petipetiteさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

4.0

どうしようもない現実をなんとかやり過ごすしかなくて、人間に絶望しながら、でも人間に救われる、不器用でぎこちなくて、斜に構えているようで、誰よりも純粋な主人公を描かせたらミランダ・ジュライの右に出る人は>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

4.1

現実はフィクションよりフィクショナルとはまさにこのこと。
腐敗や不都合な真実が明るみになっても尚、既存体制の現実にしがみつきたいのは権力者だけではなく、見えざるマジョリティ…

マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”(2019年製作の映画)

3.7

「ドキュメンタリー」は〈事実〉を記録したものであっても、誰がどの立場から語り、どの〈視点〉をもって編集されるかで全く異なるストーリーが紡がれるものであり、渦中にいなかった人が〈真実〉に迫ることは不可能>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.7

言葉、空間、運動、時間、そして社会。

蹄鉄理論で提唱されるように、両極は相反するものであると同時に、相互に相関するものであるのだろう。

立場が違えど、互いの人間への、そして言葉への敬意と熱量で満た
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.9

欲望丸出しの男性、女性へ注がれる性的で侮辱的な眼差・行為・言葉。主人公キャシー(キャリー・マリガン)はそれに立ち向かうエンパワメントなSHEROで、結局は「幸せ」を勝ち取っていくのか?もちろん、そんな>>続きを読む

ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

3.2

ローマ郊外にあるムッソリーニが作った新市街「EUR(エウル)」を舞台に、主人公ニーナのひと夏の出会いを描く。漠然とした将来への不安で内に閉じこもりがちな彼女の心境が、バカンスに出かけた家主から残された>>続きを読む

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.8

20億年先の未来の人類からのメッセージ。人類は私たちの知る姿ではもうそこに存在しない。太古の人類としての我々の象徴かのように映し出されるブルータルな構造物は、旧ユーゴスラヴィアに建てられた「スポメニッ>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.5

他人からみたら何事もないことで、結局いつもの日常が戻ってくるとしても、それでもかけがえのない時間だったことを回想するような、スリルもロマンスも、あまりにもささやかな逃避行。

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.8

ほぼ全編がスチルのスライドショーのみで構成されているのに、臨場感や感情の機微がこんなに生々しく感じられるのはなぜだろう。想像力で時空を飛び超える。

インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

人間を苦しめるのも救うのも、結局は外敵ではなく、人間自身の行為や感情で、その見えないふるまいが、3次元を超えた高次元の現象とリンクして描かれているのだろう。幾何の美しさ、無生物の宇宙空間の脅威、壮大な>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

3.8

「友だちの恋人」より、もっとプロットが抽象的で、ただただ誰かの日常を覗き見してる感じの作品。「緑の光線」というテーマがロマンチック。

ヌーヴォー・ロマンの映画の雰囲気もちょっと感じた。

友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.9

恋愛に一喜一憂するバカンス前〜バカンス中の浮足だった初夏の街で繰り広げられる他愛ない日常の会話劇は、パンデミック下のいま見ると、とても尊くて眩しい…

流行は巡るなぁというカジュアルでノスタルジー感じ
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TOMORROW パーマネントライフを探して(2015年製作の映画)

3.3

農業、エネルギーからお金まで網羅的に勉強できるThe SDGsな映画。

コロンバス(2017年製作の映画)

3.8

過去から逃げて現実と直面できない人と、過去に引っ張られて自由に決断できない人。新しく出会うふたりが、モダニズム建築を巡る生まれ故郷との再会を通して過去のわだかまりを解きほぐしていく。フィクス撮影から紡>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.9

ある日突然現れて婦人と愛人、娘、青年に、裕福な老紳士の、静かな独り身の日常は一変する。

紳士は厄介ごとに巻き込まれたと頭を抱える一方で、彼らの不在時に孤独感を感じるようになる。

さまざまな背景や政
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美術館を手玉にとった男(2014年製作の映画)

3.0

贋作を作り続けた男のドキュメンタリーではあるが、邦題がミスリード。原題は「Art&Craft」。贋作を作るのは、金儲けではなく、精神的な問題を抱えているため。ドキュメンタリーとしてもう少しやりようがあ>>続きを読む

モデルカップル(1976年製作の映画)

3.6

1970年代に思い描かれた未来:2000年。テクノロジーの過信、監視社会も予感させる風刺劇。

60ー70年代のフューチャリスティックなカルテルの家具などが登場。インテリア好きは必見の映画。

新聞記者(2019年製作の映画)

4.0

正義は結局は権力に屈するしかないという現実社会で、虚無感に苛まれながら、それでも懸命に生きる人間の美しさ。

建築と時間と妹島和世(2020年製作の映画)

1.5

プロモーション映像としてはリッチに作っているけれど、映画とは言い難い。雑誌タイアップでyoutubeで公開すれば良かったのでは?

ホンマさんの妹島さんへの親愛なる眼差しを見せられるだけの映像。映像、
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セノーテ(2019年製作の映画)

3.0

セノーテとは、メキシコのユカタン半島にある洞窟泉のこと。iphoneで撮影したというシーンも含む直感的な映像や音によって、泉の中に潜り込んだような羊水の中にいるような気分になり、眠気を誘われずにはいら>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.6

1961年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープ。

ベトナム戦争について政府が国民へ嘘の報告をしてきたことが暴かれ
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.8

白人至上主義者のレイシストとして育てられた男性が転向するまでの波乱に満ちたストーリー。主演は『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル。

実話に着想を得てつくられたそうなのですが、複雑な歴史、個人的な事
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

フェミニズムや黒人差別撤廃といった今まさに注目のトピックを扱っているものの、過激なシーンや言葉で訴えかけるのでも、線形のわかりやすいストーリーラインによって啓蒙しようとするのでもなく、姉妹それぞれの純>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.5

典型的なブルジョアジな家庭に育つ僕と、大人としてはダメダメで、でも無声映画のコメディアンみたいなユーモラスなおじさんとの物語。

60年代のフューチャリスティックなファッションやインテリアが見どころ。

フード・インク(2008年製作の映画)

3.4

農業を資本主義の産業構造にとりこんでしまった代償は大きい。

そういえば日本も種苗法の問題…

はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.9

家族の物語。
広くて、大きくて、美しい空。

アメリカ映画、ロードムービー
資本主義への抵抗として盗みは描かれる?

万引き家族(2018年製作の映画)

3.9

家族、お父さん、お母さんという、一般的な呼称、血縁や法律で決められた一般的な規範は必ずしも正しいのだろうか?

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

3.8

すれ違うもの皆を虜にしてしまう美女と、奥手で慎ましやかなパントマイム芸人が、運命的な出会いを果たしながらも、嫉妬に阻まれ、すれ違っていくのがもどかしく、人間の愛憎劇に溢れたラブストーリー。

パントマ
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嘘をつく男(1968年製作の映画)

3.5

時間軸と記憶が何層にも重なる複雑さ。
どこが嘘でどこが真実なのか?

お決まりの拘束、目隠しはこの作品にも…

プラネタリウム(2016年製作の映画)

3.0

降霊術の能力で注目を集める姉妹、その神秘的な現象に魅せられ、社運を賭ける映画プロデューサーの数奇な運命。

降霊術は本物なのか?単なる処世術なのか?という真実への問いという観点では弱い気がしましたが、
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.8

華々しい活躍で政治を陰で動かしてきた完全無欠な女性ロビイスト、ミス・スローン。目的を遂行するためには手段を選ばず、リソースは容赦なくすべて利用する。しかし、そこにあるのは、勝負師として、そして、キャリ>>続きを読む

新世紀、パリ・オペラ座(2017年製作の映画)

3.3

フランス国旗を揚げるシーンから始まり、ディレクターから演者、衣装スタッフから清掃スタッフに至るまで、パリオペラ座(国立)に関わるすべての人に光を当てることで、フランスの〈連帯〉solidariteの精>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.8

親友ジムとジュールが一人の女性を中心に、常人には理解できない?進歩的な三角関係(いや、四角かも五角かも…)を構築していく展開に目が離せない。これは、新しい愛や家族のかたちなのかも?

トリュフォーの撮
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女は女である(1961年製作の映画)

3.7

歌いはしないけど、ほぼミュージカルのようなテンポの良い映画。

何よりも少女っぽいあどけなさと色気が共存するアンナ・カリーナが最高に可愛い!!

*最近日本でも取り上げられるようになったカップルファッ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

白いフォークロアの装束を纏う人々、白昼夢のような美しい風景・・・この時点で、眩さと同時に不穏な空気が漂ってくるのですが、その期待を裏切らない狂気的な出来事が次々と起こっていきます。

ただ、輪廻転生の
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