チッコーネさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

チッコーネ

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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.5

自然災害(?)を基にしたドラマで、都会に乱立する建物が倒壊した景色を描く画面は作り込まれているものの、SFタッチではない。
しかしコメディ演出も、皆無。
大手ロッテ配給ながらジャンルや家族愛に逃げず、
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ヘンゼルとグレーテル(2007年製作の映画)

3.0

童話ベースの韓国ホラーで同時期の『赤い靴』、『シンデレラ』と並び称される作品。
『シンデレラ』はさておき『赤い靴』は悪くなかったが、本作も『トガニ』に先立つ意外な社会派タッチが後半に控えており、単なる
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.0

監督印のストップモーションが控え目な代わりに、人や料理などのクローズアップ撮影が頻出、場面転換にも多用されている。
役者が相手役でなく、カメラを眼前に演技している場面はかなり多め。
舞台となる古いアパ
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デス・ルーム(2006年製作の映画)

3.0

Jホラーが人気を博していた2000年代前半のプロジェクトなのか、日米のコラボで日本人プロデューサーが名を連ね、音楽は『リング』の川合憲次が担当。
『グレムリン』や『13日の金曜日』といった、日本でも大
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コンフィデンシャル/共助(2017年製作の映画)

3.0

イケメン×不細工なアジョシという組み合わせのバディ映画で、南北朝鮮の交流を活用した脚本。
アクションの山場は後半に2回ほどあり、カーチェイスと銃撃戦で見せる。
ある程度予定調和な展開であるが、期待も裏
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トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

3.5

朝鮮戦争を題材に取った作品、もっとコメディ寄りかと思いきや、シリアスな演出が優勢…、南北間の歩み寄りを焦点に揺さぶりをかける。
地上5人で戦闘機10数台に挑むアクション場面は、高低差が充分に感じられる
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素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

2.5

アメージングな菌類の生態については英BBC制作のドキュメンタリーで確認済み、本作の冒頭映像はBBCに倣うところが多く、幼稚な擬人化ナレーションにも辟易とさせられた。
しかし中盤から「幻覚きのこ」につい
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観相師 かんそうし(2013年製作の映画)

3.5

朝鮮王朝が第5~7代の王を迎える間に生じた動乱を、狂言回しの観相師を交えながら描いた歴史エンタメ大作…、冒頭からオーケストラ編成の劇伴が唸る。
最も優れているのは脚本。
文宗(キム・テウ)、端宗、世祖
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仮面の報酬(1949年製作の映画)

2.7

『ダーティハリー』監督ドン・シーゲルの初期作で、メキシコを舞台にしたサスペンス。
激しいカーチェイスと、元恋人にいきなり平手打ちを食らわすヒロインの直裁な挙動が見物。
水面に花を散らしたメキシコ高級ホ
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老ナルキソス(2022年製作の映画)

3.7

2000年代には「家族」をテーマに据えたゲイ映画が多く作られた。
ゲイが作ろうとする新たな家族のかたちと、その受容についての物語は、観衆を先導する力を持ち得ていたと思う。
しかし家族制度から拒絶された
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頑張れ!グムスン(2002年製作の映画)

3.2

2000年代前半の韓国映画で、ドタバタコメディ。
同時代のKホラーと違い、よそゆき顔なところは一切なくて、等身大のコリアンライフが戯画化されている。
加えてペ・ドゥナは夫に媚びず隷属もしないヒロイン像
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英雄都市(2018年製作の映画)

4.0

『犯罪都市』のカン・ユンソン監督作。
選挙を犯罪劇に仕立てる不謹慎なエンタメだが、サービス精神もたっぷりに練り上げられた脚本なので、憎めない。
主人公は暴力を自らに禁じた元ヤクザ、ゆえにアクション場面
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ディアスキン 鹿革の殺人鬼(2019年製作の映画)

3.5

真面目な役を演じていたらかなりダンディな主演のジャン・デュジャルダンのお陰で、意外に楽しく観進められる。
脚本はシュールで荒唐無稽、暴走する主人公の数日間を追う。
深読みする気も起きないが、無能なクセ
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グロリアの青春(2013年製作の映画)

3.5

熟年女性をヒロインに据えた映画ゆえ、さまざまな設定が味わい深く、新鮮に観える。
たくさんのカットが積み重ねられており、チリの政情からライフスタイルに至るまでの豊富な情報も伝わってきた。
情熱のこもった
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香港人肉厨房(1992年製作の映画)

3.5

恐らく日本国内でのソフト化が前後したせいで、『人肉饅頭』を彷彿とさせる邦題が付いたのだろうが、原題は『ドクター・ラム』。
前年に『Silence of Lamb』が公開されているので無理矢理なパクリな
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バニシング:未解決事件(2022年製作の映画)

3.0

韓国とフランスのコラボ作品で、監督とヒロインはフランス人、ロケ地は韓国。
脚本内に中国系マフィアの暗躍も絡んだ、臓器売買をめぐる刺激的なサスペンス。
ランニングタイムが短いので、編集もスピーディだった
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君といつまでも(1995年製作の映画)

2.7

ミレニアム前後のクラブで「薬を混入させた酒を飲ませ、女をかどわす」という事件は、少なからずあった(当時の私の知人は、同様の被害に遭っている)。
しかし本作、ハードなサスペンスというわけではない。
ひと
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カサンドロ リング上のドラァグクイーン(2023年製作の映画)

3.0

ルチャリブレのゲイレスラーについて殆ど知らなかったのだが、80年代末にデビューしUWAで活躍、人気者となりチャンピオンベルトさえ巻いた偉大な『カサンドロ』の、伝記映画(本人は現在休業中だが、まだ50代>>続きを読む

スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班(2017年製作の映画)

3.2

「お~、近年作でもこのテの韓国サスペンスはまだまだ健在なのだな」と嬉しくなった。
常軌を逸した所業を権力でもみ消そうとする悪 VS 正義(内部に裏切りあり)という脚本で、「苦い着地からもうひと山」とい
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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

3.0

「人体発火」という突飛な題材に、核や兵器開発への批判が振りかけられたSFホラー。
冒頭シークエンスに登場するカップルのスタイリングは、思い切り50's。
善良そうだが頭が悪そうでもある2人が惨劇に遭う
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事件記者(1959年製作の映画)

2.7

東映に『警視庁物語』シリーズがあれば日活には『事件記者』シリーズあり(ほかに『機動捜査班』シリーズも)。
もともとNHKのテレビドラマだった企画を受け継いだようで、ランニングタイムが短い。
しかし内容
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スキン・コレクター(2017年製作の映画)

3.7

ドイツ×カナダの珍しいコラボ作。
さほど期待せず観始めたのだが、ルッキズムの呪縛から逃れられない女の業がずっしり盛り込まれた、幻想的な語り口の医療ホラーで、『絶体の愛』や『ヘルター・スケルター』とは似
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公共の敵(2002年製作の映画)

3.7

後年に繋がる韓国サスペンスのエポック・メイキング作品は『殺人の追憶』かなぁと思っていたのだが、その1年前に本作があったことに驚かされる。
監督作は史実ベースの『シルミド』しか観ておらず、イム・グウォン
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警視庁物語 聞き込み(1960年製作の映画)

2.7

ランニングタイムは短いが、冒頭の警視庁本部庁舎入口を捉えたロングショット、転じて床→天井に設えたカメラで内部を見せる撮影は映画らしく重厚。
また山村總からこまどり姉妹までをチョイ役で贅沢に使っているほ
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リアル・フィクション(2000年製作の映画)

2.7

監督の初期作、「社会的弱者の現実逃避的な白日夢」といった態で作り込みも緩く、思いつきで撮ったような内容だが、実際の撮影も半日程度で終わらせたらしい。
しかし全体を振り返ると、何となく「復讐もの」の態で
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顔のない悪魔(1958年製作の映画)

3.5

「マーシャル・トンプソンの出ている映画、ないかしらん」という単純な理由で行き当たったが、彼がイギリスに招かれて撮った作品で、舞台はカナダという設定。
英ホラークラシックであり、ハマーの向こうを張ったア
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