ピロシキさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ピロシキ

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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

天文学者を演じるレオナルド・ディカプリオを筆頭に、天文学的にギャラの高いスターたちのオンパレード。とにかく今世界を動かしているのが、ネットフリックスであることは間違いない。

地球の平和をアメリカに委
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.5

主人公が母親に心情をぶちまける(カムアウトする)シーン。あれが現実なんだろうと思う。息子にかける言葉が何も出てこない。励ましの言葉も裏目に出てしまう。ただ、寄り添うことしかできない。

そして、この映
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.5

RENTを映画で観たのは何年も前のことだが、たしかに「時間」はキーワードだったと思う。病に冒されて若い命を失う登場人物もいた。たしか、エイズだった。そんなRENTの作者ジョナサン・ラーソンが主人公の話>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

2.5

日が暮れそうでなかなか暮れず、昼でも夜でもないビトウィーンな状態が「くれなずむ」なのであれば、この映画はまさにこの言葉の通りである。

割と早い段階で核心についてのネタバレがあって、その後は楽しいんだ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.1

フレデリック・ワイズマンの最新作、やはりその上映時間に触れざるを得ない。4時間半。体感時間もちゃんとめちゃくちゃ長い。2800円払って90分授業を3コマ受けたようなもの、と思っておく。それにしても満足>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.1

何気ない会話が、とことん何気なさすぎて微笑ましすぎて面白すぎる。思い返せばこの話、最初から最後まで勘違いの連続である。年上のわがままな彼女にも、道中で出会った年下のコミュ力爆発系女子にも、勘違いだけで>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

3.9

親友に「アタシの彼氏退屈だから、奪っちゃっていいよ〜ウケる〜」などとぶちかまして、その親友と彼氏がまんまと密会していたとタレコミされて急に「...マ?」となってる主人公のまあ滑稽なこと。いつまでも自分>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

3.6

「美しき結婚」はけっきょく彼女の頭の中にあっただけで、周りの忍耐力は相当なものである。引っ掻き回して大暴れする元祖プッツン系女子をひたすら追い続けるばかり。こちらはべつに、苦笑いも大笑いもしながらアマ>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.8

「予備知識は最小限」系の作品、とりあえず冒頭からめちゃくちゃに引き込まれたことは書いとく。優雅な白人家庭の御殿→働く黒人奴隷たち→奴隷たちの住処→新たに連れて来られた奴隷(モネエ含む)たちが、流れるよ>>続きを読む

モンフォーコンの農婦(1968年製作の映画)

3.4

あんなに勢いよくリンゴが落ちてくれるんならそりゃ頑張って育てちゃうよね

「まぁ、あたしは田舎暮らしが苦じゃなかったんでー」とか言いながら、ラストでめちゃくちゃ勢いよく村議会の議員務めてて笑った。その
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.1

原作全く知らないしドラマ版も観てないので、やっぱリンチ版と比べちゃうのは避けられない。とにかくどちらも、原作に忠実っぽいことはわかった。そのうえで、ヴィルヌーヴ版は「軽いか重いか」と問われたら断然重い>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

3.5

デヴィッド・リンチの黒歴史として名高いDUNE、そこまで聞くとさぞかし酷い仕上がりなのかと身構えたものの、これはこれで良い。なんというか、かわいい。「ダイジェスト版」とも揶揄されるような韋駄天並みの駆>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.8

最近とあるスマホのクソゲーにハマってしまって、よせばいいのに課金まで始めてしまい、フィルマークスから少し遠ざかっている。残念である。これはだいぶ前に劇場で観たままになっていたやつ

他人に支配されては
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.5

北野武の映画もそうだが、ヤクザの世界は浮世離れしすぎていて感情移入が難しい。個人的に悪い思い出があるわけでは別にないけれど、たとえヒューマンドラマとして良作だったとしても「ヤクザをカッコよく描く」作品>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

今後もこんなネクストレヴェルの作品を量産されたら、おそらくあと3本以内にはパルムドールにも手が届くんじゃないかと、本気で期待してる。国際映画祭の常連としても名を馳せる、日本代表のハマグチになるはず。長>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.6

もはやこの作品そのものが、小説の朗読会である。意図的に感情を抑制した状態で「言葉」として放たれる台詞。初めは「棒読み…」とものすごい違和感だったけど、慣れればほとんど気にならない。演技力に関してはおの>>続きを読む

歩みつつ垣間見た美しい時の数々(2000年製作の映画)

4.1

原題も邦題も、まずめちゃくちゃイカしてる。日々生きてきた中で、たまにチラッと見えた、キレイな記憶の断片。それらを集めて、サラッと簡潔に、まとめてみました!
で、4時間46分。


はぁ…?(´༎ຶ۝༎
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.4

日本映画の歴史的傑作、そして黒澤明の代表作。とはいえ「映画好きならとりあえず観とけ!」のノリで初めに選ばれる作品にしては、ハードルが高い。なんせ長いし。そんなわけで、学生時代の自分が一人暮らしの小さな>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.0

87分、でも情報量は2時間ゆうに超えてる。この高濃度で高密度。年老いた伝説の女優が、自らの半生を語る回想シーンが次から次へと目まぐるしく、ものすごく滑らかに繋がれていく。どこからがリアルかフェイクかは>>続きを読む

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.9

2時間半の舞台が2時間半の映画になった。すなわち、(オリジナルの舞台はもちろん観たことがないけど)ほとんど「まんま」な作りなのではないかと予想する。

ちょっと誘われたんで泳ぎに行ってきます、とあっさ
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.9

冒頭、舞台上で唄う主人公。彼女に向かって野次を飛ばす男子。その男子に水をぶっかけて反撃。思い返せば劇中で「女性が男性にやり返した」のは、これが最初で最後だった。バイト先のキンッモイ上司にも、バスでナン>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

3.9

結局のところ、天国とは裕福な境遇のことであり、ゆえに地獄である理由は、何を隠そう「貧困」にあるということ。長い時間をかけて謎が少しずつ解けていくなかで、犯人の抱える生々しい苦悩が現実味を帯びていき、容>>続きを読む

白痴(1951年製作の映画)

3.4

羅生門と生きるの間に作られた超大作。原作ドストヱフスキヰ、力入れすぎたのか4時間半ほどに仕上がったものを100分ほどブチブチに切られて黒澤監督もブチ切れしたそうな。

汚れなき無垢な主人公は、人のわが
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静かなる決闘(1949年製作の映画)

3.7

黒澤史上・最もおとなしい三船。とはいえ終盤は、かなり感情が爆発してるけど。それでもやっぱり三船敏郎が、ならず者でも荒くれ者でもなく、ストイックな医師という役柄をこなしている点で異色。「赤ひげ」とも違っ>>続きを読む

豚と軍艦(1961年製作の映画)

3.4

正直あんまり何喋ってるのか分からなかったので、フィックス、空撮、回転、パンショット、若かりし長門裕之の色気、それを時にバッサリ覆い隠すほどの丹波哲郎の霊気(オーラ)、水死体、豚の行進、銃撃、被弾するネ>>続きを読む

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.5

今や偉大なる映画人たちと肩を並べる、俺の名は、ギャスパー・ノエだ!いくぞーーー!


ギャァーーーーーー!!!!


つまらないやり取りを「巻き」で終わらせて51分であっさり締めてくれたという点でも、
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.5

駅で泣きながら立ってるリクルートスーツ姿の彼女。抱きしめる彼。ナレーション「彼女は連日、圧迫面接を受けていた」

ここで爆笑した。

これは自分にとって完全なる「嫌い好き」映画だった。記号的かつ表層的
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.5

行ったり来たり騙したり騙されたりしながら進むややこしいストーリーに若干の戸惑いと興醒めはあれど、キャラ立ちの凄まじい名役者たちの競演がなんともすばらしい。時機も考えず「いざ出陣!」といきり立つお侍たち>>続きを読む

エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

3.5

脈絡なく何度か挿入されるダンスシーン、フォトジェニックな火炎放射シーン、ギャスパーノエの映画みたいなドカーーンなセックスシーン。いろいろ見所はあるんだけど、別にこれらが物語を有機的に動かしているわけで>>続きを読む

デジモンアドベンチャー(1999年製作の映画)

3.7

大人になってから改めて見ると、「コロモーン!コロモォーーン!!」と大声で叫び続ける子どもに向かって「やかましい!夜や!」と注意してやりたくもなるし、夜の住宅街で怪物たちが未曾有の大喧嘩してるのに「大人>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

無事に1回目のワクチンを打ち終わり、本来なら大人しくウチに帰っておとなしくしておくべきかもしれないところを、軽はずみにこんな気色の悪い映画を観に行ってしまったものだから、カラダに色々と副反応が出てしま>>続きを読む

人情紙風船(1937年製作の映画)

4.2

何にも言葉では語らない。暗闇で小刀が光るだけで、紙風船が地面へ落ちて転がるだけで、それだけでじゅうぶんに伝わる、ああこれは悲劇なのだ、と。

大雨のシーンが綺麗すぎて驚く

影武者(1980年製作の映画)

3.4

1980年のカンヌ・パルムドールを「オール・ザット・ジャズ」と分け合った黒澤明の「影武者」。当時すでに世界的に確立されていたクロサワブランドに対しての評価だったのではと、思わざるを得ない。正直娯楽作品>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

3.9

長いし汚いしまた時代劇だし三船はここでも絶対ヒーローだし、これだけ黒澤明観まくってると真新しさをさほど感じなくなってしまうものなのか、、と前半は少しボンヤリしながら眺めてしまったが、後半で一転、バキッ>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.3

誰が何と言おうと、名作の部類には入ると思う。このたび約10年ぶりに見返して、それはそれは沁みた。

誰しも死を目前にすれば、残りの人生を悔いなく過ごしたいと思うことだろう。そんな主人公が、空虚な日々か
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

4.0

2部構成でさすがに信じられないほど長いが、吹雪のシーンとか川流れのシーンあたりのヘルツォーク並みに過酷な映像、そして第2部からどんどん悲惨な方向へ進むストーリーに引き込まれ、全然観られた。デルス、ウザ>>続きを読む