幻想世界と舞台装置の意匠がとにかくテリー・ギリアム全開でそれだけでもうかなり楽しかったな
とても素晴らしい映画だった。
トラウマを抱えた、不器用にしか生きていけない登場人物たちがどれも愛おしい。
また、心的外傷をある種の神話と重ね合わせて表現するのは興味深いと思った。
「僕の好きな女の子」の監督と知ってなるほど合点した。三浦透子さんのビンタのシーンが強烈。前田敦子、伊藤万理華の演技も良い。
ミットを打つ音が、靴の裏がリングを踏み鳴らす音が、息づかいが、夕焼けに染まった土手が、電車から溢れ出る光が、世界の美しさと静謐さ、強靭さと孤独を語りかける。
選択肢を持たぬ者ほど過酷な現実を“選択”させていくという不均衡な社会構造を抉り出しながらも、そこにもまた人間は生きているのだという視点を見落とさなかった作品。一見すると理解しえない叔父・叔母と主人公の>>続きを読む
この世界には無数の人が暮らしていて、顔も名前も知らない人たちの人生もまた等しくかけがえのないものなんだな、至極当然のことだけれど。
頭では分かっているけど言葉にならない、逆に言葉にできるけど頭では理解できない、そんな簡単に割り切れない人間と人間の間にある関係性を今泉映画は形にしてくれる。
人生のなかの美しかった瞬間はなんで断片なのだろう。消えてしまうものばかり愛してしまうのだろう。
よかった。本当によかった。
中学生のときに四畳半神話体系を読んで、心の奥底に深く深く突き刺さったあの頃の気持ちにタイムスリップすることができた。
素晴らしい映画だった。
生きづらさや孤独は傷つけ合うことでは満たされない。
カラオケのシーンで泣いてしまった。
シニカルな感じがめちゃくちゃ好きだった。決闘の場面でだんだん血まみれになっていくところが良い。
スクリーンから滲み出る孤独感が美しく、この映画がどれくらいの人を救ってきたのだろうという思いに浸った。
100円でできることで今、世界で一番楽しいことです。見ろ!!!!!!
映像と音楽に関しては、恋する惑星よりも洗練されていてめちゃくちゃかっこよかった
「天使の涙」と一緒に見たけど、ギラギラして猥雑な香港の街で生きる登場人物たちがみんな不器用なのが愛おしくてたまらない
社会派的な問いかけから始まり、ドタバタコメディになったと思いきや、国家とは民族とは罪とはを問う観念的な映画へと昇華していったその変転がすごい
うおーめちゃくちゃ良かった。
正直、よく分からないショットやダラダラとした場面もあるが、最後まで見ると確かに必要なダルさだったんだなと思う。最後のシーンは色々と気にはなるけど演出面で全てを持っていった>>続きを読む
30年も前の映画なのでそりゃ今の価値観と照らし合わせると古さは否めない部分もあるが、それでも大瀧詠一や細野晴臣の音楽に乗せて紡がれるちびまる子ちゃんのストーリーは優しいものだった。特に先生と帰る下りが>>続きを読む
吉田恵輔作品には“業”のようなものがあって、とにかく人間の最悪な面というか業の深い部分をこれでもかと抉り出してくる。岸井ゆきのの可愛さに気持ちが緩みそうになるが「絶対何かを仕掛けてくるぞ」という緊張感>>続きを読む
素晴らしかった。
誰かを大切にしたい、誰かに大切にされたい、という気持ちがあるが、その根底には孤独や寂しさがわだかまっている。
観覧車の場面、高速鉄道の場面、電気を消したホテルの場面。孤独な生の中に>>続きを読む
ラブコメ映画の皮を被った人間関係の最高さと最悪さを抉り出す大傑作。この癖のある素材をここまで料理できる小林啓一、只者じゃない。
大和市の日常に依拠しながらも、いかに日常を異化していくのか、というバランス感覚がよかった。宮崎大佑監督の作品はツーリズムにもつながる作品。上映後、宮崎監督とスズキナオさんの対談を聞いていかに映画作りに>>続きを読む
す、すごすぎる……!
毎日が同じなどではなく、毎日が少しずつ違っており、毎日少しずつ上手くいかない。ジャガイモが上手く煮れない、ボタンを一つ掛け忘れる、物を落とす、赤ん坊が泣き止まない、同じボタンが見>>続きを読む