孤独の中で溺れそうな互いを手探りで引き寄せあう様がとても切なく、痛いくらいである。
テンガロンハットとネルシャツと芝刈り機。星空とトウモロコシ畑。極めてアメリカ的な主人公が仲違いしていた兄弟の元にいくロードムービー。
なぜデイビッド・リンチがこれを監督したのか?
1999年であること>>続きを読む
主人公とマーシャはジェリーのストーカーという点に於いて共通しており、妄想的でおかしな行動をしてしまっている自分を客観視出来ない。
ただ、全ての行いは妄想の産物であり妄想することは人間のチカラそのもの。>>続きを読む
前半の卒のない描写構成伏線がかえって展開を読ませてしまう物足りなさを感じた。じっとりとしてキレのある映像は好みだし横浜流星の演技も良い。黒木華は往年の田中裕子のような母性的なしめっぽさがあり前半早々か>>続きを読む
なんかもっとイタリアの街をスクーターで駆け回る町医者みたいなエクソシストの話だと勝手に思っちゃってたので期待外れだった。ただ、ラッセル・クロウのブリンブリンな風貌はとても良かった。弟役の子が山岸凉子の>>続きを読む
フェミニズムや父権社会、多様性と人種差別問題やアイデンティティの問題がモチーフとなっていた。冒頭はまさかこれでずっと続かないよなと不安いっぱいの胡散臭いアメリカで満ちていたが、それは枕だったと分かって>>続きを読む
初めの方のドキドキ感は素晴らしかったが、途中から冗長さを感じていた。
もっと汚ねぇノイズの乗った銀残しの映像だとかフィルムっぽい人間の垢まみれさが欲しい。
こじらせるに至る自己愛についての掘り下げが至極表層的であるしひきこまれるところなく、そして終わりに向けてカタルシスもなくつまらなかった。
虚構やフィクションでも我々に機能するのならばそれは立派な生存の糧足りえていると言えるが、ひとたび社会状況が変われば衣食住足りることがまず求められる。インターネットの登場で莫大な情報に晒されることが常日>>続きを読む
人類のここではない何かを追い求めるあまりの傲慢さ、足ることを知らない滑稽さを聖書を下敷きにしながら作家≒author≒クリエイターの産みの苦しみと業を描いている。タイトルは「マザー!」ではなく「クリエ>>続きを読む
前半のゲロ祭りと酔いどれ船長とクソ売りロシア富豪の放送など、巧みな悪ノリに笑った。男女の逆転、主義の逆転、汚水の逆転。手榴弾の逆転。
後半の労働と所有そして社会法支配の逆転、性差の逆転にどうオチがつく>>続きを読む
最悪に胸糞悪い思いにさせられる強さがこの映画にはあった。
淡々と長ったらしく主人公を描くことは強いシンパシーを産みだし、どうかカタルシスがあることを願うばかりであったが、そのまま終わっちまった。
映画>>続きを読む
この監督の描く悲壮感は通奏低音の如く響き、それはこれまでの作品からも十二分に理解していたのである意味身構えて観ていたが、ラストにかけて畳み込むようになお悲壮と悲哀を投げかけられ、遂には思いがけず最後の>>続きを読む
中盤冗長であるし取って付けたようなシュールなシーン感(決して嫌いじゃないんだけど)が否めない。決して展開が面白いとは思えないが、ひとつのやさぐれ現代的叙情詩として最後のラブミーテンダーへと繋いでくれて>>続きを読む
映像詩であり写真的。大きなドラマがないのが、よりこの映画を風景写真たらしめている。
実体のないまるで煙のようなしかし意味をもち、ときにそれは虚構にも欺瞞にもなるもの。
小説家の扱う言葉も煙のようだ。
もし煙草屋になったらどんなこと考え、どのように世を見つめるのかな。
祖父母が戦争を経験した世代だったが、疎遠なこともあって直接戦時中の話を聞かずじまいであったことが悔やまれる。どうも中々話したがらない方々も多かったようだ。
この映画は第二次大戦を経験した存命者が現代に>>続きを読む
この映画の大きなモチーフは、映画のカバーイメージにも使われている主人公がフルチンでトランポリンで跳ねているシーンに結実しているように思う。
厳しく立ちはだかる社会性の象徴としての父親の存在、精神的に普>>続きを読む
確か26年前に観て、素敵な映画だなと思っていたので改めて観ることが出来て良かった。26年という月日が経ってもなお同じように素敵な映画だなって思うことに、意外と自分の感性も変わらないんだなということを再>>続きを読む
20数年ぶりに再鑑賞。やはりつまらん。話もそうだけど、雰囲気も絵もさほど良くない。記憶に残る絵がない。
当時観たこれ系ではガンモがずば抜けていい。あれから何度も観てる。
しかしケンパーク、また観てみよ>>続きを読む
B級映画のノリで楽しんでいたら、思いがけず感動させられちまった!
その点である意味ほかの大作SF映画を超えていたと言える。
この手の作品に感じる設定への疑問も何のその、今この瞬間や今生が如何に儚くそし>>続きを読む
とても長い間千差万別の事々をただただ見守る存在。憂いも喜びも悲しみも全て。
客観的であることと主観的である事とのその差異。
天使から人間になり、まるで子供のように砂の上を走り回っているシーンが印象に残>>続きを読む
なーんか煮え切らない気持ちになり、それはなんなのか考えた。
取って付けたような展開がいくつかあって視聴者を少し置いてけぼりにさせる感じがB級映画感を醸していたことだろうか?もしくはもっと主人公を狂気に>>続きを読む