rensaurusさんの映画レビュー・感想・評価

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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.1

デザインはフェティッシュで美しく、東南アジアをフィーチャーしたロケーションもエキゾチックで、それらが融合した新しいのにどこか馴染みのある風景と、監督特有の美意識が行き届いた画作りが素晴らしかった。>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

4.3

やっぱり好きなの。ドゥニ・ヴィルヌーヴ。

母なる「支配」に重なる蜘蛛のモチーフと、「もう一人の自分」との対立の描き方が上手い。というか表現を試みている感じが好き。きちんと『映画』してる。電線やらガラ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.7

アイデンティティの確立に向かう『序章』のみを丹精に描いた作品。物語的にはまだまだ不完全燃焼の一作ですが、私個人として、ヴィルヌーヴの作品に人間的な生理が近いという感覚もあり、いつまでも浸っていたい世界>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

紛うことなき現代の神話。母の支配と先導によって青年が『英雄になる』という運命を歩み出す。力を持つこと、信仰の対象になること。つまりは『支配する者になること』の清濁併せ飲んだ巨大な意味とエネルギーが最高>>続きを読む

ヘラクレス(1997年製作の映画)

4.0

ギリシャ神話を元に、ゴスペルでミュージカルコメディをやり、ヘラクレスをハリウッドスターに見立てたり、キャラクターデザインには一捻り加えてみたりとアイデアとエンタメ要素がよく練られた意欲作。ポップで楽し>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

5.0

完璧だ…。めちゃくちゃ好き。

宇宙船の中にエイリアンがいる状況が何かに似ているなと思ったら、部屋にゴキブリが出たときの状況と全く同じなんですよ。いやマジで。(笑)それの宇宙版です。

「うわぁ!気持
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

4.9

スペースオペラでこんなにも愛憎の渦巻いた悲劇を描けるのはスターウォーズだけ。

アナキンが愛に狂っていく様が本当に悲しい。そしてオーダー66という一大事変も重なり、途轍もない喪失感に迫られる。

ハイ
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

4.6

10年ですっかり拗らせ悪ガキに成長してしまったアナキン。オビ=ワンのチクチク上司感と、アナキンへの不信感を隠しきれていない評議会を見ると、こうなるのもしゃあないわなと思えてしまう。

アナキンとパドメ
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

4.6

あの3部作の後々にこれでプリクエルが始まるの、結構チャレンジングだよな。

政治色が強く、ミディクロリアンやジェダイ評議会などの新要素が当たり前のように出て来る。

あの世界観の説得力が増してリアリテ
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.4

きっつぅぅぅ…。きち〜〜〜。
サスペンスとしては序盤から犯人が明確になる構成なのに全編見応えがあり、晴れない憎しみが残る、どす黒い映画。

チ・ヨンミン(ハ・ジョンウ)のすっとぼけ感、何もかもを小馬鹿
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

4.6

逃れられない新自由主義、実力主義、資本主義の社会構造が教育現場を圧迫し続けることを縮図のように表した作品。殺伐とした光景を見つめると、悲しみの奥にどうしようもない空虚さがあるように感じる。

エヴァよ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.4

自分にはまだとても受け止めきれない映画だった。

レナードが30年もの硬直状態から目覚めるという奇跡的な体験を、本当に目の当たりにしているようで、言い表せない感情でいっぱいになった。

また、目覚めた
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リング(1998年製作の映画)

4.3

呪いを刻まれるものと捉え、時間や共感による治癒がもし叶ったとしても、そこにある呪いは何をしようが消えないという恐怖が面白い。

何かしらの力を持ったシヅ子が、彼女に「興味と関心」を持った人々によって苦
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.7

「人生意味不明なことだらけだけど何とかなる」というスコットのモノローグで設定の粗もごまかしつつ、アントマンらしい軽快さも演出できるという発明で、なんかイイ感じな作品。

量子空間も、期待は超えないけど
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アメリ(2001年製作の映画)

4.8

ふとした時に湧いて出た愛が、巡り巡って自分に帰って来るような物語。これを、奇跡のようなものではなく、なるべくしてなったという確かな運命の物語として語ってくれたところが素晴らしかった。

想像力が最大の
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.6

キャラクターと俳優の同一視に一抹の違和感を感じて躊躇っていた本作。思っていたより悪くなかったし、シュリが兄の死を受け入れることができたラストには感動したのだが、それ以前に映画として引っ掛かるものがある>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.8

ささやかな自立心が愛しい。

子供だからダメ、大人は正しい。こんな幻想も蹴散らしてくれる気がします。

怖いと思っていることがあったとしても、それもまた幻想。いざその場になってみて、何てことはなかった
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ジャングル・ブック(1967年製作の映画)

3.6

『The Bare Necessity』『I Wanna Be Like You』の主要2曲が素晴らし過ぎることと対照に、かっちりしないストーリー展開にぬかるんだ印象がある作品。

狼に育てられたモー
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ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)

4.8

ナンセンス文学特有の『意味のなさ』、『作為のなさ』が気持ち良い。そしてそれをディズニーなりのアニメーションに落とし込み、一本の長編作品としてやりきった心意気にまで拍手を送りたくなる作品。

空想癖のあ
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白雪姫(1937年製作の映画)

4.5

スッゲェェェーーーッッッ!!!なんじゃこりゃ!!!???1937年にコレ!!??そりゃ今なお語り継がれますわ。ずっと面白くて見ていられるのがすごい。

印象的だったのは、あまりにも純粋無垢な白雪姫と、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

儚い人生なのだから、自分の幸せを満たすことを第一にして穏やかに過ごしていてもいいじゃないの。ゆるやかに流れる時の中に、確かな実在感を覚える作品。

この作品ではカットと場面転換が効果的に使われていて、
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ピーター・パン(1953年製作の映画)

4.5

『童心の素晴らしさ』と『子供の怖さ』をどちらも内包した名作。

まずは何と言っても登場する子供たちがピーター・パンという存在を、信じて疑っていないという点。何かを根拠なく信じていられるというのは童心の
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ターザン(1999年製作の映画)

4.7

『本能の滾り』。ああ、俺生きてるんだな。とさえ感じさせられてしまう圧倒的な躍動感。本能が喜ぶのを是非感じてほしい。

本能から湧き上がるものをありありと描き出し、大自然の中を颯爽と駆け抜ける極上の3D
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.6

ギャング映画を美学ムンムンのピカレスクロマンではなく、ありのままの粗暴さで映し出し、テンポの良いカットによる話運びと徐ろに始まる不穏なシーンの応酬、そしてロックの名曲の劇伴によって、かつてない凶悪さと>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.2

序盤から中盤まではブラックコメディ調なクライムサスペンスでケラケラ笑い、綾野剛が出てきてからは一対一のサバイバルアクションを展開。しかし、ただでは終わらず、どこまで行くの!?みたいな作品。

テンポ良
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.7

面白過ぎる。天才か?あぁ、天才か…

肝心のサメがほとんど映っていないにも関わらず最初から最後の最後まで緊張感を保ち切り、ドキドキハラハラしっぱなしの2時間。演出、撮影、劇伴、SE、さりげないセリフな
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.0

ロジャー・ディーキンスの手により、前二作を遥かに凌駕する映像美が与えられ、さらには鏡写しになる敵との戦いが描かれる脚本であることから、ボンドに死の匂いが漂っているという、「美と死」を纏った色気のある作>>続きを読む

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.7

前作でドライだなぁ…と思っていたらカラッカラが極まったロケーションでクライマックスを迎える二作目。

アヴァンの擬似早撃ち対決が繰り広げられるアクションを始めとして、前作よりアクションが良くなった印象
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.5

007はスマートで色気のあるシリーズだと思っていたら無骨でドライで無鉄砲なジェームズ・ボンドが出てきて普通に面食らってしまいました。映像、絵作り、演出、アクションに至ってもどこか色気が無く、「これじゃ>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.4

ルーニー・マーラ演じるリスベットが好き過ぎる。反社会的でありながら知性が滲み出ているというギャップ。素行不良や過激なファッションなどは、心の傷を受けたことによる反作用と、ミソジニー的な社会への怒りから>>続きを読む

ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.8

アイデンティティの部分を引っ張る内省的な内容かと思いきや、同時進行で本来の所属先の動向を見せることでかなり序盤から主人公の来歴は予想できる構造になっており、醍醐味であるアクションと共に、本来の自分を知>>続きを読む

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

3.8

風呂敷をきちんと畳みつつ、主要キャラをどんどん死なせるシビアさを見せる、気の引き締まった作品。さらに、シリーズのメインテーマは「死を受け入れること」であることが浮かび上がり、これまた児童文学にしては気>>続きを読む

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年製作の映画)

3.9

ヴォルデモートを倒すための、「しんどさ」が一貫して描かれた鬱回。それでも、ささやかな結婚式を挙げたり、めげないように踊ったり、仲間を弔ったりと、気持ちで負けないように踏ん張る様子が労しく、今作の特色に>>続きを読む

ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年製作の映画)

3.9

妙に印象に残る冒頭5分、テンポ良く挟まれる冴えたギャグ、後半の衝撃展開と、ダレることが無い印象の今作。

マルフォイやスネイプにスポットライトが当たり、「半純血のプリンス」という一つの謎を一作で膨らま
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

3.8

ハリーの、ヴォルデモート関連でピリピリし、チョウ・チャン関連でニヤニヤする情緒不安定っぷりが存分に堪能できる今作。

ルーナは可愛いわ、アンブリッジはウザいわ、父ジェームズがクズだと分かるわ、ブラック
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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

3.8

オープニングのワールドカップ会場のテントで、「魔法って最高!」と改まって言うハリーが可愛い。ハリーアンチ過ぎて「Potter Stinks」というバッヂを校内にばら撒くネガキャンを始めるマルフォイ。企>>続きを読む