OCHANGさんの映画レビュー・感想・評価

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バビロン(2021年製作の映画)

3.7

下品なフリして大して下品でないのが全編通してキツイ。冒頭の乱交&ドラッグのパーティーとか人が山ほどいるのは伝わるけど実は直接的には描いていないからね。直接的なのはオープニングの象の糞尿描写くらい。「ウ>>続きを読む

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.4

素早いモンタージュに合わせるテンポの早い会話や重要なところを省略の効いたカット割がメチャクチャモダンで戦前の映画とは思えない。登場人物が上も下も俗っぽいのが面白くツンデレの天丼ネタとかゲラゲラ笑ってし>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.7

陰影の強いモノクロの画面作りやノイジーな劇伴などから生まれる戦前のドイツ表現主義的な作り方がメッチャ好み。話が混乱していて分かりにくいがそれも狙いの内なので難しい。オチが思いの外に神話の大ネタだった。

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.7

メインアニメーターが井上俊之と松本憲生というビッグな二人を連れてきた時点で爆アガリ。画面の彩度のコントロールなど丁寧な作りでグッとくる。話の構造としては新◯誠のアレと同じ時制トリックなのだが上記の丁寧>>続きを読む

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

2.8

イベント上映だとは理解しているがこれだけの規模で公開するならそれは映画なのでありテレビをほぼ無編集で流すものを映画と呼ぶのは個人的には憚られる。遊郭編のクライマックスである前半でピークがきて刀鍛冶編の>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.0

過剰なセリフを廃してロードムービーとして風景描写に詩情を託すことで新海新海誠史上最もエンタメとして成功している。気持ち悪いポエムが聞けないのはそれはそれで寂しいのだが椅子になったイケメンに乗っかったヒ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

とにかくバスケシーンの迫力が凄い。ボールやプレイヤーの導線の組み方がとにかく自然で試合に没入することが出来た。特にクライマックスの無音演出での緊張感は限りなく無音に近い環境を作ることの出来る劇場でこそ>>続きを読む

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- Paladin; Agateram(2021年製作の映画)

4.0

作画陣が暴走したエフェクト系アニメ。今時80年代のOVAみたいな作りのアニメが観れるとは思わなかった!特にハサンの戦闘パートの幾何学的でコントラストの効いた画面作りはメッチャ好み!あとランスロットの戦>>続きを読む

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- Wandering; Agateram(2020年製作の映画)

3.5

後編に照準を合わせているためダイジェスト感強く見せ場も少ない。単体で観るには流石に退屈した。
回想シーンを吉成鋼さんが担当していて彼らしい絵画調のタッチが冴え渡りそこだけブチ上がった。

さがす(2022年製作の映画)

4.0

個人的に清水尋也は推しなので彼の低温系サイコの芝居が観れただけでも満足。佐藤二朗はちゃんとしてればダメなおっちゃん役凄く良いのだから仕事ちゃんと選んでほしい。

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.7

日本人キャストの英語話者がちゃんとネイティブな英語を喋っていたりピアノの演奏シーンを本人の演奏(当て振りではあるのだろうけど)でワンカットでちゃんと撮っていたりと邦画で時に誤魔化されがちな「本当らしさ>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

時系列が逆行していくスタイルがとにかくハマっている。二人の顛末は交際が始まった時点から伏線があったことが徐々に観客に分かるところ(そしてその伏線が声高に主張しないところ)がメチャクチャ上手い。永瀬正敏>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.5

緊急事態とはいえチャドウィック・ボーズマン追悼とシリーズとして回収しなくてはいけない要素とブラックパンサーとして求められるポリティカルな側面と大作エンタメとしての面白さと様々な渋滞を整理するだけでタイ>>続きを読む

テリファー(2016年製作の映画)

2.8

とにかく空間が分かりづらい。舞台となる建物の中を動き回る割には部屋同士の繋がりが分かりにくくどういう流れで逃げているのか分からなくなってノイズになる。スプラッターが引き出しも多くて突き抜けている分そこ>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

てっきり違う世界に住む門脇麦と水原希子が共闘するような話になるかと思いきやそれぞれの生きる世界の中で相棒となる相手を見つけ少しずつ自由になっていく話で少しビックリ。交わり合うわけではないけど二人にとっ>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.6

一部界隈でやたら盛り上がっていたので期待したけど作品観たら冷めてしまった。アニメ業界を題材にしているもの所謂・職業物の一般的な話を出ずアニメ業界特有の話には突っ込まない。神アニメーターは現れるもののそ>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.7

ジャーロというジャンルだったり主人公の夢という主観を通じて過酷な体験を追体験するという構成は理解できるのだが、それにしてはいい加減な部分が気になってしまう。ジョカスタを悪役的に描き過ぎたり逆にジョンは>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

1作目未見。今更ながら鑑賞。
思い入れが無いくせにオープニング音楽が鳴った時点で号泣。最後までトム・クルーズのチャーミングな芝居と迫力のある戦闘機描写で心をわしづかみにされ続けた!美味しいところはトム
>>続きを読む

真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.5

ファイトクラブからの世界の終わりそして「生きてるだけでよしとしてあげるよ」という締めのセリフ。それは90年代の遺産としか言えないような何かだった。サブカル映画御用達池田エライザ出演で満貫感ある。個人的>>続きを読む

貞子DX(2022年製作の映画)

3.0

「シリーズを重ねてコすられ続けた貞子というキャラクターとその呪いを如何に描くのか」という貞子大喜利に対して上手く返せているとは思う。ネット時代への適応による呪いの進化とその謎の究明というミステリー仕立>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.7

清原加那が推しなので。彼女の表情やセリフのトーンの付け方が絶妙でメチャクチャ上手い。それだけで個人的には元がとれた気分。主演の横浜流星も本来の華を殺して影のある役を演じていて偉かった。少し顔の感じが間>>続きを読む

HiGH&LOW THE WORST X(2022年製作の映画)

3.7

あんだけ引っ張った鈴蘭の話は大して掘り下げないんかい!というのは置いておくとして。
全体的に関係性萌えマシマシになっていたのが面白い。そもそも今回の物語自体が新規キャラの天下井・須﨑コンビの巨大感情(
>>続きを読む

HiGH&LOW THE WORST(2019年製作の映画)

3.9

ハイローは「全員主役」というキャッチフレーズの通り多彩な登場人物が入り乱れるのが魅力ではあったが一方で散漫な内容になることがあるのも事実。なので今回の鬼邪高校vs鳳仙学園(裏で絶望団地と牙斗螺が絡む)>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.7

電車の頭に飛び乗ることが出来るリアリティラインの時点で真面目に観るのは野暮。トンデモ・ニッポンも狙いの内。完全なおバカ系映画として楽しめた。久々に嬉々としておバカを演じるブラピが観れただけでもお釣りが>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.6

クライマックスの衝突事故のピタゴラスイッチのカオスさ。深作欣二の警察をボコボコにしたいという願望が素直に発露していて笑う。婦警さんのエロにキ◯◯イのブラックなギャグにとメリハリもあって良いしラストの切>>続きを読む

突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年製作の映画)

3.7

監督の政治的立場からくるのであろう描写の偏り(連合赤軍側が書割的でほぼ顔も出てこない)を気にしなければ調度良い娯楽映画の仕上がりになっていると思う。顔の圧の強い役者総集結での早口会議合戦の前半からの後>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.9

原田監督は政治信条がハッキリしていてそれを作品に取り込むことが多いのだがそのバランス感が作品の出来に直結しやすいところがある。作品のバランス感を欠いてでも政治的信条を取り込んでしまうこともしばしば(「>>続きを読む

関ヶ原(2017年製作の映画)

2.8

関ヶ原の合戦始まるまでが思いの外長い。そこまでのセリフの聞き取り辛さでさすがに気持ちが切れてしまった。映画では台詞そのものが一番大切なわけではないという監督の思想は理解できるし「燃えよ剣」みたいな話の>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

4.2

ミステリーの謎解きの面白さと社会的なテーマのバランスが良くちゃんと硬派なエンタメ大作として成立していた。謎解きに焦点を置いた語り口で話の進み方がシンプルで分かりやすいし場所の移動なども多く飽きさせない>>続きを読む

オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.6

先日某POV映画(最近流行りの台湾のヤツ)を観たせいか白石監督の構成力の高さに改めて驚いた。誰も親切に説明してくれないのに流れを理解できるし登場人物が基本キ◯ガ◯なのに感情移入できるのがスゴい!マリア>>続きを読む

恐怖(2009年製作の映画)

2.5

黒沢清の諸作品や「リング」や「呪怨・呪いの家」など高橋洋の関わった作品には「恐怖」そのものへの興味とその世界観を形成するための怪奇物の道具立てをフェティッシュなまでにこだわっているように思える。その要>>続きを読む

HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION(2017年製作の映画)

3.4

無理矢理話をまとめに入ったせいで前作のスケールの大きさが半減。敵であるおじさん陣営も唐突に心変わりするのはどうかと思うよ。アクションも毎度恒例の集団でのぶつかり合いではなくマクガフィン探しによる逃走劇>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

ゲームっぽい切り替えの激しいアクションが観辛くて個人的には合わなかった。あと未だにスタイリッシュアクションの表現がマトリックスから進歩してないのかあ…とゲンナリ。「舐めてたJKが殺人マシーンでした」と>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.5

周りの評判で期待しすぎた自分が悪いのだが、個人的には肩透かしだった。POVの「リアル」さと親子のメロドラマの叙情性の食い合わせが良くなかったと思う。カメラも意外と切り替わるのでこの内容なら普通の劇映画>>続きを読む

呪怨(2002年製作の映画)

3.6

Jホラーの基礎となった小中理論の一つに「ホラーとは段取りである」という趣旨の内容があったと思うのだが、視線誘導や伏線など最後の絶叫に向けての段取りがメチャクチャ上手い。布団の中から現れるシーンのハズし>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.5

ウディアレン的スノッブなイヤミさが可愛げになるからティモシー・シャラメはやっぱりスゴい

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