Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Sasada

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(2022年製作の映画)

2.8

刹那的な「エモ」が好きな人は好きだろうし、おじさん(お父さん)はなんだか肯定されてて嬉しいんだろう。
松井大悟監督、やっぱ苦手かもなと思った。

セックスを女性の手に取り戻すこと。そこに意識的なのは「
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.3

上映時間は短く、みなハッピーなマインドフルネス的思想が貫くこの軽さをどう捉えるか。日本のフットボールシーズンの開幕×サーチライトピクチャーズ×タイカワイティティで期待値が上がりすぎた感もあって、個人的>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.1

その時何が起こったのか。
知れば知るほど/事実が明らかになればなるほど=“解剖”されればされるほど分からなくなる真相のゆくえ。

わたしたちは断片的な情報をもとに「それっぽい」ものを選びとっているに過
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.2

徹底的に親と子の話ではあって、血縁によらないケアのあり方やファミリーの形成みたいなテーマは好ましいなと思った。義理はないんだよなと逡巡しながらも救えるものは救いたいのだというキャシーのキャラクターもな>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.7

易々と離れられるわけもなくひたすら家に「戻ってくる」話で、半端なく救いの無い展開に驚く。

永遠に続くように思える階段にも終わりがあって、カラオケや居酒屋で時間を使うにも限度がある。金と知識のある大人
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

4.1

感じる必要のない罪の意識の三者三様の話で、残された者、やむを得なかった者、被害を受けた者がそれと向き合う118分。
それに向き合い言葉を吐くことで、彼らはその記憶を客体化して捉え直す。「わたしは悪くな
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ジェントルマン(2021年製作の映画)

3.9

ガイリッチーへの愛が溢れる作風ながら、戦う相手は徹頭徹尾公権力の腐敗であるところにらしさが宿る韓国エンタメ。

奇しくも今の日本の芸能界と重なる「男性の権力者による性加害」(直接的な描写はない)の話で
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.6

そこにあるのは知っていて、何なら見えている不正から目を逸らさないこと。
こういうものだからと納得させてやり過ごすのではなく、怒りや悲しみを言葉にすること。壊れて麻痺していく倫理や公正さを死守する市政の
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

エンドロールの余韻と幸福感で、ああ三宅唱の映画だと。最高でした。

歩いたり自転車に乗ったりして画面の左から右に/手前から奥に移動する2人を、寄ったり引いたりして写し続けること。
ケイコでもそうだった
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.3

事実自体が劇的なので興味深くは観たが、映画としては別に、、、という感じ。

テンポよくカットを重ねるが故に個人投資家それぞれのドラマが薄まり、なんなら中心にいるはずのキティのキャラクターもぼやける。「
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

グレタガーウィグがバービーを作るのなら、ヨルゴスランティモスはこちらを作ったと。やってることは違うけど根幹はとてもよく似ていて、「私の身体は100%私のもの」なのだ。

“領土”みたいに“所有”される
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.6

コンクリートユートピアの続編(世界観だけ引き継いで登場人物とかは全とっかえ)らしく、つい最近イ・ビョンホンが支配してたマンションにマドンソクが殴り込む映画になっていた。

「生き残るために周囲の人間を
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.6

これ単体で見た時にやや消化不良な話ではあるものの、映像や世界観自体が魅力的で良かった。
上と下、過去と現在、人間と非人間みたいなところの活かし方というか組み合わせ方はもうちょいできたんではと思いつつ、
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

前半は怯える聡実くんと迫る狂児の組み合わせがくどくて飽きるが、ヤクザ連中が登場してからすげーおもろい。

巻き戻せないこと、進んでゆくしかないこと。否応なく適応することを余儀なくされる残酷さであり、そ
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.0

サブカル好き+自己顕示欲+加齢+性欲
の成れの果てが観られる地獄絵図で、過去作も含めたウディアレン的なものへの自己批判の眼差しも感じなくはない作品だった。映画好きを自称する人間は反面教師とすべき面が多
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.9

さすが隙のない韓国流のディザスタームービー。真新しいかと言われれば否だが、中盤に現れる人物によるツイストも上手くてあっという間の2時間だった。

「働いてない者は食うな」
「資源に限りがあるのだから外
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.0

なかなかお目にかかれないレベルの駄作で、役者も含めここまでやっつけだともう清々しい。お疲れ様でした。

「そんなことしたって、、あなたたちや劇団のSNSとかHPとかあるんだろうからバレちゃうのでは、、
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Gメン(2023年製作の映画)

3.7

あまりに王道な不良アクション映画ではあって映画館で観てたらちょっと文句も言いたくなったかもだけど、Netflixで見るにはストレスなく普通に楽しかった。

終始ほぼ滑りかけみたいなハイテンションで進む
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アウトフィット(2022年製作の映画)

4.0

思わぬ良作がNetflixにきていた。
「紳士が営むテーラーの裏の顔」と聞くとめちゃキングスマンだけど、こちらはワンシチュエーションのクライムサスペンス。

マフィアの構想に“巻き込まれた”マークライ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

2.5

“ベーコンズ”の2人がめちゃオードリーと思ったら実際にそうなのかと鑑賞後に知る。あと主演じゃない仲野太賀が素晴らしいのは知ってたけど、菅田将暉もめちゃくちゃよい。こうやって2人とも年取っていくんだなと>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

3.9

見ること/見られること にとてもとても意識的で、他者を理解することではなく、ただpay attention(注意を払う よりは関心を示す くらいのニュアンスか)することでわたしたちは生きていけるのだな>>続きを読む

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

3.6

ソフィアブテラとペドゥナ共演のアクションだけでもう最高でした。
DUNEとかと同じであくまでセッティングとしてのパートワンなわけでこれ単体で評価するもんじゃないにせよ、家でダラダラ見るにはちょうど良い
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.4

いわゆる“伝記もの”のフォーマット通りの作品で、良作ではあるがそれ以上の面白みは見出せなかったというのが正直なところ。

ブラッドリークーパーとキャリーマリガンは超良いし、シームレスな場面転換や指揮者
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.8

意図せず2023年(も含めた近年)っぽい作品で今年の映画鑑賞を終えることになった。これはあまりネタバレ的なことを踏まない方がよいっすね。

見ててモゾモゾしちゃう系の居心地悪いホラーで、画や音をフルに
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ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)

3.5

“そこにいる”映画だった。セックスを売って生きていく女性を上にも下にも位置付けることなく、“普通の”人として可視化することはそれ自体に大きな意味を持つ。
セックスワークを否定することは決してないものの
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.0

文法やモチーフなんかも含めこの監督らしさの溢れた良作なのだろうが、いかんせんこっちのリテラシーが足りなくて受け取れるものが少なかった感。かといって過去作を観たいと思うにも至らないので、“合わない”以上>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

こんな面白い映画がなぜ劇場スルーなのか分からんけど、とても面白かった。

富める者と貧しい者の格差のリアリティというか、匂いや服装や振る舞いに滲み出る「平民と貴族」の痛々しさ。リベラル然としたやつらの
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市子(2023年製作の映画)

3.3

戸田監督を知ったのが「名前」だったのだけど、その頃から共通するテーマが息づいているような。
自らを偽ることでしか生きていけない人々の姿を描きつつ、血縁によらない何かによる連帯に希望を見出す。
思ったよ
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.9

言ってしまえばガーディアンズオブギャラクシーだけれど、それができるのが超すごいこと。こういう王道エンタメで質の高い映画をもっともっと観たいなーと。

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

2.5

家族神話の再生産でありロマンティックな異性愛を強化する話なので正直全然良い映画には思えなかった。
劇中の白人男性プロデューサーが語るそのまんまに名前ばかりの「多文化共生」で「多様な愛のあり方」の話なの
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.2

いま現実に起きている戦争を目の当たりにしているのでこの映画でも考えることはそりゃあるが、振りかぶった割にはイージーなところに落ちる話には違いない。

ジョーダンピールとかとはやっぱ違うし、地下と地上っ
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

3.8

ムーラボ2024にて先行上映。ちゃんと笑える会話劇で良かったっす。監督の前作の「階段の上には〜」に比べても分かりやすくかつ短くてちょうど良いんじゃないかなーと。
(120分を超える会話劇ってよっぽど興
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最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

4.4

大人と子供の話なのだけど、そもそも人間の在り方を切り取った映画としてめちゃくちゃ好きだった。

揉めそうで揉めなかったりさらりとヘイトを口にしたり、無知でピュアな危なっかしさにヒヤリとしまくったんです
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.4

世界史に興味を持ってもらうための教材的なニュアンスであれば大満足だけど、映画館で160分拘束されるとするとなかなかしんどい点もあるっすねと。

展開がめちゃ早くて、出発したと思ったらもう戦ってるし出会
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.9

親が離婚したり、就職先がブラックだったり、接客したらクソ態度の悪いおっさんだったり。
不確定な要素ばかりに大きく左右される私たちの人生を、いかにサバイブしていこうかという話。

知り合いだけど友人では
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

4.0

日本の占領統治下の朝鮮の話。日本人が悪者だけど本当に悪いことしたんだからちゃんと直視しなきゃねと。
ソルギョングとパクソダム、その他も結構名前のある座組なのになかなかこの内容で日本の公開規模が小さいと
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