ハレンチ学園在学生さんの映画レビュー・感想・評価

ハレンチ学園在学生

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劇場版 あしたのジョー2(1981年製作の映画)

5.0

ぴあから出たCOMPLETE DVD BOOKを購入して見た。テレビアニメ版のダイジェストの趣きはどうしても否めない。特に金龍飛、ハリマオ戦は付け足しに過ぎない。2時間弱の尺ではやむを得まい。しかし原>>続きを読む

妻として女として(1961年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演のカラー作品を初めて見た。そのせいというわけではないがモノクロより現代的なホームドラマに見えてしまうが内容はそんな生やさしいものではない。高峰と森雅之の不倫関係はやはり同じ>>続きを読む

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)

3.4

その先にある殺人マシーンをつくる巨悪には辿り着かなかったのは続編があるからなのか。峰不二子の魅力で見せ切る短編だが、56分の上映時間をDVD2枚にする必要ある?五右衛門と銭形はお休みでした。

ブラック・サンデー(1977年製作の映画)

4.1

物語の登場人物の関係性を把握するのに少し手間取った。ベトナム戦争で捕虜になり私怨を募らせる空軍の軍人はパレスチナ過激組織「黒い九月」の一員である女性と結託し、テレビ中継用の飛行船にダーツ型の爆弾を乗せ>>続きを読む

喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

昭和7年から昭和32年まで、日本の戦争状況ととも語られる灯台守夫婦(佐田啓二高峰秀子)の半生。自然の風景の中に人間が存在するのは木下惠介作品の基調である。夫婦が赴任するのは横須賀の観音崎灯台に始まって>>続きを読む

カルメン純情す(1952年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

前作のカラー版牧歌的コメディから一転してモノクロの現代風刺劇へ。再軍備という時代背景からラストは軍艦マーチの響きの中に爆撃機が爆弾を落とすような不穏な音が鳴り響く。カルメン何処へ。カルメン頑張れの文字>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.3

30年以上ぶりの再見。国産初のカラー映画として名高い本作、浅間山の大自然を背景に映しており、木々や芝の緑の褪色への気遣いの労苦が偲ばれる。話は誠にたわいのないものだが、故郷に帰ったリリィ・カルメンこと>>続きを読む

乱れる(1964年製作の映画)

4.0

久しぶりの再見。加山雄三つながりで「乱れる」と「乱れ雲」の内容が混在していた。スーパーの進出により小売店が窮地に追いやられる。大店法などのない時代ゆえドラマでも自殺者が出ていたが小売店主は地獄の思いだ>>続きを読む

あらくれ(1957年製作の映画)

3.7

「流れる」の勝代のミシンを介して「あらくれ」のお島へつなぐ。大正の時代を自分の才覚だけで力強く生きるお島は高峰秀子の適役だ。「浮雲」や「放浪記」を見たばかりなので、山国の旅館で縁を結んだ森雅之の旦那と>>続きを読む

流れる(1956年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

時と大川は流れる。成瀬巳喜男の演出が冴えに冴え渡る傑作。女優陣の競演、芸のぶつかり合いが凄まじいばかりで何度見ても震える。山田五十鈴高峰秀子杉村春子岡田茉莉子中北千枝子栗島すみ子そして田中絹代。山田五>>続きを読む

放浪記(1962年製作の映画)

3.6

約20年ほど前にラピュタ阿佐ヶ谷で見て以来の再見。哀愁の加東大介の存在くらいしか覚えていなかった。高峰秀子の林ふみ子がモノローグで話を進めて行く。「放浪記」ができるまでといった感じ。晩年、作家として成>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

5.0

最初に本作を見たとき伊香保温泉に行ってみたいと思い出かけた。後年、映画の伊香保の階段シーンがセットでの撮影と知り驚いたものだった。30年ぶりに見返してみてやはり大変な傑作と思い知った。高峰秀子と森雅之>>続きを読む

めし(1951年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

51年東宝。林芙美子原作を成瀬巳喜男を初めて映像化したことで知られる。ずいぶん久しぶりに見たが、大阪が舞台になっていたことは忘れていた。原節子の顔を見ると腹が減る上原謙。この夫婦は倦怠期を迎えている。>>続きを読む

驟雨(1956年製作の映画)

3.7

岸田國士の複数の戯曲を水木洋子が脚色した。原節子と佐野周ニの夫婦は結婚4年目にして倦怠期を迎えている。1956年の作品ゆえ亭主関白な家庭も多くあったろうが、今こんな横柄な旦那はそうそういないだろう。原>>続きを読む

笛吹川(1960年製作の映画)

3.4

監督の木下惠介はこれまで積極的に見たことがなかったのだが、わりと実験的なことをやっているのに驚いた。本作ではフィルムのところどころに赤青黄緑などの色を焼きつけ、見たことのない画面を構成している(成功し>>続きを読む

永遠の人(1961年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

最後まで見終わってなかなか秀逸なタイトルだと感じた。昭和7年から29年間にわたる熊本の僻村が舞台。村長の倅(仲代達矢)が小作農の娘(高峰秀子)を力ずくで手ごめにする。高峰には仲を誓い合ったやはり小作農>>続きを読む

山の音(1954年製作の映画)

4.0

久々の再見。鎌倉の山々に囲まれた閑静な住居に、原節子と上原謙の夫婦とその両親の山村聰と長岡輝子、出戻ってきている中北千枝子とその子らが暮らす。例によって最初はなんということのないホームドラマに見せかけ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

史実は知らない。が伝記映画としては面白く見た。後半ルイス・ストロースが過去の遺恨からオッペンハイマーを陥れていくストーリーは、ストロースの卑小性を際立たせるにせよカタストロフをもたらすものではないのだ>>続きを読む

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)

2.8

3話からなるオムニバス。ロジェ・ヴァディム「黒馬の哭く館」ジェーン・フォンダと黒馬のイメージビデオ風。ジェーンの顔が父親のヘンリーに見えて仕方なかった。ルイ・マル「影を殺した男」ありきたりのドッペルゲ>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

娯楽作品なのだし吉岡里帆目当てに見てみたに過ぎないのだから目くじらを立てることもないのだが、連続猟奇殺人の真犯人が判明してからの後半の脚本がひど過ぎる。真犯人に追われて全盲の吉岡里帆が点字ブロックを助>>続きを読む

エストラパード街(1952年製作の映画)

3.5

夫の浮気に端を発した妻の家出から始まるロマンチックコメディ。表題は妻が家出したアパートがある街の名。軽妙なノリでさらりと見てしまう。おそろしく画質がよいのはレストア版のためかもとからの撮影によるためか>>続きを読む

二十四の瞳(1954年製作の映画)

5.0

40年前に一度見た。今回は再見。戦後日本映画不滅の傑作であると同時に、小豆島の海と山の光景を日本中に知らしめた作品でもある。壺井栄の原作を読むものがいまどれくらいいるのだろう。本作も顧みられることは少>>続きを読む

にっぽん・ぱらだいす(1964年製作の映画)

3.8

戦後まもなく加東大介が孤児の香山美子たちを連れて東京で進駐軍の慰安所をつくるところから物語は始まる。そののち桜原なる吉原をモデルにした地で売春宿を開き売春防止法が施行される夜までの商売女たちの力強い生>>続きを読む

フォロウィング(1998年製作の映画)

3.5

つけたらつけられていた。処女作にすべてがあるというがノーランの時系列シャフルは何かに取り憑かれているかのようだ。ノアール的な基調も雰囲気は出ているし趣向としては面白いが映画的な面白みに欠ける。ずっと考>>続きを読む

断崖(1941年製作の映画)

3.5

ケイリー・グラントが、体調を崩して2階で休んでいるジョーン・フォンテインにミルクを入れたグラスを持って階段を上るシーンがある。夜の暗闇にミルクの白が怪しく光るためグラスに電球を入れたと言われている有名>>続きを読む

あにいもうと(1953年製作の映画)

4.2

今から約35年ほど前、早稲田にあったACTミニシアターで見た覚えがありそれ以来の再見。森雅之と京マチ子の兄妹の取っ組み合いの喧嘩だけは鮮明に覚えていたが、久我美子と堀雄二との駆け落ち一歩手前の話はまっ>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.7

中村ゆり見たさにDVD購入。一昨年の公開時にどういうわけか見るタイミングを逸してしまいようやく鑑賞。
稲垣吾郎が「え?」と問い返すシーンが何度も出てくる。不意打ち、疑問出し、確認さまざまな要素があるわ
>>続きを読む

アリスの恋(1974年製作の映画)

3.5

原題「Alice Doesn't Live Here Anymore」。アリスはここには住んでいない。スコセッシの最初期の作品で日本で公開された初の作品。夫の事故死で放浪の生活を強いられたアリス(エレ>>続きを読む

幽霊と未亡人(1947年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

海が見える格安の家に越して来た未亡人のジーン・ティアニー。格安なのは船長の幽霊(レックス・ハリソン)が出るからで、その幽霊が口喧しく未亡人にああだこうだと意見を述べる。コメディ調に進んで行くが死者と生>>続きを読む

ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「半地下はまだマシ」というキャッチフレーズに惹かれて見た。韓国の貧困の一面を炙り出す。目の見えない主人と認知症のその妻の介護をする主人公キム・ソヒョン。風呂場で妻を介護中に誤って事故死させてしまうとこ>>続きを読む

ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)

2.7

82年東映。藤田敏八は新人女優の売り出しがうまい。本作の田中美佐子、「妹」の秋吉久美子、「海燕」の藤谷美和子、「スローなブギに」の浅野温子。映画の内容はと言えば、どれも微妙な感じだが、ある種のアイドル>>続きを読む

野獣の青春(1963年製作の映画)

3.7

同僚の刑事がコールガールと殺されたことに疑念をいだいた宍戸錠の元刑事が、2つの組の間に入って強引に事件の真相を明らかにしていくストーリー。「虎狼の血」の役所広司の先駆けのような宍戸錠(刑事はクビになっ>>続きを読む

イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

草薙素子失踪3年後の公安9課。セクサロイドの暴走に端を発した事件に少女誘拐が絡む電脳犯罪に発展。バトーとトグサのコンビによる捜査に電脳化した素子が手助けする、というストーリーで一度見ただけでは理解でき>>続きを読む

陽のあたる坂道(1958年製作の映画)

3.7

今年没後50周年を迎える田坂具隆の代表作。3時間19分はいかにも長い。内容も古めかしくはある。石坂洋次郎を読むものなど誰もいないだろう。が、生活が変わり道徳感が変わり人間性が変わっても変わらぬものがあ>>続きを読む

ジブリがいっぱいSPECIALショートショート(2005年製作の映画)

3.0

なんでも商売になるなあ。傑作の誉高い「On Your Mark」目当てで見たが、確かに美しい物語とは思うが傑作とまでは思えず。あの2人の警官はチャゲ&飛鳥がモデルなのだな。一際目を引いたのは讀賣新聞の>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.4

23年度のパルムドールとアカデミー脚本賞を受賞した作品。夫の死をめぐる法廷劇が見どころだと思うが、画面の情報からでは妻の有罪はあり得ない(証拠が写っていない)のでミステリー要素を楽しむものではなく、か>>続きを読む

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