はむさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

人生は、美しい(2022年製作の映画)

4.0

余命宣告をされた妻とその夫が辿る二人の軌跡、、とともすれば悲しくつらいだけになりそうな物語をとびきり楽しくキラキラに描くミュージカル映画。若い頃の二人もリュ・スンリョンとヨム・ジョンアが演じることで誰>>続きを読む

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.3

議論は脱線に脱線を重ね、鬱積した個々の不満が爆発する17分1カットの集会シーンは物語の当事者のみならず、この世界、この社会、私たちの目の前に等しく迫り来る苛烈な現実を明示する。
観る者の薄っぺらい正義
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

タイトル通り全くもって想像以上に死なない伝説の老兵アアタミ・コルピが奪われたものを取り返すために1本のツルハシと不屈のSISU魂を武器に敵を殺して殺して殺しまくる!
アアタミおじいちゃんの殺戮方法がと
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

4.3

「人類は何のために存在するのか?」
その問に対する美しい解がこの作品にあるような気がします。
タンさんが見つけたこの答えは代わり映えのしない日常をまるで遠くから届く星の明かりのように輝かせてくれるもの
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.0

す教育や社会との繋がりを奪われてきた女性記者たちがスマホの電源を入れアルファベットを綴るところから学ぶ姿が何とももどかしい。
だけと彼女たちは考えている。自分の頭で。
ジャーナリストとして、人として女
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

鑑賞後もずっと登場人物たちの会話、ちょっとした視線や行動が頭から離れない。
石油利権をめぐる白人たちによる先住民の搾取、という大きな物語に緻密に潜んでいる細やかで多面的な人間ドラマに唸る206分。
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.8

シスター ヴァラク待望の復活~!
寄宿学校を舞台にあっちやこっち、手を替え品を替え出没する大サービスに歓喜♡宿敵シスター・アイリーンをはじめ、怯えながらも戦うその他の女性陣も良き。ヴァラクをやっつける
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.7

こんな奴イヤだわ~嫌いだわ~…と心の中で繰り返す毒づきが次々と自分に返ってくる。でもその毒を飲み込んで気持ち悪くなって吐き出して全てめちゃくちゃになったところでとんでもなく癒された。自分自身の病いを自>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

序盤からつきまとう違和感
マッコールさんがいつもと違う…

思わぬ相手から負った傷で動けなくなり、杖をつくマッコールさん
温かい人たちとの交流を深めるマッコールさん
そんな人たちの目の前で悪者を懲らし
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.6

親友を死に追いやったヤツらに復讐していくオクジェ。元警護員のスキルを活かし独り立ち向かうオクジェの迷いのない感じが良い。
敵役のキム・ジフンの変態っぷりとリーダーの“あの人”のムキムキオールバックポロ
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ハント(2022年製作の映画)

3.9

1980年代という韓国にとっての激動の時代。何度も繰り返し描かれてきたこの時代に翻弄され、もがき苦しむ男たちの生き様にまたしてもやられてしまった。
絶妙な泥臭さと息のつまるアクションと心理戦、陰影を効
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

カー・フー?ドッグ・フー??なんのこっちゃ!途切れることなく攻め立ててくる怒涛のバトルに途中からほぼトランス状態に。お気に入りはラウンドアバウトのカオスと屋内で俯瞰で見せるとんでもアクションの数々。>>続きを読む

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.8

上映中ずーっと「ヒョンビン、カッコイイィィィィ!!!」と心の中で叫びまくり。銃弾を避けながら転がる姿も柱の影で銃を構える姿も、なんならグイグイ迫るユナちゃんに戸惑う姿ももれなく脳内でスロー再生されてウ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

実話をもとにした、ど直球なスポ根サクセスストーリー。
リアルとゲームの世界を行き来するような時速320kmのカーレースの臨場感をIMAXで浴びる興奮!
主人公の青年ヤンと彼を取り巻く大人たちとの衝突や
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.2

門脇麦さんは絶妙なバランスで人間の狡さや弱さを表現できる役者だと思う。そんな彼女が演じた綿子の他人と向き合わない感じからずっと目が離せなかった。
このピリつく空気感味わったことがある、この不快な肌触り
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.8

何でもかんでも手当り次第にガブガブ食べちゃうメグちゃん大好き。最近サメ映画を観ると、サメさん!愚かな人間たち全員食べちゃってー!とか思っちゃいます(お腹壊しちゃうかもだけど)
欲を言うならステイサムを
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復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.6

記憶がなくなる前に復讐を果たそうとする認知症の老人の黒く燃えたぎる執念の炎。
仲の良い若者を巻き込んだり、派手な赤いポルシェを使ったりと、多少違和感を感じたものの80代の老人を演じきる俳優イ・ソンミン
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.6

その美貌が皇妃として妻として母としての存在意義だったエリザベートが“平民なら平均寿命”の40歳になる。毎日不機嫌で疲れていて、ともすれば自分勝手にも見える彼女が最後に出した答えに、誰かに決められた自分>>続きを読む

わたしたちの国立西洋美術館~奇跡のコレクションの舞台裏~(2023年製作の映画)

3.4

整備のため休館となった西美の1年半の記録。所蔵品の修復など職員たちの多岐にわたる活動はもちろん、美術品を取扱う運搬・工事業者のプロの仕事も興味深かった。そしてその活動の全てが芸術を守り伝える世界中の美>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.5

前半は卒業前の高校生ソヒが実習生として働きながら少しずつ、でも確実に心をすり減らしていく様子に衝撃を受け、後半は起こった悲劇を解明しようとするペ・ドゥナ演じる刑事と共に心が怒りで一杯になる。そしてラス>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.9

火の女の子エンバーと水の青年ウェイドの恋を見て、自分と違うところを理解しようとすること、その違いを好きになること、それが人との繋がりの喜びであり幸せなのかなぁと思った。
夏休みの子供たちで一杯の劇場で
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バービー(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

バービーランドに残ったバービーたち、特にケンたちはあの結末の後どうなるのかな?「自分は自分だ!」って思えた先はどうなるのかな?本当にハッピーなのかな?そもそもグレタ・ガーウィグ監督は一体誰にこの作品を>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.3

人間が「痛み」を感じなくなった未来。人前で身体を傷付け、切り開くアートの何と理知的で何と官能的なことか。そのグロテスクさに欲望が介在することがすんなり腑に落ちてしまう自分にもビックリ。これがクローネン>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.7

すべてを観終えた瞬間、プロローグとエピローグがカチリと音を立ててはまり、50年もの間ずっと変わらない蝶衣の想いが私の心になだれ込んできた気がした。
「覇王別姫」の中でしか生きられなかった運命を全うした
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.8

楽しかったー!ギュンギュン言いながらのトランスフォームほんと大好き!主人公ノアとミラージュの友情やら90sの空気感爆上がりのサントラも良き!欲を言えば新キャラのビーストたちの戦いっぷりがもっと見たかっ>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

団地やその近くの林の雰囲気、子供たちの間に通じ合う不思議な力や彼らと大人たちの近くて遠い繊細な距離感、そしてラストカットの切れ味…何もかも大好き!なはずなのに序盤の猫のシーンがつらすぎてそこに気持ちが>>続きを読む

古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

3.8

時代も国も違う3人の王子の物語をそれぞれ異なる手法で描くその魔法のような美しい映像はまさに眼福。
逆境を自分の力で跳ね返す王子たちの明快で真っ当な言葉の一つ一つが耳に心地良く、世の中をシンプルに眺めた
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裸足になって(2022年製作の映画)

3.8

イスラム国家のアルジェリア。内戦、暴力や抑圧、差別で傷を負った女たちの心に封じ込められていた声なき声がダンスとなって昇華される瞬間、その力強い輝きに息をのむ。これが彼女たちの闘い方なのだと思った。
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

永遠だと思っていたものが壊れる瞬間の呆気なさ、そこで生まれた喪失感や罪悪感に苛まれる少年の心の機微が容赦なく流れる季節の移ろいと共に残酷なまでに美しく描かれる。

レオは、ギプスの取れた腕のように再生
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

バイクでの飛び降りに暴走列車上での死闘、そしてお約束のトム走り…次から次へと繰り出される体を張ったアクションに興奮し、鑑賞後プロダクションノートで知った常にこちら(観客)側を向き続けるトムの情熱に感動>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.9

「他人に怒りをぶつけても良いか」
そんな様々な問い対し賛否様々な意見を出し合う生徒たち、それらを俯瞰で観察するまとめ役の生徒、そして全ての意見を否定することなく生徒たちの「考える力」「理解する力」「反
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.8

軽快にスクーターを走らせるラッセル・クロウを見た瞬間「この映画、好き…!」となって、そのでっかくて広い背中に“頼りになる悪魔祓いの神父さま”感が満ちあふれていてワクワクが止まりませんでした🥰
恐ろしい
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人狼村 史上最悪の田舎(2011年製作の映画)

3.4

久しぶりに故郷の村に戻ったら、村に伝わる呪いを解く為の生贄されそうに!羊好きの旧友、役に立たない仕事仲間、そして最高のバディ、犬のヴィトと共にモフモフの狼男たちと戦うのだー!おばあちゃん強し!火薬も多>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.3

パンフレットに「実際の裁判記録をそのまま台詞に使った」とあって納得。
法廷劇においての計算された台詞に導かれるドラマチックな結末などは全くなく、論理的ではなかったり辻褄が合わなかったりといった証言の中
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.5

団地の雰囲気、ペヤングなど場地と千冬の出会いのエピソードが好きでした。
タケミチが戻る前の「血のハロウィン」と戻った後の「血のハロウィン」、結果は大きく変わったけど、その過程にはタケミチの無鉄砲さやそ
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