rensaurusさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ラマになった王様(2000年製作の映画)

3.7

南米でコメディとかいうディズニーにしては攻めた長編アニメーション。
馬鹿馬鹿しさと微笑ましさの塩梅が丁度良く、品の良さもあるので安心して笑える。

わがままな王様がその素行からラマにされ、善良な市民と
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

黒人・白人間の差別の深淵を見てしまったという衝撃。

身体的特徴の明らかな差異が存在することを自分はどう捉えているのか、相手はどう思っているか。無意識、潜在意識、自意識に至るまで、ホラーが侵食してくる
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.6

この映画を観る前の『予想される観たいもの』を最大限に利用した、思わぬ展開を見せる映画で、あらゆる意味で衝撃体験になる作品だった。往年の名作と歴史を見事にフリにした作品とも言える。

大迫力で高品質な映
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.5

創作物や、創作そのものへの愛と熱意が端々から感じられる、『オタク讃歌』な映画。どれだけ愛があるかがゲーム攻略の鍵を握るというのも、オタクであるほど今作が面白くなるという点において構造の一致があり、面白>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.0

リビドーの暴走が恐ろしいホラー映画!
老婆が恐くて醜くて気持ち悪いけど、心情を思うと哀れみと虚しさを感じざるを得ない。ラストは衝撃的な気持ち良さで大興奮だったが、やはりやり場のない感情が残る。さすがは
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くまのプーさん 完全保存版(1977年製作の映画)

4.5

まともなお友だちが1人もいないカオス空間が広がるという、『癒し』と『狂気』の狭間に位置する作品。

子供とぬいぐるみが遊んでいる様子を本にし、その本をナレーターが読んでいるという設定もさることながら、
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リロ&スティッチ(2002年製作の映画)

4.5

何故か懐かしさを感じるハワイの文化の良さが味わえるし、背景の水彩画の暖かみと、エルヴィス・プレスリーのセンセーショナルな音楽が印象的。

親の愛を知らないリロとスティッチが、孤独や破壊衝動を抱えながら
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.7

前作よりビターで、過去・現在・未来を見つめて前進する勇気を貰える作品。偉大すぎる前作の気になったポイントをうまく回収しつつ、大人が共感できるような痛みを伴った成長が描かれる。

『Some Thing
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.7

『真実の愛』は「自分より相手を想うこと」と解釈できることから、「姉妹愛」も『真実の愛』であるということを高らかに示した大大大傑作。それだけではなく、孤独、自己欺瞞、愛情、自由、閉ざした心と開いた心など>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.5

ディズニーの実写化の中でも原作を損なうことない世界観や、原作を上回る脚本への加筆が見られる、限りなく有意義な実写化作品。

街並みや装飾は一層ゴージャスになることでスケールが増し、楽曲も原曲より遊びの
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アラジン(1992年製作の映画)

4.6

ランプの精・ジーニーの存在感でエンターテイメント色が強く、軽快で楽しい作品になっているだけではなく、アラジン・ジャスミン双方に焦点が当たっていることによって男女どちらから見ても乗りやすい作品になってい>>続きを読む

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

4.6

今見ても、脚本の完成度の高さと、アニメーションの質の高さ、そして楽曲の素晴らしさに驚かされる不朽の名作。

アリエルの海中での髪の動きや、地上での豊かな表情はリアリティやエネルギーに溢れていて魅力的だ
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.4

歌声がとにかく素晴らしい。彼女の歌をまた聴きたいと思ってしまうような圧倒的歌唱力でした。

王子が「歌声が忘れられない」と言うのも大納得の奇跡の歌声で、彼女が歌えば漏れなく鳥肌が立ちます!ポリコレがあ
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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

4.0

最低で最高!
『男たちがバカをする』ということを極限まで膨らませたような作品。

主要人物一人一人がキャラ立っているし、脚本も飽きさせない。そして、何だかんだで上手くいってしまうところもハッピーで良い
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名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

3.7

冒頭はやたら作画が良く、掴みがバッチリ決まっている今作。

赤井さん、安室さんの対立がある一方で、対黒の組織となるとコナンをサポートしてくれるという胸アツな展開は、素直に乗れる。

キュラソーというキ
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

4.3

何が、どこまでが、本当なのかが全く分からないが、『父との和解』がテーマであることはずっしりと伝わるという形容し難い不思議な映画。

整合性とか、現実味とか、理由とか、カッチリしていないということが妙に
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.0

開幕から気合が入ったアニメーションでグッと引き込まれる…!キャラ数の増加や利害などで複雑化してきた相関関係によって、登場人物一人一人に円熟味が増してきたことや、最新技術を駆使したトリックの数々、映画に>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.3

少年時代の利害関係が全くない友情や、狭い世界ながらも感動や危機が溢れていて充実感があった日々がフラッシュバックし、寂寥感や喪失感を覚える作品。

ただ、少年時代が輝くのは多くの場合大人になってからであ
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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

3.6

推理が二転三転していく展開と、ある事実の判明が印象的な作品。

狙撃をテーマにしたこともあって、外国人がかなり幅を利かせていたため、「誰やねん」「知らんがな」と気持ちが離れてしまうことが少しあった。
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名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)(2009年製作の映画)

3.6

推理パートがかなり論理的かつ鋭い感覚のものでとてもよかったのだが、アクションシーンがその感覚を置いてけぼりにした非現実なものだったため、リアリティの落差に困惑してしまった。

それでも、切ない犯行動機
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.7

コナンと哀ちゃんの妙に熟した関係が最高。頭脳を信頼していたり、以心伝心でやりとりしたり、なんだかんだでお互い心配していたり。

FBIや赤井ファミリーを巻き込んだ複雑な頭脳戦が楽しかった。

蘭が危機
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名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)

3.3

コナンとキッドのバディものという軸と、園子京極のラブロマンスとしての軸で楽しめる内容。

不法入国早々、何故か日焼けをしているコナンくんがめちゃくちゃ気になって序盤は違和感が拭えませんでした。

キッ
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.9

トリプルフェイスの安室透というファジーな立ち位置の人物が、利害が一致しなければ敵に、利害が一致すれば味方になるという構造を生み出してくれ、物語の行末がより不確かになるというワクワク感が堪らない!

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名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

4.0

お見事!
洗練された90分!

ミステリーモノとして、あらゆる現場の情報を収集し、冷静な視点からの考察を楽しみながらも、次のシーンには手に汗握る豪快なアクションがあるというこの温度差!

そして最後に
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MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

2.9

中国への目配せが露呈しまくっていることが逆に新しいモンパニもの。

巨大水槽に齧り付くシーンや、ビーチでの大量捕食シーン、モササウルスさながらの水上ジャンプ捕食シーンなど、巨大ザメにやらせたいシーンを
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.0

キングの遺伝子が色濃く表れた、『ジュブナイル』×『超能力』×『ホラー』の合わせ技に、不思議な居心地の良さを感じる映画でした。加えて、思わぬ仕掛けが用意され、気づかぬ内にクライマックスを盛り上げる組み立>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

Netflixで最も高額な製作費である2億ドルを使い、007のようなフランチャイズを目指しているだけあって、アクションシーンがとにかく最高。

プラハのシークエンスはやりたい放題のド派手な爆破が多く、
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

ともすれば自分も…という恐怖と同時に、抑圧を全てぶっ放す気持ち良さがある映画。しかしそのあとには漠然としたシニシズムと空虚な美しさしか残らず、観賞後は不穏な後を引く。

「善悪も、悲劇か喜劇かも、主観
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.7

解釈に幅があって、画は美しく、変に理屈をこねずに映像や演出で、深層心理にまで訴えかけられて、気味の悪さを感じることができる。

細かいこだわりで考察も捗るし、アイコニックなイメージが何度も登場する、奥
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最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

4.2

フィンチは、人の気持ちが痛いほど分かるからこそ、落ち込んだ人の心の奥底まで手を差し伸べられるし、普通に生きていたら忘れてしまいがちな世界の素晴らしさにも気づくこともできるが、その繊細さゆえに、「より自>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.7

重厚感と没入感が魅力。曇天にじとじと雨粒が降り注ぐ情景に現れるように、ダークで陰鬱な雰囲気が漂っており、雨の日の休日に持って来いの映画になっている。復讐に燃える若きブルース・ウェインが、ゴッサムに赤い>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.2

孤独、反体制、改造された悲しみ、という仮面ライダーの構造を、現代に再解釈しつつ、肩身の狭いおじさんに、ノスタルジーというユートピアを。そして、庵野秀明節を効かせながら若年層へのアプローチを目指した作品>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.7

現代社会は、あらゆるものが記号化され、服装、家具、イデオロギー、肉体、知識、教養に至るまで、あらゆる物が私たちに「本当のあなたになれ」と消費を強いており、もはや我々の自己実現と消費は不可分であり、ボー>>続きを読む

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

3.6

正義感という名の心臓が、赤黒くて、どろどろとした熱情を、毛細血管の端々まで隈無く走らせたような、生々しさと力強さがある作品で、作り手の労力とエネルギーが横溢しており、圧倒されてしまった。

その圧倒が
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.5

恋愛映画であり、反戦主義であり、魔法ファンタジーであり、宮崎駿の自叙伝でもあるという幾多の軸が交錯しているストーリー展開なのでただボーッと観ている人は訳が分からないこと請け負いの映画。

ラストでは晦
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.5

終戦後10年以上も収容所に閉じ込められると言う理不尽。国という組織、軍隊という組織は生存本能から争うことを止めず、虚栄に塗れて経済発展に拍車をかける。ソ連は共産主義を掲げながら、人種や役職には優劣や制>>続きを読む