ことの次第(1981年製作の映画)

-

12か月のシネマリレー

人物と人物の空間で映画は作られる

物語はあるようでない。
人間ってこんな生き物だよなぁという思いと、
光と影のバランスに各所バチバチに決まりきった構図。
ショットが美しくて
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

-

鑑賞後10日以上経過しているため、手元のメモのみ。

予告を劇場で観た以上の前情報一切入れずに鑑賞。

女性は教育を受けられず文盲。乗り物は馬車。
神や赦しなどを執拗に語る信心深い人々で、ヘアスタイル
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コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

3.6

実際の内戦(銃声や爆撃の映像)も映画に取り込んでいるのに牧歌的なメルヘンファンタジー。
東洋の女は男に従うのが当然という社会で、自分の意思で生きるミナ。

俯瞰で映されるラストが素敵。

ロープウェイ
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Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

3.7

男になりたいわけではない。
男の聖域と見做される場所で女だから出来ないとは思われたくないだけなのだ。
性別ではなくひとりのバイク好きと認めてもらいたい、、、硬質な世界に憧れるジュリア。

男に支配され
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苦い涙(2022年製作の映画)

-

ファスビンダーのオリジナルは再来週上映+鑑賞予定のため後日レビュー書き換えるかも。

恋に振り回され流す涙は苦い。

ドイツが舞台なのにドイツ語話すのはハンナ・シグラのみなのはご愛嬌で。
ドゥニ・メノ
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少年、機関車に乗る 2Kレストア版(1991年製作の映画)

3.8

機関車の躍動感。

年が離れた兄弟のロードムービー。
デブチンことアザマット役の少年の表情が実に良い。
土を食べる少年の父もまた土を食らうのだ。逆らえない血の繋がり。
と思ったら後から中央アジアの一部
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ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.1

国が揺れている時代のお伽噺

アクロバティックでスペクタルな撮影。
特に馬の疾走場面は撮影大変だったのではと想像してしまう。(迫力あり)

中央アジアの風景、古いしきたりを垣間見ながら
様々な乗り物が
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

目に見えていることはすべてではない。

他人を理解、いやわかりたいと思っていてもそれはとても難しい。

大人たちを演じた名優達もさることながら、瑞々しい子どもたちが表情豊かで良い。

そして旋律と鍵盤
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