わざわざ別キャンパスの図書館まで行って、スクリーンで見た甲斐があった。
土手のシーンが好きだった。ペドロ・コスタの『血』にも似たようなショットがあったと思う。どちらも引きの仰角で、1組の男女の背後に大きな夜空を捉えている。
株主総会で叫ぶあるひとりの女性の声が、別の怒号のなかに埋もれていないクリアな声として録音されていて、それがすごく強烈だった。
テロップによって画面を文字情報に還元してしまうテレビニュース。『ブリティッシュサウンズ』的な反骨精神があるが、こちらはいたって真面目。
列車強盗のシーンすごく良かった。イーストウッドの映画を見ると後ろ姿を見送るというカットがよく出てくるなあと思うんだけど、このシーンはいつもと逆で、イーストウッドが観客を見送る。
フレームの中に人が3人以上いることが何か重要なことに思える。ラスト、扉の向こうは暗闇ではなく光。
手持ち撮影のモキュメンタリーなのに、撮影者は逃げるのに必死でスクープになるような映像が全く撮れない笑 手持ちの自由さを殺すつくりが逆に緊張感を生んでいて面白かった。
テクニカラーの濃い影がとても良い味を出していて好みだった。同僚の奥さんがイーストウッドを誘惑するときに、さっきまで子どもたちが遊んでいた部屋の明かりを消すというくだりがあって、そこが特に凄い。前景に女>>続きを読む
面白かったけど、監督の自意識に回収されてしまったとも見れるラストはどうかと思った。