itslikeweedさんの映画レビュー・感想・評価

itslikeweed

itslikeweed

映画(147)
ドラマ(1)
アニメ(0)

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.8

謎に書いてなかったやつ。
ラストは文字通り鳥肌が立ったけど、正直言うと前評判ほどの衝撃は受けなかった。
散りばめられたサブリミナル効果とかカメラワークとか至ってクールなんだけど、そこ止まりというか、ハ
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

-

記録

何度もチャレンジしたけど、満足する感想が書けなかった。
皮肉、愛、執着、自由。成長する者、しない者。
いつかまた観たいし言葉にしたい。そんな作品。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.6

・舞台は第二次世界大戦真っ只中のアメリカ
・主人公は原爆の生みの親
・その原爆が引き起こした広島長崎での悲劇

これだけの要素と共に製作を進めながらも、あくまで「歴史に翻弄された一人の物理学者の苦悩」
>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.4

たった数日間の儚く熱い愛の話。
二人の生涯において、その愛は一瞬だけの刹那的なものだったけれど、それは絵画のようにいつまでも脳内に留まり続けて、「振り返ってよ」と叫び続ける。
けれど、二人は振り返らな
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

視覚も聴覚も極限まで刺激される。
もはや暴力的なまでの究極の映画体験。

この通り"映画体験"としては満点に近いんだけど、肝心の内容が少々物足りなかったな…って感じ。
2時間45分という長さや、映像や
>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

公開日に観に行った。
ウェス・アンダーソンを喰らったウェス・アンダーソンの作品、って感じだった。
感想はいつかの二度目の時に書く。はず。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

反復的でどこか不変的にさえ感じる日々の中にも、移ろいゆくものは必ず存在する。
人の豊かさとは、お金で買えるものでも名誉や地位が示してくれるものでもなくて、その移ろいゆく全ての事物を逆らうことなく受け入
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.7

燦々と照りつける太陽。奇妙な踊り。背中に触れる大きな手と、ゆらゆら揺れる波の色。
もう二度と会えない人。
もう二度と過ごすことのできない日々。

あの頃、何気ないように思えた言葉も、些細に思えた出来事
>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.8

大好きな90年代中盤のこの雰囲気。
登場人物みんな美しくてクールなのに、恋愛だけはどこまでも不器用なのがすごく人間らしくて良かったな。
上手に恋する必要なんてないんだよ、って笑顔で語りかけてくれるよう
>>続きを読む

アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

4.5

少し風変わりな環境で育ってきたアメリは、きっと"普通の枠組み"から外れた存在なんだと思うし、自分には理解できない行動が多々あったのも事実。
だけど、それでいいんだよね。
その人にはその人の"正しさとか
>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

すぐに絶望してしまう僕たちの、帰る場所。
幸せで暖かく、揺らぐことのない。


夢、好奇心、ワクワク…
子どもの頃は息をするようにそばに居たはずなのに、大人になる-世の中の色々を知るたびに、これらはま
>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

オリヴィア・ワイルド演じるバニーの存在が非常に興味深かった。
彼女も主人公であるアリスと同様に"騙されている"という事実に気づいていたのに、逃げ出すどころか、笑顔でそれを受け入れていた。
なぜなら彼女
>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.9

ジャンニとニーノ。
運命的に出逢い、ごく自然と恋に落ちた、二人の美しき少年。
そんな彼らを待っていたのは冷酷な視線と止むことのない嘲笑。
二人の家族は二人を理解することも護ることせず、ただただ彼らを突
>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

どこか不安定で不穏な音楽
一見すると不要にも思える長回しのカット
大胆さと繊細さを兼ね備えた独特の映像美

挙げ始めればキリがないほど、この作品の中には「違和感」が散りばめられていて、そしてそれらは全
>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.5

裁けない罪。

我が子を奪われた親は何者にもなれる。
悪魔にだってなれるし、人を痛めつけることだってできる。容易にできる。
確かにケラーのしたことは許されないと思うし、裁かれて然るべきだとも思うけど、
>>続きを読む

ぼくは君たちを憎まないことにした(2022年製作の映画)

4.4

喪失は永遠ではない。
失ったものがどれだけ大切な存在であろうと、それは変わらない。
どうしたって匂いは薄れていくし、顔や声の記憶も少しずつぼやけていく。
無情にも進んでいく"時間"が、そうさせる。
>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.8

誰にでも出逢うべき人がいる。
でも、その存在は誰にも分からないし、教えてくれる人もいない。
大嫌いなあいつかもしれないし、たまたま拉致した相手かもしれない。
でももし出逢えたのなら、掴んだまま絶対に離
>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

10月29日に鑑賞。

「小気味よく淡々とした復讐劇」に見せかけた"深層心理追及型"の映画-
Xでも書いたけど、自分はこの結論に落ち着いた。

重苦しい雰囲気と映像のスタイリッシュさとを掛け合わせる感
>>続きを読む

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.1

もうすぐ14歳になる少年と16歳の少女
二人の脆くて儚いひと夏の物語

恋とか性とか色々なことに目覚めてくる頃、それぞれに悩みがあって、それでいて全てが鮮明に映る10代半ばのリアルな恋。
そんな情景を
>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.6

ちょうど2週間前にDolby Cinemaで観た。
嫌いじゃなかったし、なんなら視覚的にも聴覚的にも煌びやかでずっと楽しませて貰ったけど、自分にとっては少しコメディ要素が強すぎて置いて行かれた感はある
>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.8

優しくて温かなロードムービー。
最後の展開、別に大きな工夫も無いし何となく予想は出来てたのに泣いた。ボロボロに泣いた。

もうちょっとだけ生きてみようと思った。
最近色々あって本当に生きるのが辛くて、
>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

何者にも冒せない、宝石のような二人の日々。
終わらせたのは僕。全部僕。僕のせいなんだ。
12歳の少年が独りで背負うにはあまりに重たくて冷たい事実。
それを濁す事なくストレートに描き切った監督にはきっと
>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

ちょっとなあ。
ちょっと本当に重過ぎて感想書ける気がせん。
ニコラスと自分の環境が似てることも影響してるんだろうけど、ここまで映画を観て打ちのめされたのは『セブン』以来かもしれない。
というか多分『セ
>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.5

リョーハを観ていると祖父を思い出す。
思い出すとは言っても別に死んでるわけでも疎遠になってるわけでもない。

ただ、不器用で破茶滅茶で突拍子もないことばかり言うのに、嫌いになれない、寧ろ好きになってし
>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.3

挑戦する事、逃げない事の難しさ。
そしてそれを乗り越えた先に待つ景色。
しっかりとリアリティを持ってこの二つを映し出していたと思う。

評価が分かれてるっぽい(?)けど、『パターソン』にも通ずる柔らか
>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.7

誰もが罪を背負い、それでもどうにか前向きに生きようとする。
ただ、生きようとした先が必ずしも正しく美しいとは限らない。

重たく悲しいミステリでした。

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.4

ダニエルがいつからおかしかったのかは多分誰にも分からない。

H.Wが聴覚を失ってからなのか、弟の存在が嘘であったと知った時からなのか、はたまた黙々と発掘をしていた若かりし頃からなのか…。

いずれに
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

あそこでリョータが抜く事も、三井が決めるの事も、花道が空く事も、流川がそこを見つける事も…全部全部分かってるのに、知ってるのにぶわあって鳥肌立つんだもんなあ。
本当に凄かったです。

これでもかってく
>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.9

"気持ち悪さ"と"美しさ"の間を丁度よく映し出してくるのがA24作品だと(勝手に)思ってる人間なんですけど、この作品は「理解不能な気持ち悪さ」が大半を占めすぎていて、全く理解が追いつかなかったし、美点>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.5

家、苦しくて居心地の悪い空間。

心当たりのある場面だからこそ感じる苦しさ。
最期や別れを限りなくリアルに映すからこそ感じる苦しさ。

『わたしはロランス』と『マミー』以外はまだ鑑賞できてないけれど、
>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

3.7

「あなたは〈彼女〉を体験する」

本当にその通りで、映画とかドキュメンタリーとかの枠組みを軽々と超えて、本当に自分が「アンヌ」という一人の女性として、中絶が禁じられていたフランスでの『望まぬ妊娠』によ
>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.6

大胆なカットと、それを介しても鮮明に映る時間の経過。
だらしない二人の男とクールなエヴァ。
動かないカメラ。
ほんの少し逆を突いてくる言葉と展開。
全部がスタイリッシュにも見えるし、ぎこちなくも見える
>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.3

素敵な言葉で溢れた素敵な作品だったし、横浜流星はハマり役だったとも思うけど、逆に言えばそれ以外の印象はそこまでない。

ただ、「水墨画」というなかなか普段触れる機会のない芸術についての話であるものの、
>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

3.0

豪華、だけど色々と勿体無い。
これに尽きる。

コメディに消化しすぎてたせいで実話である優位性が消えてたし、語りで理解させようと台詞盛り沢山だったところも完全に逆効果。少なくとも俺は何度も混乱しかけた
>>続きを読む