rensaurusさんの映画レビュー・感想・評価

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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.7

この映画を否定してやりたい気持ちと抱きしめたい気持ちに揺れる。

一見、物質主義やハイクラスビジネスマンを揶揄したような映像だが、普遍的な人間の痛みや苦悩をきちんと描いていて刺さる。一つの真理を示して
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.7

ありがとう(泣)優しい(泣)

思春期に伴って複雑化する感情を見事に視覚化し、最後には自分の感情が自分自身を優しく抱擁してくれる。世界で一番優しい場所が自分自身の中にあるという凄まじい安堵感。溢れ出る
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

良いぃぃぃいーーー!良いぃぃね!

無駄のない良質なエンタメ。口数も派手さも最小限。一時間半でまとめるという潔さ。

「死ぬ」という選択肢を完全に捨てた男が、ただ死なない。

強いわけでも、速いわけで
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

終始ストレスフル。ホラー、サイコスリラーで話が進んでいき、後半はガンアクションにジャンルが変わっていくというダイナミックさはありつつも、黒沢清特有の気持ち悪さが最後の最後まで持続していて最悪だった。い>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.6

自分の中の何かが共鳴していてものすごく惹きつけられた。無意識の中に押し付け、無視し続けている何かが、もはや黙ったままではいてくれないような。

世界から時間も場所も切り離されたようなホテル&カジノで、
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.4

ホラーサスペンスであり、ヒューマンドラマであり、叙述トリック的などんでん返しでもあると。形容しきれない不思議な温かさがあるのはシャマラン監督にしか出せない特別な魔法か。

作家性の濃い内容でかつ、ジャ
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

4.5

前作『ビートルジュース』未見ながら行ってみました。もうめっちゃくちゃ。でもこういうのが観たかった!

ティム・バートンの世界観・デザインはもちろんのこと、CGやクレイアニメーションと特殊メイクを駆使し
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.6

いいねぇぇぇ愛おしすぎて笑っちゃうよね

大好きなものに触れられない、きっと傷つけてしまうから…という切ない胸の苦しみが、ティム・バートン独特のデザイン・世界観と『フランケンシュタイン』的な物語を踏襲
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.2

「介護者と被介護者」として接するのではなく「人と人」として交流する様子が月並みだが美しかった。

事故によって障害を抱えてしまったことや、閉口してしまうほどの悲劇に遭っていたことを躊躇いもなく笑い飛ば
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.8

シリーズいち異質な作品。

「俺たちのローガン!X-MEN!」という気持ちで見始めると、それを見事に裏切ってくる入りからして、何かイレギュラーな作品であることが漂う。とにかくタッチが違う。時系列も詳細
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

4.8

生き生きとしたアニメーションに釘付けになる。1秒も目を離したくない。瞬きさえ惜しい。そういう気持ちを覚えさせる素晴らしい職人仕事が施されたことがビシビシ伝わる。

ロマンってこういうことだよなというか
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X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)

4.5

ラストのカタルシス!シリーズに今までなかった「いけぇぇぇぇぇ!!!」と叫びたくなるようなクライマックスが初めて用意されていて、シリーズを追ってきたからこそめちゃくちゃ気持ちよかった!

X-MENシリ
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X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

4.3

旧3部作と、前日譚になる『ファースト・ジェネレーション』を有機的に繋げることでそれぞれのキャラクターに連続性と厚みが生まれた。

矛盾点や気になる点はあれど、それを補って余りあるストーリーの全体像のデ
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ウルヴァリン: SAMURAI(2013年製作の映画)

4.5

たのちい(^ q ^)
ヒュー・ジャックマンの力なのかは分からないが、本編よりスピンオフの方が楽しく見れてしまうX-MENシリーズ。

トンデモジャパンや変な台詞回しが出て来そうな「サムライ」という副
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X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

4.0

旧3部作で関係性があったチャールズとエリックの若き日を、キューバ危機の裏側で繰り広げるという創意に満ちた作品。

ミュータントという存在があまり認知されていない時代が舞台ということもあり、ミュータント
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X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年製作の映画)

3.8

ミュータントを人間にする「キュア」が出てくる今作は、「ミュータントであること自体に善悪はない」という正しさだけでなく、「ミュータントであることで苦しんできた人にとっては人間になりたい人もいる」という正>>続きを読む

ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年製作の映画)

4.5

旧3部作とは全く雰囲気が違うスピンオフ。
楽しすぎるし、悲しすぎる!

全編通してアクションが豊富かつ質が良いのでエンタメとしての強度が凄まじい。旧3部作を見た後に見ると画面の迫力、CGの進化、構図の
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プレデター(1987年製作の映画)

3.7

前半でプレデターと対峙する側の強さを示し、後半で一人ずつバタバタと倒していき、ラストでシュワちゃんとの一騎討ちという構成が王道でありながら天晴れ。

前半はかなりお金を使っていそうなアクションシーンで
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.8

Jホラー×健康体男児の新しさと、清水崇監督ならではの恐怖表現の探究が観られて面白かった。

よく運動していてまあまあの体格があるGENERATIONSのメンバーが怯えることで物理的にも精神的にも抗い難
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X-MEN2(2003年製作の映画)

3.8

ミュータントである子供と、そうではない親との間の不和が印象的な二作目。

我が子がミュータントであることが許せないストライカーがヴィランとなりミュータントの粛清を目論む。

アイスマンが家族にミュータ
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X-メン(2000年製作の映画)

3.8

ナチスのゲットーに隔離されるシーンから始まることからもうこの作品の持つ差別・迫害のテーマを感じられるし、当時の空気感からか、観客に舐められないヒーロー映画にしようという気概も見える。

ウルヴァリンと
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市子(2023年製作の映画)

4.1

法律の歪み、貧困、虐待、難病と、不運と呼ぶにはあまりにも重く理不尽な境遇にあって、それでも「市子」として生きたいと願う市子の悲痛さが胸を締め付けた。

なぜこんなに苦しまなくてはならないのか、どうにか
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.4

注文していたものがちゃんと届いた感じ。しかも思っていたより良かったから嬉しくなっちゃう

冒頭からテクノロジーが喪失感や孤独を紛らわせる装置として描かれていて、人間関係やコミュニケーションにどの程度ま
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

アニメーションアクションと、マリオの独特な世界観というヴィジュアル表現においては途轍もないクオリティを叩き出していたが、ストーリーや設定に難があることは否めないよねと。

そもそもがストーリーよりもゲ
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.6

画のインパクト。これだけでかなり見応えがあったし、『幸せは誰かの犠牲の上に成り立っている』という一貫したテーマで繰り広げられる奇怪な事件の応酬が楽しかった。怖面白い。

主演の古川琴音さんがすごく良い
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仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

4.0

日本の梅雨のジメジメした気候だけでもかなりの不快感があるのに、水回りの気持ち悪い湿り気に加え、幼少期の見捨てられ体験からくる不安感、寂寞感も重ねることでよりどんよりした、尾を引く恐怖が生まれている傑作>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

キャラデザと原素というパッとしない設定で食指が伸びづらいが、見てみれば上質なラブストーリーと美しすぎるアニメーションで期待以上のものを見せてくれる作品。

PIXARでほぼ初めてのラブストーリーかつ、
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

4.3

マックイーンの人生、ひいては『カーズ』シリーズの主題に真摯に向き合っていて且つ車への愛情と遊び心も詰まった胸が熱くなる作品でした!

ライトニング・マックイーンが選手生命を脅かすような大きなクラッシュ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.2

知能指数が高くないからこそ、愚直に考え、短絡的に数多く行動することができ、持ち前の集中力、走力、定型動作の実行力を最大限に発揮できるフォレスト・ガンプ。

何の作為も思想も伴わない『今=自分』に根差し
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

デザインはフェティッシュで美しく、東南アジアをフィーチャーしたロケーションもエキゾチックで、それらが融合した新しいのにどこか馴染みのある風景と、監督特有の美意識が行き届いた画作りが素晴らしかった。>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

4.3

やっぱり好きなの。ドゥニ・ヴィルヌーヴ。

母なる「支配」に重なる蜘蛛のモチーフと、「もう一人の自分」との対立の描き方が上手い。というか表現を試みている感じが好き。きちんと『映画』してる。電線やらガラ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.7

アイデンティティの確立に向かう『序章』のみを丹精に描いた作品。物語的にはまだまだ不完全燃焼の一作ですが、私個人として、ヴィルヌーヴの作品に人間的な生理が近いという感覚もあり、いつまでも浸っていたい世界>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

紛うことなき現代の神話。母の支配と先導によって青年が『英雄になる』という運命を歩み出す。力を持つこと、信仰の対象になること。つまりは『支配する者になること』の清濁併せ飲んだ巨大な意味とエネルギーが最高>>続きを読む

ヘラクレス(1997年製作の映画)

3.9

ギリシャ神話を元に、ゴスペルでミュージカルコメディをやり、ヘラクレスをハリウッドスターに見立てたり、キャラクターデザインには一捻り加えてみたりとアイデアとエンタメ要素がよく練られた意欲作。ポップで楽し>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

5.0

完璧だ…。めちゃくちゃ好き。

宇宙船の中にエイリアンがいる状況が何かに似ているなと思ったら、部屋にゴキブリが出たときの状況と全く同じなんですよ。いやマジで。(笑)それの宇宙版です。

「うわぁ!気持
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

4.9

スペースオペラでこんなにも愛憎の渦巻いた悲劇を描けるのはスターウォーズだけ。

アナキンが愛に狂っていく様が本当に悲しい。そしてオーダー66という一大事変も重なり、途轍もない喪失感に迫られる。

ハイ
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