はむさんの映画レビュー・感想・評価

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ミッシング(2024年製作の映画)

3.9

当事者として間違って間違って苦しんでまた間違って苦しみぬく母親を演じる石原さとみの“母”そのものの表情と、傍観者として間違い続け、そのことに気づき壊れていく記者を演じる中村倫也の途方に暮れる表情、凄か>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.0

恋の始まり、成就、喪失の痛みをこんなに明快かつ感覚的に描くなんて!と痺れました
印象深いシーンがたくさんあるけど、カラオケのシーンの盛り上がりと裏階段でのドキドキがたまらなかったのと、とにかくりのが弾
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.4

その始まりからピリピリとした緊張を強いられる。何かが起こりそうで、でも何も起こらないようで…音や映像、記号のように繰り返される台詞の数々に惑わされる。わかったような気になっていてもやっぱり最後に覆され>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

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突如始まった侵攻に兵士も市民も大人も子供も赤ちゃんも動物たちも容赦なく奪われる生活、人生、そして命。仮設の墓地に築かれた死体の山を目にして何を思えば良いのか分からない。ただ現在進行形のこの事実を忘れな>>続きを読む

赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

3.9

ある思いを抱えたまま死んでしまった青年が人間への転生を目指し、縁結びの神様《月老》として人々の縁を繋いでいく

バカバカしいほどの笑いや復讐という名の執着、そして深い愛、その緩急に思わず涙

自分の大
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.9

水のないプールに偶然集まった4人の夏休みの一日
みんな自分のことしか考えられないようでいて、今自分を苦しめているこの世界のこと将来のこと、そして互いのことを見つめ、悩み、共感していく
遠くに野球部の声
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辰巳(2023年製作の映画)

3.8

確かに日本なのに日本ではないどこかのようで、泥臭いのに洗練されていて、湿度があるようで渇ききっていて…と不思議な質感の作品。
自分が誰かを救うことができるなんて微塵も思っていない、諦めと絶望に支配され
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リバウンド(2023年製作の映画)

3.8

たった6人の部員と新人コーチが全国大会で起こした奇跡

︎︎ ︎︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎コートの中だけじゃない、
この先続いていく人生も失敗とリバウンド(再挑戦)の連続なんだ ︎︎ ︎︎ ︎︎"︎

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異人たち(2023年製作の映画)

4.5

誰かを愛おしく思う気持ちや親と子の愛情、そんな深くて濃い愛が見えているのに私の心を占拠するのはとてつもなく大きな孤独という感情でした。登場人物たちから伝わる致死量を超えそうな孤独が観終わった今も心の底>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.9

リンダの願いを叶えるために母親のポレットをはじめ大人たちがどんどん壊れて自由になり、子供も大人も立場も何もかも境界線があやふやになっていく世界観がたまらなかった。大人と子供、リアルと自由の共存にワクワ>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

4.0

無邪気で陰りのない笑顔を貼り付けたまま人を殺しまくり、どこまでもどこまでも追ってくる謎の男。単純な善悪にカテゴライズできないその存在感はまさに"貴公子"そのもの。
誰が味方なのかわからない先の読めない
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.8

冒頭からドンドンと響く不気味な音、ぐるぐる回る景色、気味の悪い仮面に見たこともない奇妙な文字…舞台となる高級リゾート地は不穏な空気に覆われていく。その敷地から出たら最後、人間が人間でなくなる恐怖に取り>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

24年振りに再会した二人の間にある埋めることのできない大きな空白。その空白に収まりきらない様々な感情がラストシーンの静かな2分間に詰まっていた。
NYの街を歩き、語らい、見つめ合い、そうして出した二人
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

4.3

『WEEKEND ウィークエンド』
出会いから別れまでの2日間。たったこれだけの時間がそれぞれの心や記憶に大きなものを残していく、そんな恋の物語。
穏やかなラッセルと攻撃的なグレン、その性格の対比や徐
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.8

監督のインタビューに「ああ、こういう映画なんだ、と思って観ていたら最後にはまったく違うところに着地するような挑戦的な映画」とあったけど、まさにそれ。
移民問題や貧困の深刻さも描いた上で、キラキラした青
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.7

無敵の用心棒を演じるジェイクが見られただけで満足です。ジェイクが着てるシャツもいちいちカッコよくてツボでした。あとコナー・マクレガーが狂ってて最高でした。

ビニールハウス(2022年製作の映画)

4.0

主人公ムンジョンのささやかな希望や日常がじわじわと、でも確実に崩壊していく様子を事実を積み重ねながら淡々と描き、貧困や介護や孤独といったことが遠くにあるものではなく自分のすぐそばにある痛みであることを>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

壮大で独創的な映像と身体全体に響き渡る重厚で美しい音楽を浴びて脳が喜ぶ至福の体験。
ポールの戦士としての成長、心を通わせるチャニとの関係が描かれる前半から一転する後半、その光と影の対比が素晴らしかった
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

若い女性が無残に焼殺された事件。次々と現れる怪しい男たちの言葉や先入観に囚われて捜査にあたる男性捜査官たちに辟易としながらも、途中物語を動かす三人の女性の言葉に心を動かされた。人間の深部をあぶり出す絶>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

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家族であり主人であり、想像を超えた深いところでお互いに繋がっているからこそダグラスの為に戦うことは犬たちにとってこの上なく幸せなことなのだと頭では理解するのだけれど、彼らに人を襲わせることがどうしても>>続きを読む

FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

3.5

主な登場人物は交通事故を起こした裕福な加害者家族と貧しい被害者遺族。何だか2時間サスペンスドラマっぽいな、なんて思って観ているとどんどん不思議な展開が待っていて、その合間には常に色とりどりの料理が食卓>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.8

米軍曹長の命を救ったアフガン人の通訳者とその後タリバンから狙われる彼を救おうとする曹長。救った方も救われた方も陥る地獄や理不尽な現状にフォーカスし、二人の行動をドラマチックにしすぎない抑制の効いた描写>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.7

今回もまたマブリーの正義の鉄拳炸裂!殴る→手がかりを掴む→殴る→手がかりを掴む…と拳も捜査もスピード感が半端ない!!強力班のいつものメンバーがいないのは寂しかったけど、新たな仲間との新たな“真実の部屋>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.0

「七月と安生」では二人の関係に互いに補完し合うような濃密な愛情を感じたけど、本作のミソとハウンからは大好きだからこそ理解できたりすれ違ったりする親密な友情を感じました。どちらからも伝わってくる唯一無二>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

夫の転落死は事故か自殺か、それとも殺人か。容疑者となった妻の裁判で見せられるのは様々な人の口から語られる様々な夫婦の真実。証言や言い回し、表情ひとつで二転三転する法廷劇に引き込まれ惑わされた我々は一体>>続きを読む

ジェントルマン(2021年製作の映画)

3.8

洒落たスーツでカッコつけてるけどどうにも格好つかない怪しげな興信所社長のチュ・ジフン(好き!)と悪の成分100%の微笑みを浮かべたパク・ソンウンの知恵と力のぶつかり合いが楽しいクライムムービー
個人的
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.0

テキサスで昔何があったのかを尋ねると「その話は二度としないで」とルイーズに言われてテルマが「わかった。二度としない」と呟くシーンがすごく好き。魂で繋がる二人。こんな友達となら私も最後はあの選択をすると>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

異なる部分も多いのに観終わった時に抱く安心感のような穏やかな感情は原作と同じだった。
主な舞台となる栗田科学でのシーンがどれも良くて、主人公二人のことを色んな形で気遣う周囲の人たちが画面の中にいること
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

冒頭の二〇三高地の戦闘シーンで杉元が見せる生への執着や過酷すぎる狂気の世界、そしてアシㇼパと出会ってからの厳しくも威厳のある神秘的な生命の世界、それら全ての舞台となる北海道の雄大な自然…何もかもにゴー>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.9

朝鮮王朝時代の記録に残されているある世子の謎の死。その謎を“目撃”した盲目の鍼医ギョンスによって明らかにされる真実から片時も目が離せない、緊張感で張り詰めっぱなしの118分。
暗闇の演出が素晴らしかっ
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.6

この国の未来を担う若者たちの戦いに胸が熱くなりました!おびんたわら様の笑顔にはホッコリ♡面白かったでーす!

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

世界を知りたい、と冒険に出るベラがあの方法でしか世界を、そして人間を学べなかったのかとモヤる部分もあるので、あくまで主語は「女性」ではなくベラなのだと思い直したら、その成長や自我の発見は何とか納得でき>>続きを読む

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