おかださんの映画レビュー・感想・評価

おかだ

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オズの魔法使(1939年製作の映画)

4.5


ストーリーは古典的だが色あせない素晴らしさがある。
構成も秀逸で、退屈な日常を抜け出しオズで旅をする最中も、現実に帰ってきて心が満たされる場面も、ドロシーと同じ感情で見進めることができる。
また、撮
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

死んだ人間を一切画面に出さずに、恐ろしい人格を表しきるという巧さが光っていた。
まったく同じではないが「めまい」を筆頭に、このような表現はヒッチコックらしさの一つだといえるだろう。
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

この映画はある「万能のタネ」が物語のキーになっているのだが、その万能さに秩序が無く、何でもありになってしまっていて全く見ごたえがなかった。
いくつかは視覚的に楽しめるカメラ割などがあったが、全体を通し
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

ドライバーを映さずあの画角に収めるPOV視点や、ゲームライクな三人称視点など、何気なく出てくるシーンの撮影に工夫がされてると思うし、どう撮影したのか知りたいと思った。
また、ゲームという題材をゲームと
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わんわん物語(1955年製作の映画)

3.5

久々に鑑賞したが、機知に富んだ粋な作品だなと改めて思った。
予想外の展開や目を見張るような作画がある訳では無いが全体の質が高いと言える。
動物特有の手足の動きで感情を表現しきっているのは流石と言わざる
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レミーのおいしいレストラン(2007年製作の映画)

3.7

昔見たきりであまり記憶に無かったので鑑賞したが、完成度が高く素直に面白いと思えた。
フランスの風景やこの作品が持つ独特な雰囲気は、映画の格を間違いなく1つ底上げしていると思う。
これぞディズニーといわ
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まともな男(2015年製作の映画)

3.5

序盤の車のシーンで引きの構図を多用しているので
映し出される雄大な景色が人間の小ささを思い出させる。

レビューを読んでいると、父親の行動や性格を非難する声が散見されるが
個人的には、登場人物全員の未
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5


冒頭の白い雪の景色から、施設の中で警報を作動したときに黒と赤へと色が移り変わるシーンの掴みが良かった
音楽も素晴らしく雰囲気を盛り上げる大きな要素だと思う
お気に入りは、チョーカーをピンクから黒に変
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マッチ売りの少女(2006年製作の映画)

4.0

個人的にディズニーで一番好きなファンタジアのアヴェ・マリアに勝るとも劣らない作品だと思う。
彩度を落とした色使い、街並み、表情などすべての要素が我々を物語に没入させている。

また、扱うテーマも素晴ら
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

暗く難解なテーマを扱い、起きていることを淡々と見せる映画では
退屈する時間があることが多い。
しかし、この作品は「何も見逃してはいけない」と思わせて、観る側の心を掴んで離さない。
映像や音楽、演出など
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複製された男(2013年製作の映画)

3.8

カオスとは未解読の秩序である。

斬新なプロットであるが、その要素のみに甘えない構成が良かった。
分身のような人間についての謎を扱うのではなく、その設定をうまく使いこなして伝えたいことを視聴者に示すス
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フレンジー(1972年製作の映画)

4.7

ヒッチコックが手掛けた最後から2番目の作品ということもあり
過去の名作を踏襲しながらも、より現代的にまとめられていたと思う。

特に、女性を襲うカットで細部をあえて描写しない点が良かった。
そうするこ
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サークル(2015年製作の映画)

2.9

いっそショートフィルムにしたらワンシチュエーション系の中でも面白い方に入る気がした

天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.1

久しぶりに鑑賞したが、プロットやカメラ割が平凡で映画として特筆すべき点が特になく、退屈であった。
また、経済的余裕よりも、愛があれば幸せである
というハリウッド的な思考が押し付けがましいと感じてしまう
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ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション(2003年製作の映画)

3.4

映画観たいけど腰を据えて観るってほどモチベ無いなって時に
この作品を選びがち ってぐらい個人的にはすごい好き
予備知識は多少必要やけど、散りばめられたネタをそのまま受け取るだけで楽しいと思えるのが良い
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.3

何よりも強く感じたことは、映像が素晴らしいということである
背景から前景まで妥協なく作りこみ、まるで人間が抱く抽象的な概念を映像にしたような雰囲気が非常に好みだった
また、視覚的な魅力だけでなく、扱う
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

3.7

この作品以前のCGは、主にアクションやアクションのための特殊効果に用いられていた。
数ある作品の中では、爆破やヘリなどのシーンでそれを乱用し
我々をうんざりさせるものも見受けられる。
そんな中、突如現
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

2.5

オススメされたから見たけど
自分の凝り固まった頭では楽しめんかった
これ単体でしか見ていないし、事前知識がないからか
急に始まる取って付けたようなキャラ達の身の上話に困惑した
それぞれのキャラの描写が
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血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)

3.8

人間の醜さと美しさをうまく表現していると思った。
気に入ったのは、ネズミが血のお茶を飲みながら白紙のトランプで遊んでいるシーン。
中身が無いのにそれっぽい事をやるために、他人を犠牲にするというセンスの
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赤い光点(2021年製作の映画)

2.5

プロットはありがちだが、個人的には嫌いじゃない。
田舎に根付く人種差別意識と個人的な恨みの絡み合いは悪くなかったが
全体的に低予算感が悪目立ちしていて
ワンシチュエーションを活かしきれていない。
カメ
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.2

町にやってきた司祭が
実は少年院から出てきた偽物の司祭だったという可能性に溢れたプロットのみに頼らず
内容で魅せるというスタイルに惹かれる。
また、どの人物にもあまり寄り添うことなく第三者視点で構成す
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

3.9

“そうだ感じる
目も口も歯も舌も鼻もない
えぐれているだけだ
これが僕だ、そして生きている
誰か助けてくれ”

“腕があれば自殺できる
脚があれば逃げられる
叫んでも誰も助けてくれない” 

植物人間
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パープル・ハート(2022年製作の映画)

2.2

ラブストーリーでありながら、時代に考慮しましたと言わんばかりに
戦争・差別・保健制度・社会福祉などの様々なテーマを取り上げている。
しかし、1つ1つの取り上げ方が非常に浅すぎるので何を表現したいかが伝
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.2

“外の世界を怖がるように仕向け、その空気を吸わせようとしない。
そして、刷り込んでくる「お前は精神異常者なのだ」と。”

これはMetallicaの“Welcome home (Sanitarium)
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少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

3.9


この作品は、妊娠を機にキャリアを捨てざるを得なかった母の視点で描かれている。
だからこそ、周りを取り巻く環境や人々の視点を想像し、様々なものを感じ取ることが大事だと思う。

さて、僕の好きな言葉に
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ヘイター(2020年製作の映画)

3.4

自分史上初ポーランド映画

派手さは無いが、起こっていることを飲み込んでいくだけで面白いと思えた。
また、無理に大きく見せず、観客を引き込む作風が良かった。

暗く、陰湿であるが、それだけでは終わらな
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.8

作品は全体的にチープであるがそこには常に現実味がある。
また、今でこそ定着した「モダン・ゾンビ」という概念を誕生させ、それを駆使して恐怖を煽るだけでなく
危機的状況に直面した人間の生存本能と行動を描き
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プラン9・フロム・アウター・スペース(1959年製作の映画)

3.3

この作品は本当に「史上最低の映画」だろうか。
私は、そうは思わない。
実際、もっとひどい映画をたくさん観てきた。
今作は、エンタメ性が十分あるし、カルト的な人気も博している。
なので、「つまらなくない
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エド・ウッド(1994年製作の映画)

4.2

本作は伝記的に正確な作品ではないと思う。
私は、この作品を
ある一人の、はぐれものの監督が
同族の先輩への尊敬や憧れを表した作品だと感じた。

ティム・バートンはいつもの作風で
シュールな雰囲気を演出
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.0

肉体愛と精神愛の対比を頻繁に訴えているように感じた
また、映像の美しさ、人物の不気味さ、不安定さに、とても惹かれた
世間の評価は高くないが、この作品を倒錯的という言葉で片付けてはいけないと思うほど魅力
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ジキル博士とハイド氏(1932年製作の映画)

3.7

個人的に、理性と本能・善と悪 については原作のほうが深く考察できたので今回は映画的な視点で書いてみる


まず、フレドリック・マーチの別人格の演じ分けの上手さに驚いた。
また、セットのクオリティが高く
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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

4.2

無実の男が大きな陰謀に巻き込まれ、子供まで誘拐されてしまうという話
この映画がうまくいっているのは、感情面での描写が素晴らしいからであろう。
それぞれの会話も秀逸で感情移入してしまう。

120分の中
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ダークナイト(2008年製作の映画)

3.7

コミック映画であるが、真剣議論に値するテーマを扱っていると同時に
映像として視覚的にも魅力があり素晴らしかった。
2時間半の中で、人々の倫理的意識の歪曲や、それに伴う選択権と責任をしっかりと描いている
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機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

2.8

友人の勧めでシリーズ初鑑賞
悪役とされる立場の人間も大義に殉じて戦っているという様を
描いている点は良かった
しかし、ストーリーが盛り上がりに欠けていて淡々と進んだように感じられたし、作られた年代を加
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

4.3

私は過去に未練があるタイプの人間ではないし、忘れられないほど好きだった相手がいるわけでもない
むしろ、今が一番だと常に思っているタイプだ
しかし、今よりも昔のほうがもっと華やかで希望に満ちた生活を送っ
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.5

鏡,廊下,幾何学模様のカーペット,迷路など左右対称であるものをステディカムで撮影することで映像から人間味や温かさが消えていた。
これにより、心理的恐怖感が倍増していたと思う。
さらに、ジャック・ニコル
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