現代的な設定の面白さ、爽快な後味。リンクレイターの職人技が光る
フランス産の闇鍋的娯楽作。ジャンルの交ざり具合が変でクセになりそう。珍味
妙に豪華なオールスター映画で盛り上がるものの、後半の重要な場面を悉くモノローグで処理しておりイマイチ
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兵器製造に携わった者の生涯を通して、人が持つ無秩序で矛盾に満ちた業を浮かび上がらせるところは宮崎駿の「風立ちぬ」とそっくりで、WW2を日米双方の視点から描いた「父親たちの星条旗」~「硫黄島」の関係にも>>続きを読む
作品全体を覆うマイクロアグレッションひとつひとつの解像度の高さたるや…。辛辣なユーモアを武器に、黒人差別の実情を軽やかに描いてみせた手腕に脱帽。当事者しか語ることのできない物語の強さを改めて思い知らさ>>続きを読む
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「2001年」のモノリス猿よろしく女児が赤ん坊の人形を叩き壊す最高のオープニングから、バービーランドと現実世界が鏡像の関係にあり、性役割こそが問題の核心だと気付くまで。「TAR」と並んでジェンダー理解>>続きを読む
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聴覚障害を持つ息子と家族の生活を通して、自然と近代との相克を描いた寓話。一家は閉ざされた山奥で次第に文明との接点を失い、エロスとタナトスに呑み込まれていく。語りの余白が豊潤さを生んでいる典型
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神への愛と性愛の両立、偶像崇拝への反感とレズビアニズム賛歌をマリア像ひとつで表してしまう離れ業。ヴァーホーヴェン御大、枯れるどころかますます自由奔放になっていて驚いた
古典のお手本のような映像化。主役の女性3人が達者なのでチェーホフの箱庭世界に没入できる
「死の三部作」における撮影が生々しく鮮烈だったハリス・サヴィデスとガス・ヴァン・サントのコンビによる1作目。バスタ・ライムスなど意表を突くキャスティングでブラックカルチャーにもアプローチしている
「窓>>続きを読む
メイキングによると、原作の「時空を超えて生き続ける主人公」という型破りな設定に対し製作費が400万ドルほどと少なく、撮影は苦労の連続だったようだ。それでも豪奢な衣装やロケーション、ティルダ・スウィント>>続きを読む
ハリウッドシステムを拒絶したアルトマン「ロング・グッドバイ」へのオマージュをはじめ、インディペンデントな物作りに対する敬意と信頼の表明。動物をカメラに収める技術に毎度驚かされるが、鳩のシーンは映画の神>>続きを読む
ケリー・ライカートの映画を見ていると90年代全盛だったMatadorやK、MergeといったUSインディーレーベルの作品を思い出す。オルタナティブな音楽性はもちろん、ジャケットデザインからブックレット>>続きを読む
いくつものジャンルを交配し夫婦の深淵を描き出した異形のホームドラマ。汚物まみれのシーンすらエレガントなのは、イザベル・アジャーニの暗い輝きと鬼才の為せる技
心地よい静寂と身に覚えのある感傷に揺さぶられる。アリバイ作りみたいに相談だけして、結局いつも意志は変わらないじゃない。ごもっとも!
ありふれた退屈からの逃走。この空虚で鬱々とした気分こそが 90's。ボニー&クライドになり損ねた彼らとあの頃の無為な時間が重なる
地味ながら佳作だった「ウィンターズ・ボーン」のデブラ・グラニック監督作。現状は埋もれた良作扱いだが、抑えた演出が光るタイプの監督なので肩入れしたくなる。父娘のリアルなやり取りにグッとくるし、重たいテー>>続きを読む