のむやん67さんの映画レビュー・感想・評価

のむやん67

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異人たち(2023年製作の映画)

3.9

原作未読。優しい幻想譚。愛情を注がれて育った記憶は、何物にも代え難い。お盆の設定はキモだと思ってたけど、無くてもいけてた脚本。むしろ嫌悪感を覚えたはずの大林版のホラーな記憶が曖昧で、怖いモノ見たさで見>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

美しい自然といくつかの印象的な画角、抑揚の少ない朴訥な会話にも慣れ、何気ない会話を楽しんでいたら。自然に「絶対」などなく、危ういバランスと厳しさをまざまざと。いろいろ考えてしまう、余白と余韻。

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

ラスト、追ってくる毒父に気付いて呟く「ダディ」と、今自分を抱きしめてくれている、大好きなショーンおじさんに囁く「ダディ」。上手い。ひと夏とはいえ子供の頃に愛情をたっぷり注がれた記憶は、何ものにも変え難>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

原爆投下予定の都市を選ぶシーンの軽さにはクラっとしたが、後は冷静に。戦争終結のためという大義と無差別大量殺戮が表裏である事さえ、長い間軽視されてきたことを思うと感慨深く。時代のうねりに飲み込まれてゆく>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

原作既読。再現度が高いと小耳に挟んでたが、想像以上。山﨑賢人くんはもちろん、館さんや玉木くんはじめ他のキャストも皆、魅力的。スルーしなくて良かった。WOWOWのドラマも楽しみ!是非ラストまで。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

医者一家で自分だけが医者にならなかった(はい劣等感)モンクは、意識高い系の少々面倒くさいオッサン。ステレオタイプの黒人像と戦う巻き込まれ系は、行くとこまで行く。ジョニーウォーカーの例えが結構好き。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

多くのものを失わずには自分を守れない、裁判。人が裁く事の難しさ、怖さ。あの検事の気持ち悪さはどこからくるのか。「真実は一つ」でも、どう捉えるのかは自分次第…。余韻がすごい。ワンコの演技に特別賞を。

アアルト(2020年製作の映画)

3.5

図書館の手すり。曲線をなぞるように手を添えて移動する小学生たちの可愛いこと。人に寄り添う、と言われたデザインは、触れたくなる魅力を持ち。早世した最初のパートナーのアイノの無念さを思う。建築、もっと見た>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

怖いもの見たさで鑑賞。女親と息子の関係について語り出したら文字数が足らないけども、そこが肝か。終わるかな、と思ってからも長かった。ラストはどう解釈?笑えるのはミッドサマーの方かも(何比較?苦笑)

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

原作未読。優しい眼差しの映画。今日日何かしら抱えている(いた)人も多いだろう。3回に1回で御の字、ちょっとだけ気にかけあうだけで全然良い。ああ、こんなにも心温められてた、と映画館を出てから気付く。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

引退撤回作をようやく。不器用な二人に、いつのまにか寄り添って観、あたたかな気持ちになる。映画愛にニヤリ、戦争を憎む心は映画の中に確かに刻まれ。ワタシたちも忘れない。これもまた素晴らしい映画体験。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

エマ•ストーンてば、既にオスカーを手にしててもチャレンジャーで凄い。美術や衣装が素敵。カメラワークも楽しかった。劇伴というか、あの音が好き。人間学んでなんぼか。ラストの妙な多幸感。良き映画体験。

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.4

以前の作品で観てきた、ワクワク感もヒリヒリ感もない。主人公に魅力が無く、イライラ。古い映画頼みの構成は嫌いではないけど鼻につく。(死神の登場は良かったが。)寂しいけどいろいろと終わったことを実感。

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

お笑いは、世に残らなくてもその時見てる人たちの活力になればいい、と。ツチヤ氏に共感できる部分は少ないが、このまま才能が埋もれてしまうのは残念すぎて観入る。ツチヤ氏は現在、創作落語も手がけ。落語は残るか>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

空を見上げて始める一日。本と酒と音楽(ワタシは映画もね)があれば良し。平山さんの泣き笑いの表情に尽きる。毎日同じようでも同じ日はない。木漏れびのように。今年の締めに最高。(あがた森魚サンみっけ!)

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.0

時代に翻弄されつつも、強く生き抜いた先人たちに敬意を。二人の距離が近くなっていく様子が微笑ましく、別れは離れ難く。オチが見えてても上等、心が温かくなる映画。「怒れば一つ歳を取り、笑えば一つ若返る」のだ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

久々のキタノ作品。狂ってるね、信長。(加瀬さんを労いたい)百姓上がりの秀吉が既に知られてるご時世は混沌の極み。当時の笑いの感覚は、狂言に毛が生えたくらいなのか?「ドッカン」がわからなくてモヤモヤ苦笑

正欲(2023年製作の映画)

4.1

生きるのに何の不都合も感じないマジョリティ。「そういう人もいる」ことを許容できない輩。人に迷惑かけてないなら構わないだろうに。カミングアウトの難しさもリアルで胸が詰まる。役者さんが皆さんいい仕事を。

私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

女性に選挙権もない頃のお話。男性ばかりの陪審員の前で、肝の座った娘たちの放つ言葉。イザベル・ユペールの存在感!テンポも良く軽やか。久々にコケティッシュなんてなコトバを思い出す。(えっ、死語…?)

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

デニーロとディカプリオの圧巻の演技。でも長い。見応えのあるシーンは多々あれど、薬の中身を凛として穏やかに問うモリーと、おずおず答えるアーネストの微妙な表情が残る。あの夫婦を軸に観てた自分を確認。

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.2

達者な役者さんがゴロゴロ登場して、ニヤニヤしっぱなし、贅沢な時間を過ごす。前半パートは観ていて辛かったけど、後半パートでは気を抜いてたらうるっと。可愛い窪田くんと不器用な佐藤さんに1票ずつ。

春画先生(2023年製作の映画)

3.5

春画の如く、エロさだけでない、そこはかとないおかしみや滑稽さが、この映画のキモだと思うが後半が。浮世絵好きで推しは歌川国芳、蛍は台詞のみで結局絵は出てこず残念。主演の二人は文句なし。鰹節が笑。

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

大きなスクリーンで観て正解。内から溢れてくるものを表現する人たちって、ホントにすごい!ダンスが鳥肌モノ。ストーリーはベタでも「生きることは素晴らしい」で全て片付く。残念なことに、ややクソ邦題案件。

福田村事件(2023年製作の映画)

3.9

変わらぬ人間の業の深さを思いつつ、変化もまた確実に感じ取る。愚かだからこそ、記憶に刻み、立ち止まり思考したい。必要を感じないシーンがジジイのエロ欲望に見え。役者は皆良かった。鈴木慶一の劇伴も。

ほつれる(2023年製作の映画)

3.8

疲れた。ああこの人嫌だなぁと思いつつ、緩やかな展開なのに目の離せない緊張感。彼の父、自分一人の胸にしまっといてくれないんだ…。自分に正直でありたいのは皆同じか。もう繕わなくていい、ほつれたままで。

⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

4.1

ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみのなか…ではなく、映画館にそを聴きにゆく。藤さん(お若い頃からのギャップが凄い!)が素敵。クスクス笑って、ホロリとさせられ。お豆腐同様、滋味深い、良き映画。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

世界観が好きなので、細かいことは言わずに観る。(そのわりにはいつもより風刺が効いてるんじゃないかと。)見つけられなかったあの人、この人。配信されるようになったら、またゆっくりウチで楽しもう。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

還暦過ぎたトムのアクションを、やっぱり映画館で観ておこうと思い。いやホンマよう走る!カーチェイスにニヤリ。若干スピード感がないかも?と思ったのは気のせいか。Part2の公開を楽しみに待つ。

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.7

台湾版が好きだったので、こちらも鑑賞。男女設定を入れ替えて登場した運転手(荒川良々)が存在感ありすぎて笑。美しい風景の中を走るバスを見たかったなぁ。笑瓶さんのご冥福をお祈りします。

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.1

夫婦愛を越え、もっと深い愛で包み込む、ミナのしなやかな強さ。皆、目でモノを言い。3人で踊っている時の多幸感。美しい手仕事のアップにため息。「愛することを恐れないで」メッセージは全ての人に向けて。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

D-ATMOSであのテーマを聴き、御大のジョーンズ博士を見納めに。前作のオチが最悪だったので、観に行くか迷ったが。突っ込みどころ満載なのに、最後は不覚にも涙。ラスト、フェドーラ帽を勢いよく取ったのは誰>>続きを読む

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.6

原作、田島列島氏のとぼけた味わいが好きなのだが…。大人になったすずちゃんの瑞々しさを愛でる映画。この時期を撮って残せて最高。當真あみちゃんは今後が楽しみ。門司兄、またも。エンドロールはスピッツで。

怪物(2023年製作の映画)

3.8

無責任な発言、無意識な各々の正義や常識も誰かを追い詰め。ミスリードにまんまと嵌められ(それ伏線回収ちゃうよね?的な)やられた感アリ。教授の劇伴は、美しい余韻を残して。ご冥福をお祈りします。

波紋(2023年製作の映画)

3.8

思いあたる事も多い、不条理なあれこれ。ブラックでシニカルだけど、息子の彼女とのやり取りだけは、どちらも最悪。筒井さんはじめ、脇も皆堅くて見応えありすぎ。妙な清々しさが残る、おかしな余韻。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

父親撮影のテープに残る、自分が愛されていた証。もう無邪気なだけではない11歳の娘と、31歳の若い父親。親と同じ歳になって気付く色々。多くを語らない分、行間に思いを巡らせる。付き纏う死の匂い。アンダープ>>続きを読む

コロの大さんぽ(2001年製作の映画)

3.6

20年以上前の作品。林明子さんの絵本のような世界は、15分程の短編。背景は御大の色鉛筆画。しかし散歩ではなくて、ただの迷子の仔犬。小さな子供たちのすすり泣きに癒される。

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