はむさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.5

子供から大人へと成長する少女たち特有の痛み、気持ちより身体に支配されているかのような動物的な生々しさや残酷さ儚さが瑞々しく描かれる。
男性の存在感の希薄さも、彼女たちを悩ませ突き動かしてるのはあくまで
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.8

加害者“たち”の愚かしさ、真実の不確かさをあぶりだす大胆な構成と緻密なストーリーテリングに舌を巻く
そこには単に「最低な男たちに踏みつけにされた可哀想な女の話」ではなく、彼女を取り巻く人達や社会の仕組
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キャンディマン(2021年製作の映画)

4.5

怖い!!!
なかったことにできない負の歴史やそこと地続きの今をアートや影絵を効果的に用いて寓話的に痛烈に描いたズシンとくるホラー作品
火種はそこかしこ、自分たちの足元に潜んでいるんだぞ、忘れるなよ、と
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

ちさととまひろ、女子高生殺し屋2人の社会人修行
自分ができることできないこと、自分が自分でいられる道を見つけることは殺し屋だろうと誰だろうと難しい
それを逃げずにちゃんと悩んで模索する2人が愛おしかっ
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G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021年製作の映画)

3.0

父親を殺した男への復讐に生きる男スネークアイズ
彼の腕を見込んだ闇の組織、忍びの集団、暗躍するテロ集団…そして闘いの舞台は日本へ!
久しぶりに見た不思議の国ニッポンもお城も忍者も楽しかった!イコさん可
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守護教師(2018年製作の映画)

3.5

行方不明の女子高生、そこに体育教師として赴任してきた元ボクシングチャンピオンのマ・ドンソク
物語に新鮮味はなかったけれど、冒頭から漂い続ける不穏さとドンソク兄貴の不器用さ、優しさ、有無を言わさない強さ
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

ドキュメンタリーディレクターの由宇子
そのフラットな物言いや立ち居振る舞いに、ついつい彼女の視点に立ち、彼女の“側”で物語に感情移入していく
その由宇子が突如当事者となった時、彼女の緊張や苦悩がこちら
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ザ・トリップ(2021年製作の映画)

3.6

お互いに相手を殺す計画を企てている夫婦がやってきた別荘
そこで起こるグダグダの夫婦喧嘩、そして予期せぬ来訪者の襲撃で血の海と化す山小屋…
ビシバシ投下されるグロさと緻密な伏線回収、展開の滑稽さに笑っち
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Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

4.5

自分のこと、居場所を知っていてくれる人
自分が持っているものを躊躇なく与えられる相手
人間は綺麗に生きることも死ぬことも出来ないからこそ理屈じゃなく衝動で助け合える、欠けた部分を補い合う関係のかけがえ
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未成年(2018年製作の映画)

3.0

自分のことで手一杯の大人たちと、そんな大人を観察し気遣い、自分なりの正義を実践する子供たちの対比が情けないような面白いような、不思議な作品だった。

ていうかキム・ユンソク~!超最低な大人!でもって監
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

ワームやオーニソプター、保水スーツ、フレメンの人々、そして何よりアラキスという砂の惑星の姿…想像を遥かに超えたものが目の前に現れワクワクが止まらなかった。
物語はこれから。ポールの覚醒、成長、砂の惑星
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ポネット(1996年製作の映画)

4.0

大好きなママの死を受け入れることができず、ひたすらママを待ち続ける4歳のポネット
悲しむことをやめさせてあげたい大人たちの気持ちも、「ママのために悲しむの」というポネットの気持ちも間違いじゃないから切
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CUBE(1997年製作の映画)

3.5

目覚めたら謎の立方体に閉じ込められていた男女の脱出劇
閉鎖空間で続く極限状態の中で見えてくる人間の愚かさは、果たしてCUBEの中だけのものだと言えるのか
人生や世界の縮図を見せられたような何とも言えな
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ガールフッド(2014年製作の映画)

4.0

人種や貧困…様々な壁が立ちはだかる中16歳のマリエムがようやく見つけた自分の居場所と更に厳しい未来
少女達がキラキラと輝く美しいシーンと不安を描く暗闇のコントラストが絶妙
どんな時も自分が決めた未来を
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.2

自分に自信が持てず、踏み出したり深く関わることで失うことを恐れる若者と、彼のそばで彼と同じように恐れ苦しみもがきながら背中を押す大人たち、そして皆に訪れる旅立ち…
こんなに良い映画だったっけ?と思いな
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

5.0

これまでと異なる表情や佇まいから、それまで身にまとってきた虚勢や重たい鎧を脱ぎ捨て、初めて自分の為に闘う姿と彼が心から求めていたものを見た気がして涙が出た。
ダニエル・クレイグによるジェームズ・ボンド
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プラン9・フロム・アウター・スペース(1959年製作の映画)

-

ふわふわ飛んでるUFOに息切れするゾンビ、人間に殴られて負けちゃう宇宙人…私の人生の中で一番ツッコミ続けた78分でした。疲れた~🙂
でもね、地球人の過ちや愚かさを正したい宇宙人、いやエド・ウッドの気持
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クリスマス・ ウォーズ(2020年製作の映画)

4.0

メル・ギブソンがサンタというだけで観る前から95点だったけど、何だか嫌いになれない極悪非道な殺し屋との対決も最高だったし、“良い子にしていなかった”ク〇ガキの悪役ぶりも良かったしで、きっかりまるっと1>>続きを読む

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.8

自分のことが嫌い、何かが足りない…そうやって生きる世界に絶望してもすぐそばにいる人となら目の前の小さな世界くらいは変えていける、そしてそこから世界は広がっていく、そんな希望を感じた
丁寧に紡がれる言葉
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.0

怒りと悲しみの宿った瞳、おとぼけ無し、言葉少なめのステイサムに痺れまくり!!
低く唸る銃声が肝臓、肺、脾臓、そして心臓に響き渡りました!
オジオジオジ、激シブのオジ達による超骨太ハードボイルドアクショ
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

4.0

19世紀のベトナム、顔も知らない大地主の元に嫁いできた14歳のメイ
心も体もまだ子供のメイが第一夫人、第二夫人らに導かれ自らの子をその腕に抱く様に生命の力強さというよりむしろ儚い死を感じた
霞がかった
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恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

4.2

一流ホテルのシェフだった父親、高校教師の長女、キャリアウーマンの次女、大学生の三女。
日曜の夜は父が朝から用意した豪華な料理を四人で囲むのがこの家のルール。
四人とも自分の心の内を明かせない重苦しい晩
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逢びき(1945年製作の映画)

4.0

駅の待合室。思いつめた様子で見つめ合う男女。そこに何も知らないおしゃべりな友人がやって来て別れの時間を台無しにする…
冒頭のこのシーンから主人公ローラの独白のような形での回想の物語が始まる。

夫も子
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.5

仮釈放期間終了まであと3日というコリンが目撃した警官による黒人男性の射殺事件
そこから彼の心に取り憑いた後悔と恐怖がラップの韻に乗せられた時、その悲痛な叫びが私の心にも侵食してくる
自分の解釈したいよ
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.9

つくづく救うことに大人とか子供とか関係ないなと。大人だってどうにもならない何もできないことがある
だけど誰かの一言、寄り添う笑顔…ふとした拍子に救われることもたまにある
期間は短くても出会って関わりあ
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EVA エヴァ(2011年製作の映画)

3.3

2041年。ロボット科学者のアレックスと子供型ロボットのモデルの少女エヴァの物語
アレックスの身の回りを世話するロボット、猫のロボット(可愛い)…感情豊かな“高性能な”ロボットたち
人間の意に沿わない
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ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

3.0

2011年
株式相場を今より0.001秒速く繋ぐ為のプロジェクトに全てを捧げる男たちの物語
最先端のシステムの構築に必要なものが果てしなく泥臭い作業である所が面白い
0.001秒の為に命を燃やす主人公
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獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

2.1

デンマークの小さな漁村に父と病気の母と3人で暮らすマリー
何故か周囲に疎まれる家族
ある時からマリーの身体に恐ろしい変化が…
北欧ならではの色彩の淡さや冷え冷えとした雰囲気は好み…なんだけど物語自体、
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.6

絶望を抱えながら社会に踏みにじられる人、周囲に軽んじられる人、大事な人に蔑まれる人
ぬかるんだ道を歩くような、重苦しい彼らの毎日、そのリアルな表現に目を背けたくなる
ところが思わぬ所で突破口と救いが現
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.5

子供の時に観たかったー!
そうすれば大きなカエルもチョークで描いた扉もお母さんの病気を治すためのおまじないも、彼女が地下の王国のお姫様なんてことにも、もっとドキドキしていたのに!と思う
そしてその頃の
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.7

第一次世界大戦後のパリ
帰還兵のアルベールは仕事も恋人も失い、エドゥアールは顔に負った怪我で言葉を話すことができない
二人は共に世間や宿敵の相手に対する復讐を企てるが…
エドゥアールが被る芸術的なマス
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.0

東ベルリンに暮らすアレックス
社会主義に傾倒する母親が意識不明の間に統一したドイツの現状を、彼女の身体が心配で知らせることができないアレックスは彼女の為に“偽の東ドイツ”を作り出す
母を想ってついた無
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楽園の夜(2019年製作の映画)

4.0

組織に追われる男と、全てを諦めた女が心を通わす
死を覚悟した二人に与えられた平穏な日々
展開に意外性はないものの、これはラスト数分間の為の2時間だったと思えるくらい、ある人物の表情が素晴らしかった
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コンクリート・カウボーイ: 本当の僕は(2020年製作の映画)

2.4

退学処分になった15歳のコールが連れてこられた父親の家はフィラデルフィアの黒人カウボーイのコミュニティ
気難しい馬や昔の仲間、大人たちが直面する厳しい現実に触れ少しずつ成長するコールとイドリス・エルバ
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

3.3

どうしても途中で寝落ちしちゃう夫のせいで3日かけて鑑賞~ロンドンでのカーチェイスがね、あとサモアのシバタウがね、カッコよかったですよね!!( ゚∀゚)ハァーハッハッハッハ!!