この映画は”観察”である。
まず、冒頭。遠くから第三者の視点のようなズームからのカットイン。
これは私達鑑賞者が彼女を”観察”するという立場を明確化させる。映画における鑑賞者の立場は様々な目論見が>>続きを読む
オムニバス的な作品でありながらもそのシーンの連続性は非常に高く、世界観を崩さない。
一見作家の恣意性が映し出されそうな場面転換も世界観に調和しているように見える。
それを可能にしているのはラーメン>>続きを読む
ものすごく数字で評価するのは難しい。
濱口龍介の「他なる映画」から誘われ、鑑賞したが、物凄く語るのには力を要する。
濱口龍介の言う断片性、記録生の高さに驚くと共に、断片性と繋ぎのスムーズさが新たな>>続きを読む
死とは何か。今泉力哉とは何か。
監督自身が自分に問いかけたまぁ作るのに病みながら作っただろうなと。
「自分を問う」それは崇高な行為でありながらも残虐さをもつ。
今泉力哉はインタビューでこう答えて>>続きを読む
この頃からクリストファーノーランのやりたい事は1本の芯を持って取り組まれている。
彼のこの錯綜する迷宮的な表現方法はこの後、現実世界には留まらず4次元世界、統合失調症と扱う概念そのものまでに波及して>>続きを読む
抜けきらないトンネル。
規則的に果てしなく続く緑。
翼のない人。
やけに耳に残る扇風機の音。
物語にはエーテルはない。
悪くないけど良くなもない。
前作ではあのイギリスの少年達のジャンキーさとトランス状態の巧みな描写、そしてあのレントンのピチピチなTシャツが性の生々しさを表現し、若者達の行き場のない衝動を捉えることで>>続きを読む
ヴェムベンダースはその土地に住むということを深く捉えている。
過去作でも、「パリ、テキサス」、「ベルリン·天使の詩」、「アメリカの友人」と放浪を好むヴィム・ヴェンダースならではの作品が並ぶ。
その>>続きを読む
良い映画だった。
不器用な男はいつみても何故かいいものである。そこでこの不思議を映画という舞台において分析してみる。
これは観るものだけが知っている世界があるからである。
フィクション映画というの>>続きを読む
最後は無意味にただ走り出すというトム・クルーズの宇宙戦争を回収する。
普通におもろかった。
この静けさの中に詰まるものとのとは。
なんでだろう、良い映画は観てる途中で「この映画良い!!」って思ってしまう。
濱口監督の感情を入れずセリフを読ませるという演劇を手がけ来た頃からのそのポリシーの>>続きを読む
東京オリンピック(1965)を観て、美しい映像の数々に魅了され市川監督知った。
冒頭、ドキュメンタリー調でありながら役者が作る虚構の世界に果たしてこの取り組みは面白いのだろうかと疑問を抱いたが、下北>>続きを読む
胸が熱い。
たかがピンポン、されどピンポン。
卓球に生きる少年たちの物語。
自分の才能と熱量、諦めた夢と託したい想い。
黒澤明の映画の作りは本当に綺麗である。
監督の主張性を排除し脚本を際立たせている。タランティーノと黒澤明は共に映画文法の手本となる監督である。
語り→無声→語り→無声のリズムは独特の緊張感を産み観る>>続きを読む
美しい映像の数々、これが黒澤明が見込んだ宮川一夫の映像か。
オリンピックという筋書きのないものに緻密な脚本が練られて構成されたこの映画はただの記録映画に留まらず高い芸術性をもつ。
撮り方は望遠レ>>続きを読む
個人的には1:1のアスペクト比から映し出される。映像に興味があったが、狭き世界を表現することが理解出来たがそれが適切にこの映画を表現出来ていたかは今ひとつである。自由を画角を広げて表現する方法は少し安>>続きを読む
何かあったら誰に最初に伝えたいだろう。
この映画を観たあと僕の左手は少し痙攣していて、僕の頬は少し濡れていた。
ずっと漂う不安感、性への興味、父親の危険感、人としての境目を見ているような映画であった>>続きを読む
なんでジム・ジャームッシュの映画ってつまらないのに良いんだろう。
これについて真剣に今回は悩ませさせられた。スロウなカット割りに奇妙な世界観は独創的であると同時につまらない日常性があって見てて飽きて>>続きを読む