れおさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

舟を編む(2013年製作の映画)

4.0

「同僚と仲良く打ち解けるにはどのように言葉をかけたら良いだろうか。」「好きな人に自分の気持ちを真っ直ぐに伝えるにはどのような方法を取れば良いのだろうか。」口下手で不器用な男性がこれらの問題に真剣に立ち>>続きを読む

ハルフウェイ(2008年製作の映画)

3.7

東京に進学しようと頑張っている彼氏に、寂しいから行かないでぇ〜と、駄々をこねてる少し面倒くさい彼女。

でもストーリーはそんなに波乱が有る訳でもなく、恋と将来の夢というか希望との狭間に揺れてる様を描い
>>続きを読む

上京ものがたり(2012年製作の映画)

4.0

自分が誰かに大丈夫と言ってもらうことよりも自分で自分を大丈夫な人にすることを描いている。

ひとりきりでなんにもなくて人が恋しくて、お金がなくて仕事もなくて見渡せば同じ年頃の東京の女の子はみんな綺麗で
>>続きを読む

殯の森(2007年製作の映画)

4.0

ただ単純に『自分の感情を出してはいけないと感じながら生きる』ということの辛さが、少なくとも感覚的には理解できる…という人にしか分からない映画だと思った。

普通の人間であれば言葉なり感情なりで表現する
>>続きを読む

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

4.1

東京って「何でもありすぎる」んだと思う。仕事も娯楽もチャンスもピンチも有り余っている。「何もない」がない街。

人間とは曖昧だから、自分や他人にあるものもないものもある。それこそ昼と夜が混在するブルー
>>続きを読む

今日子と修一の場合(2013年製作の映画)

3.3

東日本大震災、理不尽に婚家を追い出される今日子、父親を殺害して少年院を出所して来た修一…どれも一つの映画として成り立ちそうな要素だったのが勿体ない。

最後に二人が被災者住宅を訪ねていく場面で、「そう
>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.4

楽しいって何だろう。幸せって何だろう。ひとりで楽しむことはできるし、いきたいところにも行ける。ひとりでも全然生きていける。でも、そんな中でも会社に好きな上司がいたり、日常で素敵な人に出会ったりもっと幸>>続きを読む

タロウのバカ(2019年製作の映画)

4.1

実際に私の知らないところで、ネグレクトによるタロウのような存在はいて、エージのような行き場のないやつはいて、常識はあるんだろうけど彼らとしか生きた心地がしないでいるスギオはいて、どうして彼らのような存>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.4

愛のカタチが多様であるということを知ってもらいたい。

当事者である高校生の思いが高揚したところで突然映画が終わる。「この問題に答えを出すのはあなたです」と言わんばかりに幕を閉じる。エンドロールでは「
>>続きを読む

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

4.0

相手の立場とか収入とか、そういう損得勘定抜きでそのひとがすきと言える人は大人には案外少数なのではと思う。
でもそうありたいっていう気持ちのある人はきっといっぱいいてそういう人は二人の関係に、どこか憧れ
>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.2

〝思い出せないことと、忘れられないこととが、⼈⽣そのものをかたどっているように思います。過去にしがみつくではなく、過去を無かったことにするではなく、全ての地続きに今があると信じています。あらゆる⼈の⼈>>続きを読む

ラヂオの時間(1997年製作の映画)

4.0

登場人物すべての人が自分のこだわりがあって自分のことしか考えてないけど気が付いたら一つになってラジオドラマを作り上げていくのが面白い。
勘違い、思い込み、自己主張の中で素晴らしい番組が出来上がってしま
>>続きを読む

小さいおうち(2013年製作の映画)

4.0

「明治」「大正」「昭和」と、あの時代を生きた女性たちの凛とした美しさの後ろ側にあった想いを感じる作品。

今の時代の若者には物足りなく感じるかもしれないけど「すべてを言わない」その後ろにあるものを感じ
>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.1

日常に埋もれっぱなしでいる時、無性に涙が止まらなくなるけど言葉にするには深すぎるような淋しさを絶妙なテンションで見せてる映画。

恋愛なんて無くてもいいと思っているけど、みんなやってるなら楽しいんだろ
>>続きを読む

書くが、まま(2018年製作の映画)

4.1

淡く、ギラギラしてなく、ノスタルジックでちょうど良い。長すぎず、短すぎず、映画の尺もちょうど良かった。

先生に似合わないよ、こんな言葉

主演の中村守里さんは内に秘めたフラストレーションを表現するの
>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.2

41歳で自殺した佐藤泰志原作の映画化。

感情とその表現の仕方が痛くて心に迫ってきて、目が離せないというか、心を鷲掴みにされたような印象。そうそう、それ痛いよね、どうしようもないよね、ああ、痛いという
>>続きを読む

蜜のあわれ(2016年製作の映画)

4.0

金魚も幽霊も生きてる人間も、過去の思い出も過去の人もみんな同じ時空間に存在できて、絡まりながら過ぎていく。

他人には言わない大切にしている物や事を思うときこんな世界が頭の中をめぐっているような気がし
>>続きを読む

青天の霹靂(2013年製作の映画)

4.2

母に捨てられ父は失踪し、売れないマジシャンの主人公がタイムスリップして、若き日の父母に会う。父とコンビを組んで、今まで経験したことのない歓声と高揚感を得る。そして、自分は捨てられたのではないと気付く。>>続きを読む

いつか輝いていた彼女は(2018年製作の映画)

4.1

残酷なほどに時間はあっという間に過ぎ去って、いつの間にか陰口を言い合えたあの距離すら愛おしくなるから、この時間に感じた負の感情も、希望も挫折も全て受け入れてようやく大人になれるのだろう。

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.2

宮本がヒロインを『俺の女』にするまでの話。序盤、ヒロインの家に押し入ったヒモ男の前で啖呵を切る事で物語は始まる。
そして主人公は、男が女に出来る事の全てを、やって退けるのである。彼女を苦しめた男性器を
>>続きを読む

ストロベリーショートケイクス(2006年製作の映画)

3.9

個人的に見ていて一番痛々しかったのは秋代。デリヘル嬢という職業も好きな人との関係も、何だか全てが見ていて痛かったな、、切ないっていうのを通り越していた。

ただ、この秋代だけでなく主人公である4人の女
>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

4.3

セックスの後の、あれほどまでに切ない「好きだよ」と「ありがとう」なんてあるのだろうか。

ヤングアダルトにエイリアンズ、ヴィレヴァンに公園。下北沢や高円寺、渋谷といった街並みに青春が裾を引っ張る。だか
>>続きを読む

ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.5

目標も特に無くただただ生きて行く毎日を壊して、夢のような世界を見せてくれたハウルと出会い生きる喜びと楽しさを知る。
とても良い内容なのでは、、。

今の時代、何故頑張らなくてはいけないか、何故生きなく
>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.5

ちょっとした過去も今も大したことは無いかもしれないねれど、この映画の主人公のOLにとっては重要な出来事。
もしかしたら映画としては観る人によってはつまんない、平凡なことと映るかもしれない。でもそこがこ
>>続きを読む

スパゲティコード・ラブ(2021年製作の映画)

4.3

困った時に感じるSNSのフォロワー5000人の価値とか、援交紛いのことをして収入を得ている自分の価値とか、自分には音楽しかとか、思いを断ち切る為の願掛けとか、写真家としての思いとか、東京に対する思いと>>続きを読む

イザイホウ(1966年製作の映画)

4.5

あの時代にあって強い自然崇拝や神女ましてや風葬がなされていたことは意識の根幹が全く違う 日本であって日本に含めたらいけない尊厳がそこにはある気がした。

沖縄といえば海かと思いきや観ていてずっと風を感
>>続きを読む

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

4.1

雑音は聞かずに自分が望む生き方をしたいもんだ。とはいえ周りからどう思われたいかも含め望む生き方な気もするので難しい。

男女共に自由に生きたい今の時代、選択肢は色々あっていい。結婚したら幸せが当たり前
>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.8

自分の期待値が高かったのか、悪くはなかったけど思ったほど、、、という印象。

森山未來が20歳くらいから46歳までをナチュラルに違和感なく演じていて素人ながら改めて彼の凄さに脱帽。伊藤沙莉は森山未來に
>>続きを読む

ブルーハーツが聴こえる(2016年製作の映画)

3.9

ラブレター、少年の詩は明るさと切なさが同居。ハンマーは「ああ、そうだよね」と共感。ジョウネツノバラは恐ろしくおぞましかった。歌の内容とは対極にあるように感じた。諦めきれない男の末路。「永遠なのか、本当>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

子供の頃は戦争体験者の方の話を聞ける授業や、原爆投下や終戦記念日には毎年記念番組が放映されていた。しかし当時はどこか他人事で実際は戦争の怖さも何もかもきっと学んではいなかったんだと思う。

去年、広島
>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.0

アニメなどに愛情を注ぐ人がいる点では何もAIに愛を感じる人がいても不思議ではない。これからはある意味ではもっと現実的にこんなことありえると感じる。

考えを変えれば人間同士でさえ異性なのか同性なのかは
>>続きを読む

セトウツミ(2016年製作の映画)

4.0

菅田将暉演じるセトと池松壮亮演じるウツミのふたりの高校生が川岸で無駄話をするだけのお話し。何も大事件は起こらないし(セトの猫が死ぬことくらい)、ロマンスもないし(中条あゆみさん出てくるのに)、男子ふた>>続きを読む

ペタル ダンス(2012年製作の映画)

4.0

4人の現代女性の心象風景を丁寧に綴った作品。宮崎あおい、安藤サクラ、忽那汐里ら女優陣の役作りも上手かった。
その中でも特筆すべきは、素子役の安藤サクラさんの演技ではないかと思う。また衣装の色が抑制的で
>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.1

単に、目的達成の為に孤独になった父と子を描いているわけで、ワーカホリックなサラリーマンのパパと息子でも構わない内容。SFである必要は無い気がする。

「断絶した父に会いに行くロードムービー」といった感
>>続きを読む

センター・オブ・ジ・アース(2008年製作の映画)

4.1

小さい子と家族みんなで視聴という条件ならば間違いなくお勧め。と言うか明らかにそれに特化した作り。

だから、細かい事はなんにも考えないで、主人公達と一緒に地底の神秘的で不思議な世界や、大昔に滅んだ筈の
>>続きを読む

ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記(2007年製作の映画)

4.4

内容はパート1の流れとほぼ一緒で、延々と続く謎解きに悪役がからみ、最後は壮大な仕掛けで冒険し、お宝大発見。
個人的にはディープ・パープル「イン・ロック」ジャケでしか見たことのなかった
ラシュモア山の全
>>続きを読む