petipetiteさんの映画レビュー・感想・評価

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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.8

終電を逃して、疲れ、眠たさ、足のむくみに絶望しながら彷徨い「歩く」あの時間の、現実なのか幻なのか定かではない記憶。

疎外感を抱きながら生きる街も、夜は誰もが等しく孤独な人生を過ごす場所。

セラヴィ!(2017年製作の映画)

3.5

フランス映画らしくよく喋る喋る…笑

見知った顔触れが豪華なセットで繰り広げる悲喜交々の大騒動!コメディの基礎があってこそ描ける社会、人間らしさというのがあるなぁと思うなど。

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリーとアートフィルムと映画の間にあるような実験的な作品

Here(2023年製作の映画)

3.8

侘しいスープから心温めるスープへ。
ひと掬いの種と光。
名前も知らないまま、過ごした誰かとの、ほんの僅かな時間。ふと思い出して笑みが溢れるような、それくらい些細な出会いや発見。それだけで十分に生きる理
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

この世界に身を投じることは重力の原理から逃れられないことでもあり、ベクトルが落下へ向かっていると気づいた時にはもう遅いのかもしれない。

落下地点。その直前の最も加速度が高い瞬間を、それ以前の朧げで主
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.1

憧れとかイキってみる感じとか「大学生」って感じでむずがゆくかわいい映画。軽く見たい気分の時にはいいかも

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.6

映画監督役の本人が、配給先を探して、さまざまな都市をめぐりながら出くわす、ふつうのようでどこかおかしな日常を通して、「世界のパレスチナ化」を描き出す

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

日本は契約書がないことで問題が起こるけど、秘密保持契約書を強制的に結ばせられて口を封じられるという法的なシステムにも問題があるなぁと思った。

Metooを契機に、奪われた声を取り戻し、声を上げること
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バービー(2023年製作の映画)

3.2

「バービー」にキャスティングされた各人物本人のビジネス上のキャリアが、各バービーがエンパワメントすべき様々なイメージをレペゼンしているという前提で成り立っているため(アメリカ文化圏にいないと分からない>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.5

「幸福」といっても、昔の「幸せなマイホーム」的広告に代表される「幸福」に滲むうわべ感というか、胸につかえる何かがある…

人間は役割の方に意味があって、個人は代替可能な存在なのかもしれない…そういう感
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ある男(2022年製作の映画)

3.8

代替可能な存在(アニエス・ヴァルダ「幸福」を思い出す)と代替不能な身体や愛と…

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

才能と性(ヘテロに限らない)への飽くなき欲望と追求が、倫理観を見失わせ、搾取的な構造を生み出してしまう。

傑作というのは多くの犠牲の上に築かれてきた側面…芸術を取り巻く普遍的なジレンマがケイト・ブラ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

3.7

母娘の歪んだ愛情、ピアニストとしての張り詰めた神経、執着、嫉妬が生む狂気。
純粋な愛情を向けられてもその強迫観念からは逃れられない。

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.1

結局は、大抵のビジネスってこういうやり口で成り立ってるんだろうし、無謀で(reckless)、意志が固く(determined)、残酷(brutal)で、野心家(ambitious)な「したたかな」女>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

中世、ブルターニュの孤島にある貴族の家に、娘のポートレートを描かせるために招かれた女流画家と娘、手伝い、そして母という女性たちを巡る物語。

オルフェウスとエウリュディケのギリシャ神話、カトリックにお
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

2.7

おばあちゃんの知恵に近い?「ヒーラー」的なケアへの関心の高まりは世界的なものなのかな。
グリーンピースのスープは悪魔のスープ。

プレイタイム(1967年製作の映画)

3.6

テクノロジーの進化に弄ばれてる人間ー自分を客観視してるようでなんとも滑稽!

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.6

自殺を図ろうとする男と
その手助けを依頼される人たちの間で交わされる哲学対話のようなロードムービー。

たとえ喉から手が出るほどお金が必要な状況だとしても、それと引き換えに人間としての尊厳を冒すことは
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.7

クリスマスシーズンのニューヨークで起こる一夜の出来事。非日常的な眩ゆさに現実と想像と夢の境界が溶けていく…

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.6

画角の使い分けが本作でも。縦長ディスプレイのフレーミングを思わせる窓。

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.4

両極にあるものの本質は実は近いという論を思い出す作品だった。

階層のことなど見えないまま、憧れのまま、aspiringな状態が幸せかもね。現実を知ったいまも、東京はキラキラしてる場所だけど。

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.0

tu、il、elleを媒介してjeの存在を確かめようとする。

食欲と性欲がオーバーラップするような、
砂糖を貪り食うシーンの何とも言えない虚しさと苦しさ。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.3

平凡で、孤独で、それでもルーティーンワークとしてなんとかうまく回せていた日常。
些細なほつれで崩れていく、日常とはそれくらい危ういバランスで存在しているもの。

フィックスショットで写し出される主人公
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見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界(2019年製作の映画)

3.5

ヒルマ・アフ・クリントという抽象絵画の作家に出会うためには必見だけど、冗長で大味の映画だなと思いました。

「女性」が排除された「既存の美術史を書き換える」というトレンドなトピックを盛り込みたかったの
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コスモス(2015年製作の映画)

3.4

事物に因果関係はあるのか?

難解だけど、ストーリーの拒絶とかっていうより、主人公の厨二病感というか、哲学とか思想とか博識な若者の想像が一人で突っ走っちゃうみたいな可笑しさ!

そもそも家族の会話って
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.6

アンソロジー的な作品。それぞれで一作品にできそうなところを、小説の朗読にVコンテ的に映像を重ねたような印象で、シンメトリーなシネマトグラフィ、レア・セドゥ、ティルダ・スウィントンなどウェス・アンダーソ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

応答すること、自分の深淵を覗くこと、そして生きること。「責任」(とケア)について年始から考えたり書いたりしたこともあり学びの多い作品だった。

戯曲と現実の境界で振動するように進んでいく。演劇が本来も
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.0

愛と意志についての詩歌。

決して交わることのない視線。

空虚。

ハマスホイの室内画に通じる扉と光。

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.6

晩餐会の夜、給仕たちに取り残され、豪華な館に幽閉されるブルジョワたち。軟禁状態という極限状態のなかで、化けの皮が剥がれ、本性が剥き出しになっていく…
難解なブニュエルの中でも難解なんですが、シュルレア
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