田旗浩一さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

田旗浩一

田旗浩一

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才女気質(1959年製作の映画)

5.0

初めて観た十年前、自分はこの映画の大きなチャームポイント細川ちか子の事を吉川満子と書いている。なんて恥ずかしい。

旗本愚連隊(1961年製作の映画)

2.0

阪妻・田村高廣父子鷹特集を組む時、こんな映画を普通選ぶかと溜息をつく豪華絢爛な時代劇(衣裳は甲斐庄)にして、目を覆う駄作。さすがラピュタ阿佐ヶ谷、他では観られない選択眼。見所は醜悪な怪物を嬉々として演>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

2.5

Sorry…のひと言で済ませるのが正解かもしれない。あまりクサしたくもない。
誰もが思い浮かべる『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』の足元にも及ばない。南の秘境のアクションシーンが全滅。
ブラピとか何
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銀座のお姐ちゃん(1959年製作の映画)

4.0

文句なしの愉しさ!雑誌編集者で現金主義のパンチ・団令子。真っ赤なポルシェを駆る金持ち娘で唄も上手いピンチ・中島そのみ。三級ファッションモデルで抜群の脚線美センチ・重山規子。
カラフル・ポップな三人娘の
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街燈(1957年製作の映画)

5.0

あと百回くらい観ても飽きないと思う。これだけの洗練。これだけの洒脱。これだけの惚れ惚れする演出と描写。登場人物がみんな洒落て可愛い。
旗照夫のシャンソンに乗せて登場する渋谷の坂下にある洋装店の佇まいか
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忍法忠臣蔵(1965年製作の映画)

3.2

こうしたくノ一軍団エロ映画にちゃんと付き合う東映城お姫様女優・桜町弘子ってほんとう偉いと思う。

イントロダクション(2020年製作の映画)

1.0

できるなら、マイナスを差し上げたい。『逃げる女』でうんざりして、もうホン・サンス観なくていいと決めたのに、また観に行ったわたしバカよね。うしろ髪、うしろ髪。まったく思いつきだけの、それっぽいだけの、お>>続きを読む

愛に奉仕せよ(2022年製作の映画)

4.0

「人民に奉仕せよ」の木牌が定位置にない時は二階に上がってきていいから。夫が戦地に赴いている間、美しい人妻は邸宅の真面目な炊事兵にそう囁く。悶え爛れるような禁断の愛と濃密なセックスの連続。エロスの果てに>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

赤ちゃんポストの前に自分の子を棄てる女。それを盗み売る男二人。それを追う二人の女刑事。それらが折り重なりながらさざ波のようにいつもの「擬似」家族を形成してゆく。ソ・ガンホもペ・ドゥナも脇に回し、濡れた>>続きを読む

牢獄の花嫁 解決篇(1939年製作の映画)

3.0

観たのは総集編で、至るところカットだらけ。
これで、この映画の面白みを知れというのも無理があり過ぎだが仕方ない。
阪妻の一人二役、羅門塔十郎vs塙江漢の大熱演。音声がもっとクリアに聴き取れたら、さらに
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兵隊やくざ(1965年製作の映画)

5.0

もう何度も観ている。勝新の愛くるしさ、田村高廣の勝新へのラブ。最高!

春の夜の出来事(1955年製作の映画)

3.6

まさにキャプラ調の洒脱な喜劇。ニセ黛敏郞を黛本人が演じるおかしみ。即興シンフォニーが最高。

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)

4.0

それこそ半世紀ぶり。顔と身体いっぱい見栄をきる。ミュージカルのように跳ねて踊る阪妻の殺陣の見事・華麗なこと!幾つもの発明がある映画。決闘高田馬場へ韋駄天のごとく走りに走る同ポジ繋ぎのモンタージュはそれ>>続きを読む

有楽町で逢いましょう(1958年製作の映画)

3.0

朝ラピュタ阿佐ヶ谷に向かい、途中コンビニで飲み物を買いバッグの中を検めると財布が見つからない。真っ青になって家へ引き返し部屋を隈なく探すが見つからない。きのう神保町で寄った店や映画館に電話しても落とし>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

3.6

隠居の噺家・五代目志ん生の家の二階に画家志望の高峰秀子と歌手志望の笠置シヅ子が居候している。この家を中心に島耕二らしい全体に牧歌的でほのぼのとした多幸感が横溢している。流しのキャバレーのセットは河野鷹>>続きを読む

冬薔薇(2022年製作の映画)

4.0

暴力よりタチが悪いものがある。嘘をつく事、約束を破ること、人を騙すこと。デザイナーの才能などある筈もない空っぽの主人公にはその程度の能力しかない。騙された女は訴えればいいが、親はこの息子を信じるしかな>>続きを読む

はい、泳げません(2022年製作の映画)

3.9

予告編で何度も見た、単なるカナヅチの大学教師・長谷川博己がスイミングクラブで綾瀬はるか美人コーチの下、おばちゃんたちに囲まれて泳げるようになるという物語だったら絶対観に行かなかった。それとはちょっと違>>続きを読む

玉割り人ゆき(1975年製作の映画)

3.8

久しぶりに観た。脚本・田中陽造のアナキズムと儚さが、牧口雄二のリリシズム溢れる残酷&エロティック描写と見事にマッチ。本作と『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』で田中陽造は、すでに鈴木清順『陽炎座』の世界を描>>続きを読む

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

4.5

殺気の眼差し梶芽衣子に百回以上痺れる大傑作と改めて。これは超フェミニズム映画だと今回気づいた。

きつね(1983年製作の映画)

1.5

岡林信康と少女との難病少女幻想ファンタジーに辟易。

不良少女 魔子(1971年製作の映画)

-

木曜の健康診断。結果を待つまでもなくすぐに循環器系の病院に行って下さい。で午前中に近所の病院に。「間違いなく心房細動です。カテーテル手術のできる病院を紹介します」一気に気持ちが重く憂鬱になる。
ラピュ
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波光きらめく果て(1986年製作の映画)

3.6

女優松坂慶子の80年代の呆れる程の眩しい輝き!その脱ぎっぷりのよさ、自分の感性に赴くまま愛として存在しているだけで、周りの誰もが傷つき不幸に陥っていく絶頂感。断言できる。後20年後には名画座で大輪の華>>続きを読む

オリオンの殺意より 情事の方程式(1978年製作の映画)

3.8

再見。宝石商戸浦六宏、若い継母山口美也子、大学生の息子加納省吾を中心にした欲望と裏切りの関係がもっとギラギラしていてもいい筈なのに演出は端正で品がいい。息子の秘めた日記を読む事に仕掛けられた罠がじわじ>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

1.0

ここ数年観てきた映画の中で、最も胸くそが悪くなる映画。金持ちの娘の結婚パーティ。親戚友達一同がご祝儀を持って訪れる。でもこんなのパパが政府に与えた賄賂の1%くらいねと嘯く娘。じきパーティは阿鼻叫喚の地>>続きを読む

灰色の石の中で(1983年製作の映画)

3.0

シネマヴェーラ渋谷「ウクライナの大地から」特集で、キラ・ムラートワ『灰色の石の中で』。ループによるグルーヴがより混沌としたカオスを生み出す。
今回のチラシ表紙は、この映画から。

斬り込み(1970年製作の映画)

4.0

主演渡哲也の撮影期間が六日間しか得られずそれが逆に功を奏した。組の鉄砲玉、チンピラやくざ藤竜也、沖雅也、岡崎二朗、藤健次の生き様=死に様が小さな輝きとして切なく伝わる。板挟みの郷鍈治の優しさ。青木義朗>>続きを読む

恋愛学校(1962年製作の映画)

2.6

佐久間良子と大空真弓の共演映画でこんなのがあったのかと今回の大空特集で最も楽しみにしていた映画。衣裳はルリ落合。スケートリンクの二人のペアルックが何とも可愛い。大空の家が経営する中華料理店は芝公園の留>>続きを読む

死ぬにはまだ早い(1969年製作の映画)

3.8

再見。ドライブインに殺人犯で狂犬・黒沢年男が立て籠るサスペンス。忘れていた。真の主役は草野大悟!

誇り高き挑戦(1962年製作の映画)

4.0

絶対サングラスを外さない記者鶴田浩二と元GHQ諜報部員で今は死の商人丹波哲郎の息も詰まる対決。冷酷無情タンバリンの悪の華が咲く!

夜を走る(2021年製作の映画)

3.8

とんでもない災難に巻き込まれてしまったものだとボヤきながら、後は喰い入るようにどう転ぶかわからない画面を凝視めるしかない。郊外の鉄屑工場に降りかかる笑うしかない厄災。こんなにネタばれを怖れる日本映画は>>続きを読む

性賊 セックス・ジャック いろはにほてと(1970年製作の映画)

3.0

再見。
酷薄な爬虫類のようでいて、じつはいちばん過激な秋山ミチヲがすばらしい。佐野史郎の原型ってこんなところにあったんですね。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

『トップガン』と『愛と青春の旅立ち』の違いもわからない程、この手の映画に疎い私。えっ⁉︎トム・クルーズは単なる教官なの?と一瞬でも思った私は大バカでした。トムと若いライトスタッフたちの最前線物語。何度>>続きを読む