ハレンチ学園在学生さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ハレンチ学園在学生

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

いつしかヴェンダースは自分にとって全く関心のない監督になってしまっていて新作を見るのは随分久しぶり。THE TOKYO TOILETプロジェクトの広告的な「トイレ臭」を危惧していたがさして気にならなか>>続きを読む

波影(1965年製作の映画)

3.6

若尾文子は素晴らしい。豊田四郎の演出と岡崎宏三のカメラも文句なし。ただ水上勉の原作が「越前竹人形」並みに受け付けなかった。

賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.4

スタイリッシュな犯罪(未遂)映画。いい女(イザベル・コーレイ)にはついつい口が軽くなる。そこから計画が漏れるというのはよくある話。手に汗握るという計画性がある犯罪でもなく見せ場も少ないがボブの大人の男>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

介護の体験があると見るのがつらい。原作はミステリーらしいが未読。自分の父親を含め42名の介護が必要な老人を「ロストケア」した介護士の松山ケンイチ、法の裁きを受けさせようとする敏腕検事の長澤まさみの2人>>続きを読む

切腹(1962年製作の映画)

4.1

62年松竹。ようやく見た。浪人残酷物語。この頃の仲代達矢はどれもいい。脚本の橋本忍の安定感は疑いを得ないが、少し台詞による説明が多くはないか。とはいえ、今これと同じような作品を撮れと言われても絶対無理>>続きを読む

煉獄エロイカ(1970年製作の映画)

3.7

日本近代批判三部作の二作目。前作「エロス+虐殺」の大杉栄と伊藤野枝、次作「戒厳令」の北一輝のような歴史上の人物は登場しない。本作は時制が3つある。1952年(過去)、70年(現在)、80年(未来)。そ>>続きを読む

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.7

麗しのイレーヌ・ジャコブ。本作は公開時に渋谷のル・シネマで見たが、約30年ぶりに再見して、印象的なストーリーにもかかわらず全く内容を覚えていなかった。30年も経つとそういうものか(トリコロール青と白も>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.7

高校演劇の映画化。全く新しい青春映画で見てよかった。主役格の4人(演劇部女子2人、帰宅部女子1人、元野球部男子1人)が大人になってプロ野球を見に行く(甲子園で送りバントしかできなかった矢野がプロ選手に>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

3.6

まったり愛の不毛を描くイタリア映画とはまるで趣が異なる。久々に見直してみたがぼんやりした終わり方だったのは忘れていた(死体はどこにいった?)。60年代末のロンドンのくだらなさ(カメラマンのデビッド・ヘ>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

3.7

綿毛に始まり綿毛に終わる。綿毛が降ると春の訪れが近いという。つまり本作は春から春にかけての映画で、その季節のように牧歌的だ。35年ぶりの再見だが、少年が雑貨屋の大女を担ぎ上げるシーンしか覚えていなかっ>>続きを読む

タンポポ(1985年製作の映画)

3.4

表題は宮本信子の名前にしてラーメン屋の店名。昔はフジテレビのゴールデン洋画劇場でよく放送していた。まともに見たのは初めて。スタッフ、キャストともに錚々たるメンツなのに驚かされる。まずいラーメン屋が客を>>続きを読む

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.0

70年代、演劇や現代詩が元気だった頃の時代の記録として見た。のれるかのれないかで見方も変わるのだろうが、個人的には少しも共鳴するところもなければ面白味も感じなかった。町の貼り紙に「どもり、対人恐怖直し>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

3.9

色調が暗い内容が暗い登場人物が暗い(例外的に杉村春子は除く)。見ていてげんなりしてくるが、有馬稲子の美貌は見ていて飽きない。小津作品で母(山田五十鈴)と娘(原節子、有馬稲子)が前傾化するものが他にあっ>>続きを読む

マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

町山智浩の『トラウマ映画館』で知った本作をようやく見ることができた。ジャン・ジュネ原案、マルグリット・デュラス脚本で「ふつう」の作品になり得るはずがない。火付けはするわ村を水浸しにするわ家畜の飲み水に>>続きを読む

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)

3.3

フェリーニ的ローマ概説。アンナ・マニャーニが出ているとタイトル負けをしていない錯覚を生じるが、極私的とはいえローマを2時間で語るのは無理がある。ラスト、バイク軍団がローマの街を走行して街の景色を映すシ>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

大人向けの鬼太郎。猫娘が八頭身キャラになっていて驚いた。

(2023年製作の映画)

4.0

カメラマン、音楽が変わるとだいぶ印象が異なる。原作の忠実な映画化だが、視覚として血飛沫が上がり泥沼の戦場が目に入ると凄惨な印象は劇的に増す。面白いのだが、やはり秀吉のたけしは年をとり過ぎだ。確か蓮實重>>続きを読む

女の都(1980年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

誠に長い夢落ち。女への幻想がとりとめもなく出現するが、ニノ・ロータを失った音楽のように求心力がなく散逸したイメージしかない。考えてみればフェリーニの作品で惹かれる女優はアヌーク・エメを除いて出てこない>>続きを読む

白い酋長(1951年製作の映画)

3.4

フェリーニの長編2作目。表題は映画男優が演じる二枚目の役名。とんだ色男で、新婚でローマに法王の拝謁に訪れた新婦をたぶらかそうとするも恐妻の登場で失敗に終わる。他愛ないコメディだが、音楽がニーノ・ロータ>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

3.4

ようやく見た。がテレビモニターでは画面が暗くてよくわからない。映画館で見るべき作品だろう。公開当時としても中学生の愚かな行動を描くにしてはデタラメに過ぎ(女生徒の背中に薬品?をかけて大火傷を負わせたり>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

5.0

2010年の4Kデジタルリマスター版で鑑賞。初見時はVHSだったから画像の美しさは全くの別物である。のちNHKのテレビ放送でも見たので今回が3度目の鑑賞だが、冒頭のキリスト像をヘリで運搬するシーンとト>>続きを読む

フォロー・ミー(1972年製作の映画)

3.3

キングレコードから出ているDVDの一覧を見ていて本作を知る。ミア・ファロー主演でこんな映画があったのか!という感じで慌ててレンタルで見てみたが、考えてみたらキャロル・リードの作品を面白いと感じたことは>>続きを読む

婚期(1961年製作の映画)

3.1

吉村公三郎はコメディが撮れないのではないか。そもそも動きがないことに加えて台詞回しに面白みが一切ない。若尾文子と野添ひとみの若い姉妹は見どころの一つとは思うが、きゃんきゃんうるさいだけだ。せっかくの高>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

朝井リョウの小説は未読。おそらく女子大生のトラウマの件に具体性を持たせているのではないか。ネットでのつながりは危ないね、ということの前に、あのくらいの証拠で送検までされてしまうのかと首を捻ったが、神奈>>続きを読む

ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.5

約20年ぶりの再見。あらゆる意味ででたらめな映画。大人になってから友人との濃密な時間を過ごしていないためか、心情も行動も理解できない。よく公開ができたなという印象は初見のときと変わらなかった(今はもっ>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

3.5

約30年ぶりの再見。ラストの階段のシーンしか覚えておらず。初見の時にも感じたが、カサヴェテス作品の中で最もとっつきにくい印象。劇中フェリーニの「甘い生活」に言及しているシーンがあるが、本作は言うなれば>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

相模湾大戦のVFXパートは迫力満点で面白く見た。悲劇の作劇の難しさをひしひしと感じたが、そんなことはともかく、令和5年は浜辺美波が「仮面ライダー」と「ゴジラ」の二つの特撮映画に、綾波レイとして出演して>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

スコセッシの新旧スター揃い踏み。良くも悪くもデ・ニーロを見る作品。最初はサスペンスかと思ったが、開き直っているかのように犯人探しではなくなっていく展開をどう見るか。ストーリー的な面白みはたいしてなかっ>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

78年作品。ジーナ・ローランズ扮する舞台女優は、彼女を熱烈に支持する少女の事故死を境に精神的な変調を来たす。その前から芝居をすることに疑問を抱いていたようだが、少女が無惨に車に轢かれるところを目にして>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

4.8

80年作品。テレビでざっと見ただけだったのでようやくDVD鑑賞。これほどまでにエンタメに振り切っていることに驚いた。冒頭から痺れる展開で息をのむ。車に乗るギャングにいきなり拳銃をぶっ放すジーナ・ローラ>>続きを読む

にっぽん泥棒物語(1965年製作の映画)

3.5

65年東映。48年東北が舞台。破蔵を企む前科4犯の泥棒が列車転覆事件を目にしてしまう(松川事件を題材にするが本編では杉山事件と名を変えている)。そののち偽歯医者などをして妻を取り、普通の生活を装い暮ら>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.1

76年作品。なかなか見る機会がなかったのでDVDを購入。冒頭、黒地に白抜きの毛筆書体で「誅殺地下老闆」と出てきたときは違うDVDがパッケージされているのかと思った。ストリップクラブ「クレイジー・ホース>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

3.6

66年イタリア、アルジェリア。ヴェネツィア映画祭金獅子賞、キネ旬外国語映画1位(「気狂いピエロ」を抑える)。組織的な反抗運動は悲惨な結末を迎えるが、民衆が蜂起してフランスからの独立を勝ち得るまでを描く>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.5

88年松竹。山田太一の原作は未読。子どもの頃に死んだ両親が幽霊となって現前するパートは泣ける。浅草という場所もよいと思う。が、同じマンションで自殺した女性の扱い方が唐突に過ぎないか。ラストの、まるで怪>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.3

5時間17分の上映時間にずっと尻込みをしていて敬遠してたが、意を決してようやく見た。前半のワークショップの件で見るのをやめようと思ったが、そこを超えて打ち上げの席で、純が離婚裁判の話を打ち明けるあたり>>続きを読む

永すぎた春(1957年製作の映画)

2.9

57年大映作品。三島由紀夫の原作は56年刊行。この当時はまだ結婚するまでは肉体関係を結ぶのを良しとしない倫理が働いていたわけだ。映画は他愛ないもので若尾文子主演でなければ見ていない。古関裕而が音楽を担>>続きを読む