はしもとさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

はしもと

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ミナリ(2020年製作の映画)

3.0

あまり入り込めない。カットの繋ぎが唐突で呼吸が合わない。

加えて誰の物語なのかわからない。父親の話と思って見始めると筋が弱い。息子だとしても弱い。おばあちゃんと思うと終盤がおかしい。それなら群像か、
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

映像が格好いい。縦のカットなんて凄かった。視界が狭まって初めて見えてくるものがある。

ストーリーは途中まで微妙だった。擦られ尽くしたクズ野郎の物語を、割と引いた目で観ていた。演技も映像も好きだがなん
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.3

Cが語る家の歴史と違って、Mが家に残すメモは祈りに似ている。歴史は読まれるために書くが、彼女のメモは読まれない。読まれなくても書く。

Cが作る音楽と違って、Mが書くメモには目的がない。何かのために作
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

読みを誘い、読みを拒む。

エヴァが難しいのはこみいった筋のせいだけではない。解釈自体を拒否する変な趣がある。

近代的な作者観も、現代的な読者観も、エヴァを前にすると違和感がある。越境し続ける物語を
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メメント(2000年製作の映画)

3.9

過去と言語の関係を扱う点で歴史哲学っぽい。メモに翻弄され続けるレナードに史料批判を薦めたくなる。テクストの検証可能性を欠いた「歴史」は、かくも心許ない。

ストーリーは私が観た中で1番のバッドエンドだ
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.2

個々のシーンは凄い。特に表情の映し方は非常に克明。指の動きとか呼吸の音とかの周辺描写に逃げず、真正面から顔を撮って感情を映すのはやっぱり格好良い。

ただ物語としては、ヴィトとマイケルの考えていること
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.5

遠近法的な映像。風景を撮るというより、与えられた物体の射影幾何学を撮っている感じ。ホテルを紹介するシーンの撮り方がとても好きだ。
遠近法だけではなく、なんだか裏に数理を感じさせる映像が多い。有名な赤い
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

マイケルがソロッツォとマクラスキーを殺すシーン、泡吹くくらい美しい。

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.3

映画館を出て、ポスターを見ただけで、泣きかけてしまった。

ポスターには家族が全員写っているだけだが、この映画を観た後だと、それだけのことが痛切。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

(完成品の)肖像画がふたつ出てくる。結婚用の肖像と、燃ゆる女の肖像。
このことが暗示する対比は、ほぼ全ての局面で貫徹される。ひとつの構図を細かく細かく描き重ねていった、恐ろしく精巧な映画。なかなか読み
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

3.6

筋として手が込んでいるとは思わなかった。喧嘩と仲直りの繰り返しや、いくつかの事件があるだけで、それ以上の面白みがあまり見えてこない。
しかしやはり映像と音楽は素敵だし、何より台詞のキレが凄い。いくつか
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.6

なんとなく色々と思い出すシーンや感情がある映画。
色んな人間関係を描いているが、最も共感できたのはレイとファックシットの関係だった。親友なのに、片方は運命を受け入れる強さを持っていて、片方は持っていな
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.0

ジェンダー、階級、食と排泄など、多面的に作り込まれている。ある観点では2019年的、ある観点では普遍的なテーマを織り込んでいる。

「異食症」は単にスリラー要素として選ばれたのではなく、それでなければ
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