今野ぽたさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

今野ぽた

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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.6

サウンドバックとリデルライトの最終回で壊れるほど泣いてしまった。柄本佑がかっこよすぎて柄本佑になりたい以外の感情がない。

パリ13区(2021年製作の映画)

4.6

大好きな映画。多様な人々が暮らす都市に生きるからこそ、人間は本質的に孤独であることを思い知らされる。だが同時に人間は孤独に生かされているのだとも思う。僕の中で「フランス映画」のカギカッコが外れた、そん>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

大人にとって子供は「わからない」存在なのかもしれない。だけど、その子供を通じて分かり合えない大人たちが少しずつ歩み寄っていく。世界を「わからない」ものにしていたのはどちらなんだろう。なんとなく分かり合>>続きを読む

くじけないで手紙を書いた(2011年製作の映画)

3.9

枡野浩一『くじけな』に載せて綴られる高円寺の一日。鍋つかみに本を入れて持ち歩くところがよかった。

遠くの水(2014年製作の映画)

3.8

台本はほとんどなくて役者がそれぞれ持っている長所を用いて撮られたというのが面白いなと思った。カレーを食べるシーンからの記念撮影のシーンが良い。

愛なのに(2021年製作の映画)

4.4

欲望丸出しのドタバタ人間劇なのに最後なんでこんなに綺麗に終わってるんだ…とにかく面白かった。河合優実さんやっぱり好きすぎる……

やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.0

中川龍太郎の映画は「喪失」との向き合い方を教えてくれる。
終盤のシーンに賛否があるようだが、帰らぬ人が見ていた景色はどれだけ想像しても同じものを見ることはできない、その喪失のやるせなさを感じるものだっ
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.5

オールナイト上映。

7時間18分の上映を終えた瞬間、聖なるものに触れたような気がした。放心状態。

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

冒頭の爆発音が鑑賞者の知覚を最大限の緊張状態に置く。次の爆発音に備えながら観るスクリーンの向こうの世界は、必然的に鋭敏な感覚で見ることになる。そうして拡張された知覚が終盤、巨大なメモリア(記憶)に接続>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

ジム・ジャームッシュ「ナイト・オン・ザ・プラネット」を観ておくと楽しみが増す。

正直、序盤は「大丈夫か…この映画…」と思わなくはなかったが、仕掛けが分かると途端にこの映画に散りばめられた細かい演出に
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.2

スクリーンへの没入感がすごくて上映後明るくなったとき一瞬ここがどこなのか分からなくなった。

熱帯の湿度、虫の羽音、植物を掻き分け泥の中を進む音、銃声、血の匂い、獣の鳴き声、生と死、すべてがあまりにも
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

4.7

この映画で起きていることのほとんどは説明されない。それはこの世界で私が知りたいと思っていることをすべて知ることができないことと似ている。
だからこそ、私たちは注意深く目を配らせ、耳を澄まし、心を寄り添
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.1

映画であり雑誌。雑誌であり映画。
スクリーンを見ている時間すべてが楽しい。スタイリッシュでコミカルなのに、最後はほんのり寂しい。

PASSION(2008年製作の映画)

5.0

奇跡をみた

PASSIONを観たあとの世界を生きていかなくてはいけないと分かっていたとしても、僕はこの映画を観ることを選ぶのだろうと思う

何食わぬ顔(2003年製作の映画)

4.3

濱口竜介映画の根っこを見たような気分だ。「親密さ」へと繋がり、基調低音となっていく「演じるということ」「対話」「関係性」「偶然」といったワードが鮮やかに浮かび上がってくる。映画として確かな手触りがある>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

3.9

「永遠に君を愛す」とセットで見た。

この映画が2016年に撮られたということは、東北記録映画三部作のあとということで「向かい合って話すと言うこと」「喪った人の声をどのように拾いあげていくか」というと
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永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.8

「天国はまだ遠い」とセットで見た。傷つき傷つけられるということが両作に共通して見られるなと思った。

カットや画面構成には「親密さ」との共通点が近かったし、告白によって傷つき傷つけられるというテーマは
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さがす(2022年製作の映画)

4.5

卓球の音がずっと頭から離れない。

映画「さがす」期待通りの大傑作でした。

「さがす」の裏には必ず「なくす」がある。しかしなくしたものは本当に「さがす」ことができるのだろうか。

そして「さがす」の
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都市とモードのビデオノート 4K レストア版(1989年製作の映画)

3.9

1989年の映画でヴィム・ヴェンダースの語るデジタル技術への危惧、山本耀司の語るファッションへの危惧が、2022年にはもうかなりのところで表面化していることに気付かされる。

当時の東京の映像と、パリ
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成れの果て(2021年製作の映画)

3.8

『街の上で』の萩原みのりさんの演技が光る映画だった。ラストの落とし所はなるほどとは思ったものの、登場人物を“クズ”で描こうとするあまり人物造形が定型すぎる感は否めない。

なみのおと(2011年製作の映画)

3.9

正直に言うと、最後の姉妹の対話のところは画面をほとんど見ずに音声だけで観てしまった。バストショットによって撮影された震災の語りは、あたかも自らがその人と向かい合って対話をしているかのようで、それはとて>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.1

誰かを想うとき、ついロマンチックだったり劇的な物語を思い浮かべてしまう。だけど実際的に誰かを想うとは、相手のことをただ静かに想い続けるものなのかもしれない。それは雪にも似ている。だけどその、静かな想い>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

誰かを完全に理解することはできないし、人間は孤独だ。だけどハッピーアワーはそこに一抹の救いを見出す。僕の人生にこの映画があってよかった。

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.1

めちゃくちゃ面白かった〜。2021年最後がこの映画でよかった。ストーリーもロケーションもアクションも楽しめた。

LEONとかテスカトリポカとかその辺の作品が頭に浮かんだ。

(2018年製作の映画)

4.1

古川琴音さん目当てで見た。30分弱のショートムービーだが、愛と憎の狭間にある微妙な手触りと、生活の空気感とが絶妙で何度も見たいなと思った。それにしても古川琴音さんの目線と声はいつも何かを見透かされてい>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

まとまりを欠いた状態で書く。

行為選択の中で、必然と呼べるものがどれくらいあるだろうと考えたとき、この世界は偶然で成り立っているなと思う。

偶然の世界はそれこそ曖昧で、明確に言い切ることができるも
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

4.2

この作品でも徹底的に「関係性」にフォーカスされており、「触れる/触れない」の間にある言語化できない微細なものをダンスを織りまぜながら表現していた。染谷将太の空気感と映画全体に張り詰めた空気とが異様にマ>>続きを読む

ひとつの歌(2011年製作の映画)

4.4

こんなにも言葉少ない映画が、これほどまでに多くを物語るなんて……。不穏な影を感じながら迎えるラストシーンを見たあとでは、この寡黙な主人公の内面に湛えられた情動の揺れ動きが一気に押し寄せてくる。そこに道>>続きを読む