監督がこの作品を撮った後に亡くなられていることや、リスペクトしている俳優が何人も出演されているせいで、現実とこのストーリーが私の頭の中ではぐちゃぐちゃになってしまった。それは正しい鑑賞の仕方ではないけ>>続きを読む
ぬいぐるみを放り出してしまう小さな子供たちの「むにゃむにゃ」や、嵐電や宮沢賢治の銀河鉄道を思い出すような「ごうごう」。ときどき差し込まれる泡が弾けるような音。
この監督には、わたしたちが聞き流してしま>>続きを読む
カテリーナ・ゴルベワがもう存在しないことがさらに辛くなるほど素敵なのに、だんだんと影が薄くなるように溶け込んでしまって、まだどこかにいるような気持ちにもなった。
喋り方も好き。口が小さすぎるのか、口を>>続きを読む
道に迷うと不安なのに少しワクワクしていて、その後知っている場所に出られると、なぜかちょっとガッカリしていることがあるので、自分がよくわからない。
主人公はもう家に帰れないような気がするけれど、それも幸>>続きを読む
とても辛いストーリーだったが、終盤のジム・オルークが流れているシーンで、悲しみや厳しい現実が全部浄化されていくような気持ちになった。何かが発酵しているようにも見えたのだけれれども。
過去に「ここに境界があるな」と、なんとなくわかることが何度かあった。少しだけ怖いように感じたけれど、案外普通のことだったのかもしれないと、この作品を観たら思えてきた。
鑑賞中眠くなったわけではないが>>続きを読む
ワンシーンだけの出演者が多すぎて、その都度気が散ってしまった。でも篠原篤が出てきた時はとっても嬉しくてこのシーンは終盤にするべきだと思った。
アーケードで踊る2人の背後に世界観の歌声が響いていた瞬間が>>続きを読む
3話目が監督の初期の作品にどこか似ていて好きだった。2人の落ち着いた口調や、やや都下のような風景も影響していたのかもしれない。
2人が駅に戻って別れるまでのシーンが心地良く、自分がこれまでに知り合って>>続きを読む
訪れることのできないはずの十二滝町に来る願いが叶ってしまった。雪解け道とかカーブとか。
私にとってはそのための作品のような気がして、まるで夢の中の事みたいだった。
佐々木と一緒にいる時間がとっても好きだけど、でもきっと佐々木のようにはなりたくないと思っている。なのに自分の方が小さく感じる..そんな矛盾に苛立ちを感じてどうしたらいいのか悩んでいて、そしてその感情を>>続きを読む
夜と明け方の渋谷や新宿というだけで、もうあっさり向こう側に行ってしまうのだけど、感動とはまた少し違うヒリヒリした何かをもらったような…。
もう存在しないはずのあれこれはどうやって撮ったのか考えるのも面>>続きを読む
「男たちの別れ」の時はただただ気持ちよくて怖いくらいだったのに、この作品では喪失感が凄すぎて、今だに感想にまとめられない。
crossroadの看板が映し出された瞬間に凍りついてしまった。あの頃店名>>続きを読む
日常の中で目にとまったのに流してしまったことや、場所や物体にやどる誰かの記憶が丁寧に拾い集められているような時間。
葬儀で小さなお皿に取り分けたお寿司を外に持ち出して2人で分け合うシーンがいいなあ。>>続きを読む
終盤で妹島が模型を持って事務所内をウロウロしながら何か独り言のようにつぶやき続けていて、もうエンドロールかなと思ったら本当にそうだった。その姿に彼女がどれほど建築に人生を捧げてきたのかが重なって(勝手>>続きを読む
上映後のトークショーで、いちこの視力について質問された時の監督の反応が涙が出るほど可笑しかった。
いや、違うかな。時間差でやりきれなさが襲ってきたのかもしれない。
舞台を観ているように感じていたら、わりと正しかったことが後からわかった。
櫻井拓也の俳優としての価値をしっかりと残してくれた作品だと思う。出演している映画を2本しか観ていないのにそう確信するほど、彼の儚さや強さや怖さや脆さ美しさ…が、あの風貌とやさしい口調からもたらされてい>>続きを読む
やっぱり3人の中で一番好きだと再確認する。
すごく昔、青山のカフェのベランダの席でお茶を飲んでいたら、そこにコシミハルと一緒に来店されたけれど混んでいて帰ってしまわれたこと思い出した。2階を見上げた>>続きを読む
なかなか面白かったけれど。
最後まで自分の中に苦しさが続いた。
この業界から離れて正解だったとか、逆に素晴らしい作品を沢山残せている人が羨ましいとかいろいろな感情によるのだが、でも苦しさの原因は他に>>続きを読む
昔はあんなにも心の拠り所だった村上作品を最近はあまり読まなくなっていた。それでもこの1時間は作品の世界に浸りきって自分も井戸の底にいるような日々過ごしたことを思い出し、映画のストーリーよりも自分の思い>>続きを読む
3人でどの国にするかを決めるシーンがいい。
会話もリアルで「世界の終わり旅のはじまり」よりも、こちらのほうがずっと入り込める。