雨傘裕介さんの映画レビュー・感想・評価

雨傘裕介

雨傘裕介

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

5.0

前作のような全編チェイスみたいな衝撃はないものの、あの世界がジョージ・ミラーーの監督作としてまた観れる興奮。メインビジュアルに出てこない「マックス的相棒」が出てきて驚いた。フュリオサの歩みを噛み締めて>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

正直、評価や批評を超えた、そういう客観性を拒否する作品なので評価というより感想を要求する作品だろう。そのため評点つけるなんて出来ないのでとりあえずの点数。
あらすじ以上のことは起こらないのだが、異常と
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.5

「フィクションで良かった」と思いつつ、現実には同じような境遇に陥った親御さんは何組もいるはずで、やはりどうしたってつらい。喜怒哀楽のうち、怒りと哀しみしかないような映画で、やるせなさともどかしさ、そし>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5

予告編で観られたガンアクション、銃器描写のこだわりに期待しつつ観たら安藤政信のハマりっぷりに驚きつつアバンタイトルの急展開に笑ってしまった。
鈴木亮平の再現力とガンアクションの格好よさで押し切られるが
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辰巳(2023年製作の映画)

4.0

法治国家じゃなさそうな地方都市で繰り広げられる半グレたちの争い。顔アップが多すぎて笑ってしまった。
しかし無国籍なロケーションと情緒で、レオンやグロリア、西部劇、そしてグラン・トリノを現代日本でやって
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

あらすじと予告でもっとドロっとした大人の恋愛、略奪愛を想像してたが思った以上にさらっとしていて、スマートな映画だった。
確かに男女同士のアプローチや関係としては気持ち悪さがあり、なよなよしたロマンチシ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃ面白かった。
あの時のオリバー・ストーンの映画のような熱量で3時間押し切るパワープレイ。胸を鷲掴みされてしまうような圧倒的な描写と圧力であった。こういうの観たくて映画館行ってるんだよね案件
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

4.5

昔ながらの?続編って感じでリブートや新解釈なんていらんかったんや!これが見たかったんや!と個人的には大満足です。評価はきっと高くないと思うけど……
知恵とユーモアで世界を救うフォーマットが大事にされつ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.5

傑作エンタメでした。脱帽。
金子修介監督の公開規模大きめ劇映画の新作ともなれば観に行かざるを得ないも公開二週目にして縮小ムード。でもそれなりにお客は入っていたので盛り返して欲しい。
オーソドックスで古
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.5

アカデミー賞に合わせて鑑賞。
あらすじを読んで勝手にドタバタコメディというか、Breaking Bad的な巻き込まれ系の話かと思いきや、わりと丁寧な家族と差別とを描く話だった。親の介護とか肉親の死とか
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

パルムドッグ賞に納得だワン。
面白かったんだけど、オープンエンディングとはいえなんか曖昧にしすぎて不親切レベルだなと思った。思い込み、先入観、属性への偏見、これらについての話だとして、殺人でなければ物
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.5

なぜか「ボーは〜」とハシゴしてしまい、落差で耳キーン。
原作は1話だけ読んで切った惜しい観客なので、予備知識ほぼゼロで臨んだ。
結果、まあバレーのボールがぐわんと飛んでくる気持ち良さとか、主人公が壁を
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

「親との対話」と「謎と思わせぶりな要素の散りばめ」に旧劇エヴァを観ているかのような体感であった。
とはいえあらゆるキャラクターと出来事があんまりすぎて笑い(苦笑)が込み上げてくる。ドタバタコメディと評
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

とても良かった。非常に良かった。
前作「ケイコ 目を澄ませて」における映画美学校的シネフィル演出がやや鼻についたものの、眼差しの抑制とリズム感、つまり撮影と美術と編集によって独特の劇性を産んでいた。
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

とても楽しい活劇だった。
生まれたばかりのイノセンスが成長に伴ってありとあらゆる「支配しようとしてくるもの」あるいは「支配そのもの」に翻弄され、それでもなお自由であり続けるためにどうすればいいのか、と
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黄龍の村(2021年製作の映画)

4.0

Netflixに来たのでやっと観た。観たいものを魅せてくれてさすがである。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

原作クラッシャーが話題のこの週末に観てきました。マンガ映画化ものはゴールデンカムイに続いての鑑賞。今作は最良のマンガ原作ものであったと思われる。
やはりどうしてもファンタジーで現実にはあり得ない「おと
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

父親が残した過去の映像から成長した娘が当時の真実を探るみたいな話かなと、いわゆる普通の劇映画を観る感じで前情報をもたずに観たら全然違うものだった。単純ではなく複雑で多義的で、それでいて起こっていること>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

「思ったよりは」良い、というのが大半の意見なんじゃないかと推察。大ヒットスペクタクルロマン活劇でなおかつキャラ立ちしまくりの漫画の映画化とくれば厳しい目線が注がれるものの、ハイロー的エクストリームアク>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

4.5

観よう観ようと思ってたらいつの間にか公開から10年経っていたシリーズ。素晴らしい潜入ヤクザものでした。
おそらく後世のノワールやバイオレンスムービーに影響を与えた要素などがたくさんあるな、と観ていて気
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.5

ポップな韓国映画なのかなと前情報無しで見たらゴリゴリの台湾映画で面食らった。そのせいか、何かひと昔のルックでひと昔の映画を観ているような気になった。ヒロインがどんどんキュートに見えてくるのはいいコメデ>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.5

2023年みうらじゅん賞を受賞していたので鑑賞w佳作でしたね。大きな破綻もなく、全く期待を裏切らない話運びで、見たいものを見せてくれた感じ。驚きや発見はないという。
やはり「チャイルド・プレイ」や「ペ
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.5

ちょうどいい尺でちょうどよく観れた。友情や感情をさりげなくそれでいて粋に描く巧さって韓国作品がいまトップクラスだなと。復讐の理由付けとなる友情描写がとても良かった。美術や撮影もスマートでした。
しかし
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.5

見応えがあり、テンポもよく、スケボー少年が相棒になっていく過程なんかは非常に気持ちが良い。2人の演技も素晴らしい。吉岡里帆さんが見事な視覚障害者の演技をされていた。ネジがちゃんと締まっている(By宇多>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.5

今みるべきかと思って観たけどまさにその通り。事実や情報を知っていたとしても、被害者に対して加害者、また加害者を擁護する者も、いかにおぞましく酷い考えと行動をとれるのかを知り、何より被害者がどれだけスポ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

岸井ゆきのさん、「神は見返りを求める」で素晴らしい女優さんだと気づいたが主演をつとめる今作でも素晴らしかった。ろう者というハンディキャップを主題としないキャラクターであり、周囲もそれを前面に描かない抑>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

要素が多い!多すぎる!にもかかわらず進行が早いので飽きずに観れる。
妖怪、田舎の因習、横溝的ミステリー、京極夏彦的バディもの、ゴシックホラー、戦争と復員兵、ゴーストバトル、悲恋、もはやあらゆる要素を詰
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(2023年製作の映画)

4.0

いや普通に面白かった。時代劇や大河のような正統派大作を期待してはいけない。
威張る者ほど情けなく失墜するし、野心を抱く者は叶わず無様に終わるし、人は憎み殺し合うしあっけなく死ぬ。破滅のロマンをロマンチ
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

原作がとても良く傑作と感じたので映画を観てきた。群像劇として構成された小説を、主演陣にフォーカスしていった結果、小説をなぞる構成になってしまい、立体感や多義性が失われてしまったのが残念。
しかしながら
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の島の等身大?ゴジラの絶望感と迫力がすごくて、これは楽しそう!と思うが主人公が気絶して目覚めたらゴジラが消えてる。なんとこの映画、主人公が気絶して目覚めたら状況が変わってるというくだりを4回もやる>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

長くてしんどかったが後から来るタイプのやつ。眠くなるタイミングでバイオレンスが来る天丼に笑ってしまった。

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.5

期待して観たけどそこまでではなかったという印象。タイムループものとして説明しろとは言わんが「なぜそれが今起こったのか」というロジックがないと、やりたいことのためのタイムループに堕してしまうのではないか>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

いつの間にか悪役にとってのシリアルキラー、ブギーマンと化したマッコールさん。冒頭からいきなり凄味を見せつけつつ、そのあとはお約束の「庇護すべき存在へ同化しかけたころに追ってくる暴力と悪意、それらを有無>>続きを読む

プロジェクトX トラクション(2023年製作の映画)

4.0

絵に書いたようなアホなパワータイプのグッドガイと絵に書いたような娘との確執を抱くジャッキーとの絵に書いたようなアクションを展開していく。なんで砂漠なのかとか石油がどのような意味を持つかとかはどうでもよ>>続きを読む