OCHANGさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

3.6

平成ガメラの成功を経ての金子監督の大抜擢で作ったゴジラが国の護り神としての怪獣や国防論、そして英霊としてのゴジラなど右翼的な危うさを持った作品になってるのが面白い(ガメラ3の時点で匂わせてはいるけどね>>続きを読む

モスラ(1996年製作の映画)

2.5

子供向きだからといって子供を主人公にする安易な考えはやめてほしい。いや別に主人公にしてもいいのだが子供視点を生かしたストーリーをちゃんと用意してほしい。結局のところこの作品は子供を中心とした家族が主人>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.2

KOMの主人公夫婦の娘が成長したらネトウヨ陰謀論にハマっていたり秘密の施設は雑に侵入できたり、そしてまさかの方法でPCが破壊されたり等々ゴジラサイドのエピソードのスットコドッコイさが個人的にノイズ過ぎ>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

4.4

金のためと言ったり芸術のためと言ったりとデタラメで即物的な言動が目につくがそのどちらもが彼にとっては「芸術として表現したいが生活をするために稼がなくてはいけない」というどちらも本当の気持ちなんだと思う>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

ピカレスクロマン的な乗っ取り劇を軽快なテンポ感で畳み掛けてからの「扉」を開けてしまってから決定的に狂い出してからのヤバさ。「母なる証明」でのアイツの家から逃げ出す場面で丸々ワンパート作ったような緊張感>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.2

戦争の影を残した田舎の封建社会での怨念という陰惨になりそうな題材をテンポの良い台詞回しと目まぐるしいカット割によりポップに描く。障子の格子や廊下の抜けなどガンギマった絵作りも萌える。そして何よりアンノ>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

4.7

消費社会、機械化を暗に批判したような昼の労働時間の無機質さ。その解放としての後半の「プレイタイム(=遊びの時間)」の解放感。旨い飯とバイブスのアがる音楽が揃えばそこは最高なパーティー!ミニマムな題材に>>続きを読む

天使のたまご(1985年製作の映画)

3.4

押井守作品に必ず現れる白昼夢的な場面を延々と繋ぎ天野喜孝のキャラクターと小林七郎の背景を美麗に動かして無理矢理成立させた怪作。観るアンビエント。眠くなるところまで含めて正解。ただ表現的にもさすがに70>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

初期ガイリッチーの帰還!シャーロックやキングアーサーなどの大味な語りがノレなかった身としては(「コードネームUNCLE」は大好き!続編希望)「ロックストック~」の頃を思わせる限定的な状況を英国的なシニ>>続きを読む

ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

3.0

探知機の点滅による煽り、武器のスプレーを試すときの煙の噴射、最後に敵の巣に乗り込む展開など全体的にエイリアン(特に2)からの引用多い。敵の主観カメラで追いかけられる演出とか3の先取りになってるところと>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.5

名作として評価されるだけの理由は理解できながらもノレなかった。ニューエイジもアナーキズムも好きじゃないのかなあ。特に肉体破壊的なモノに嫌悪感があるのだと実感。同じような展開を辿る攻殻機動隊が大好きなの>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.3

バキバキにキマった画作りのまま長回しで緊張感を持続させるのがメチャクチャ上手い。そしてその緊張感が「広大な宇宙の中の孤独とそこから「生」という重力で引き戻らされる」という作品のテーマとそのまま直結する>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

4.0

脱走という緊張感の持続するモチーフと監獄の中というシンプルな状況を生かしたサスペンス。監督自身のカトリックに根付いた宗教観と結びつき脱走に向けての語り口がストイックになっている。繊細な環境音や長回しな>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.8

公開当時レイティングの関係で観ること叶わず規定越えたら意気揚々と観たものの予想してたものと違って肩透かし喰らったのも青い頃の良い思い出。今回観直しメッチャクラった!
人は生まれた瞬間から常にコイントス
>>続きを読む

ピンクリボン(2004年製作の映画)

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ピンク映画のドキュメンタリー。もっと映画史的な話をするかと思ったら意外と(当時の)リアルタイムのピンク映画の話に時間をガッツリとってるのが良かった。ギリギリフィルム撮影やアフレコ録音が行われていた時代>>続きを読む

BEYOND BLOOD(2018年製作の映画)

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アジャを代表とする仏ニューウェーブホラーのドキュメンタリー。噂に聞く限りエクストリームな露悪性のイメージがあったけどここでも影響出てくるギャスパーノエでなんか納得がいく。とはいえ観たことないので一度は>>続きを読む

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.7

開始早々サクっと事前情報提示して一気にクライマックスへ。町一つ爆破したりバスにしがみついての追いかけっこなどやりたい放題。サイレント的なモンタージュの積み重ねもメチャクチャ上手くて飽きさせない。撃ち合>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

3.8

引いたカメラで広い荒野の景色をしっかりと撮ることで生まれる情感がとても良い。暗いシーンでの陰影もグッド。 絡まり合わないラブロマンスへの深みが効いてる。ラストの劇的な要素を排したようなストイックな打ち>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.7

雄大な自然描写や繊細な環境音は劇場で観る意味がある。そしてその自然と対比される人間の一生の儚さ。その中での出会いと別れ。米の土地柄性を生かした伝統的な西部劇やロードムービーの伝統を感じる一作だった。

翔んだカップル オリジナル版(1982年製作の映画)

3.7

青春ラブコメだと思ったら(エロの無い)ロマンポルノだったでござる。抑圧された若さ故の欲望。直接的に描写しなくても常に性的な匂いがプンプン。そしてそこに端を発する気持ちの行き違い。その感情の揺れ動きを特>>続きを読む

曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

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「自分にもよく分からないですけどとりあえずこういう流れやってください」というような段取り的な演出が彼の作品全体を煙に巻くような印象を与えるけどそれに対する答えが「現実は内面論理的な帰結ではなく現実の即>>続きを読む

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

3.6

開始早々のハズした自己紹介やカラフルなガールフレンド紹介。楽天的な雰囲気でサクサク進むし飽きない。そしてクライマックスの一連のヤバいダンスシーン。大量のダンサーを起用した統一された華麗なダンスと徹底的>>続きを読む

アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.9

空間の異様な切り取り方、絶妙な伏線のはり方。さすがのジェームズワン・ブランド。ヤバいもの開いちゃう彼女にも同情の余地を残してる感じも良い。出てくるヤツラもモンスター系の悪魔からブラウン管テレビの超常現>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

4.2

1作目のテーマをしっかり深め差別意識や偏見に切り込む。その解決の発端が人間の生活に深く根付いた「食事」というのも良いよね。旨い食事は人間の生活を豊かに充実させ幸福を導く。文化的生活大事!完全に「グラン>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

3.9

恥ずかしながら初ヒッチコック。序盤引っ張ったサスペンスをバッサリと切るサプライズがサプライズに終わらず「古城には人成らざる者がいて地下にはその秘密がある」という怪奇物的な怖さを増幅させるものとしてしっ>>続きを読む

殺人狂時代(1967年製作の映画)

4.4

開始早々真っ白な精神病棟というムチャクチャ展開にアガる。荒唐無稽な物語をたたみ掛けていくような異様なテンポ。濡れ場の洒落た表現も良い。映画とは「これでいいのだ」!そしてその中心にいる淡々として不気味な>>続きを読む

モンスターズ・インク(2001年製作の映画)

3.8

小さい頃吹き替えで繰り返し観たせいでオリジナルで観れないヤツ。今観るとオシャレなオープニングやトロッコにどこでもドア組み合わせた上下左右に動くクライマックス、数々の映画オマージュなど作りの上手さに舌を>>続きを読む

オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.8

子供向けの童話の持つ即物的な話運びがビビッドでキッチュな美術と相まって物凄く歪な雰囲気を作り上げている。魔女やられたの完全にドジだろとか「心」や「勇気」はたしかに存在しないとも言えるし故に皆持ってると>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

4.0

4人の穏やかな時間に浸る2時間。声を荒げたりせずとも内に秘めた感情があるところリアル。そんな中でも確実に皆刻々と変わっていく。些細で見逃しそうな行動が後ろで効いてくるのメッチャ上手い。
広瀬すずは垢抜
>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

ミュージカル映画全盛の時代の作品を恥ずかしながら初めて観たけど音楽に乗せて行われるスター達の異常なパフォーマンスという「見せ物」としての映画の側面をまざまざと観させられた。ダンスのキレイさや当たり前の>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

全編通して表情が読み取れない時がある位に陰が入るような暗い画作りが印象的。それがマフィアというカタギではない仕事の後ろめたさを演出しているし、ふとした瞬間に訪れる人間的な時間-それは冠婚葬祭という家族>>続きを読む

ミュンヘン(2005年製作の映画)

4.0

暴力による解決は新たな暴力しか生まないという「汚れた英雄」物。次第に疲弊していく様子が繰り返し挟まれる食事シーンで描かれるところとか上手い。最初の暖かな団欒が終盤には懐かしくなってくる。ラストシーンは>>続きを読む

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)

3.5

ダニーエルフマンのオールドスクールなスタイルを上手くモダンにブラッシュアップしてる劇伴好きだなあと今更ながら思いました。MIBもだしサムライミ版スパイダーマンやティムバートン版バットマンとか「漫画」映>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

神原の今まで何故言い出さなかった問題は作中の自分のしてしまった事で起きた事の大きさということで一応は説明ができているとは思う。前編で起きた事を我々は観ているわけだし。ただその事が台詞でただ説明されるだ>>続きを読む