ハレンチ学園在学生さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ハレンチ学園在学生

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バービー(2023年製作の映画)

3.3

作り込みが凄まじいのはよくわかった。主役のマーゴット・ロビーもバービーになり切っていた。演出も音楽も素晴らしいと思ったが、まったく面白くなかった(フェミ解釈ができていないというのであればその通りかもし>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

3.4

ゴダール入門。カリーナやヴィアゼムスキーの「代役」として女優?がコメントを代読しているのが一瞬わけがわからなかったが、亡くなっているから仕方ないにしても、2人のイメージからあまりにかけ離れているのでず>>続きを読む

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

3.4

ザ・ローリング・ストーンズの18年ぶりの新作アルバムの発売を記念して25年ぶりの再見。「悪魔を憐れむ歌」のレコーディングドキュメントとゴダール の作劇を掛け合わせるとどうなるか。作劇部分がまろやかにな>>続きを読む

爛(ただれ)(1962年製作の映画)

4.0

62年大映。2000年ユーロスペースでの「増村保造レトロスペクティヴ」以来の鑑賞。初見のときはたいした印象も残らず、やっぱり増村=若尾は「赤い天使」に限るなどと考えていたが、見直してみて抜群に面白いと>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

関東大震災から百年を記念して本作が上映された意義は大きい。福田村事件を「史実」として知ったのは数年前でそれまでこのような狂気の「民衆暴動」を知らなかった。本作で「事件」のことを知ったものも多いのではな>>続きを読む

白鳥の歌なんか聞こえない(1972年製作の映画)

2.8

72年東宝。薫くんシリーズの映画化2作目にして最終作。配役は主役の岡田裕介はそのままだが由美役が森和代から本田みち子へ、兄役が中尾彬から細川俊之に変更になっている。前作「赤頭巾ちゃん気をつけて」に比べ>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

73年作品。01年にユーロスペースで見ているのだが内容をあらかた忘れていた。表題は主人公のJ・P・レオー(アレクサンドル)から見て「ママ(のような年増の愛人)と娼婦(のようにセックスばかりしている恋人>>続きを読む

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.8

64年日活。久々の再見。元祖パパ活映画とも言うべきか。表題は、日曜日は家族と過ごすものゆえ、愛人とは月曜日に会うものというほどの意味。先日ちょうど同年に公開された篠田正浩の「乾いた花」を見たのだが、中>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

3.6

64年松竹。レンタル落ちDVDを822円で購入して鑑賞。そもそもはNHK Eテレの「世界サブカルチャー史 日本篇」の再放送で本作の紹介とともに加賀まりこが出ていたから見ようとしたのだか、考えてみれば篠>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.6

中古DVDを1597円で買ってみた。94年の日本公開時に見て以来の再見。冒頭の「私の父の父の父が困難な務めを果たす時は、森の中のある場所に行って火を起こし静かに祈りを捧げると願いは叶った。後に私の父の>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.0

爆発で始まり爆発で終わる。上映後の明治学院大学教授の斉藤綾子によるアフタートークで、ラストが書き換えられたこと、エンディングの西ドイツ首相の写真が掲げられていたがビリー・ブラントのみなかったのは、そこ>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.2

70年作品。初めて見たのがいつだったか忘れた。30年以上ぶりの再見。見どころは有名なダンスシーンだけではない。アングルの素晴らしさロングの美しさ、本作の成功は撮影のヴィットリオ・ストラーロのカメラに負>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.0

吉岡里帆見たさにDVDを借りてきた。抜群にかわいいが、アニメに関心がないのと、全体的に冗長なので飛ばし見。

石中先生行状記(1950年製作の映画)

3.6

初DVDということで購入してみた。本作の主人公石中先生を演じているのは三船敏郎とばかり思い込んでいたが、宮田重雄だった(主人公ではなく「語り手」的存在なので宮田で適役)。3話からなるオムニバス。いずれ>>続きを読む

エロス+虐殺(1970年製作の映画)

3.7

関東大震災からちょうど100年後の今日に見ることに意義のある作品。公開から50年以上経つが、カメラアングルやつなぎなど今でも見るべきところは多い。「現在」パートは売春や自由恋愛、映像作品を撮るものの孤>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

3.7

いつもながら、ホン・サンスの話芸を楽しめるかどうかがポイントで取り立てて劇的な展開もないわけだが、ラストのキム・ミニが「小説家の映画」を見終わった後の表情をどう見るか。だいたいにおいて「小説家の映画」>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

3.6

AmazonでDVDを1200円で購入。83年作品。以前フジテレビの「ミッドナイトアートシアター」で見たことがあるが初見に等しい。ブレッソンの作品は、すべて見終わったあとに絶望的な気分になるが、本作も>>続きを読む

戒厳令(1973年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

73年ATG作品。その風貌と挙動からとてもお前なんぞにスパイが務まるはずがないと北一輝や憲兵隊から軽んじられた兵隊が、最後は北を憲兵隊に売り飛ばし立派なスパイになり仰せたというサイドストーリーはなかな>>続きを読む

さすらいの二人(1974年製作の映画)

3.7

74年作品。DVDをAmazonで1019円で購入。今まで見る機会がなかった作品。アントニオーニといえば「愛の不毛」で、「欲望」を除いて、わかったようなわからないようなふんわりした作風だったが、本作は>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

2.9

俳優、監督らスタッフの名を一切知らない。子役のソフィーは素晴らしいと思った。Filmarksの評価は高かったが個人的にはNG。あまりに観客に解釈を委ね過ぎではないかと感じた(父親が何で死んだかが画面の>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

今年のカンヌ映画祭で坂元裕二が脚本賞を受賞した本作だが、ここ最近の是枝作品では最も映像が美しかったのではないか(諏訪のロケ地が素晴らしいとも言えるが)。捉え方が難しい内容でこちらの解釈が誤っている可能>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

アカハラセクハラパワハラジェンダーゲイキャンセルカルチャーなど扱いを誤れば大炎上必須のトピックをこれでもかと盛り込みながら、もっと人格も生活も破綻している主人公を描いた作品かと思いきや、どこまでが「真>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.8

日本公開時が84年。その時初見でのちVHSで見て今回が3回目の鑑賞になるが、まあ覚えていなかった。80年代以降のゴダール作品の中ではまだわかりやすいほうだと思うし、マシューカ・デートルメスの裸身のよう>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

3.7

2006年の公開時にテアトル新宿で見て以来の再見。初見時は傑作だと思った。コロナ禍を経験した今、世界に蔓延るレミング病がパンデミックを予見していたかのような印象を受けざるを得ない。浅野と中原の作る音楽>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.2

74年作品。日本公開時の93年以来の再見。冒頭の、夫が仕事で帰宅できなくなり1人で待つ妻が酒場に出向き酔っ払って男を引っ張り込むシーンは物語の後半にあったと記憶していたが、あとは概ね覚えていた。監督曰>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

2017年東宝作品。住野よるが2015年に刊行したベストセラー小説を実写映画化。原作未読。表題には2つの意味がある。自分に疾患のある部位の肉を食べると病が癒える。死した者の肉を食べると食べた者の中で死>>続きを読む

四月物語(1998年製作の映画)

3.5

YouTubeで限定公開されているので見た。98年公開で当時見ているはずだが、劇中劇の「生きていた信長」しか覚えていなかった(しかしこの寸劇何のために入れたのか笑)。監督が松たか子に惚れ込んでいるのが>>続きを読む

箱根山(1962年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

62年東宝。西武と小田急・東急による箱根の交通戦争を背景に、ライバルの老舗旅館である玉屋と若松屋を舞台にした獅子文六の同名小説が原作。玉屋の番頭・加山雄三と若松屋の一人娘・星由里子との関係性が軸となる>>続きを読む

刺青(1966年製作の映画)

5.0

66年大映。3度目の鑑賞。増村保造と若尾文子による最高傑作。新藤兼人の脚本、宮川一夫のカメラ、西岡善信の美術などどれも素晴らしい。特に雨の降らせ方が芸術的。原作は谷崎潤一郎の「刺青」と「お艶殺し」だが>>続きを読む

美しきセルジュ(1957年製作の映画)

3.6

30年ほど前、ロラン・バルトが「美しきセルジュ」について言及していたエッセイを読んだ記憶があるが何を書いていたか覚えてない。ようやく本作を見たわけだが舞台となったクルーズ県サルダン(監督の母の故郷らし>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

キネ旬と映芸の2022年ベスト1に輝いた本作をようやく鑑賞。岸井ゆきのが素晴らしいのは言うまでもないが、三浦友和や三浦誠己など脇を支える役者が皆よい。また荒川河川敷などのロケーションが秀逸。場所柄と荒>>続きを読む

妻は告白する(1961年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

4回目の鑑賞。情念の女を演じる若尾文子、一世一代の名演。突っ込みどころは多々あるとは思うが若尾文子が素晴らしく何度も見たくなる。物語の結構としてはファムフタールものになる流れだが、若尾文子演じる彩子が>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

苦悩することを弱さとして表出する令和の本郷猛は、平成のライダーたちと似ている。そこに世界の平和を守る力強いヒーローは存在しない。その一方でヒロインは気高く凛々しい。というかこれ完全に浜辺美波の映画で彼>>続きを読む

美貌に罪あり(1959年製作の映画)

4.0

約20年ぶりの再見。90分足らずの尺でこれだけのドラマをよく収めたものと感心。意味深な表題は大映の三大女優(山本富士子若尾文子野添ひとみ)にそれぞれかかっているのだが、聾唖者役の野添ひとみにその比重が>>続きを読む

女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

3.5

エテックスの長編デビュー作品。スタイリッシュな喜劇でうまいなあとは思うものの、サイレント的というかパントマイム的な笑いにどうしても「古典」を感じてしまい、現在の喜劇としてやや古めかしさを感じた。また圧>>続きを読む