unmさんの映画レビュー・感想・評価

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絶好調(1965年製作の映画)

4.0

カバンを下ろす→逆流して膨らむ→テントから出て驚く女→車音ずり上げ→次シーンへ

ヨーヨー(1965年製作の映画)

5.0

サイレント演出の冴えぶり。手紙を読みながら内容が明かされるシーンもあれやこれやとお茶を注ぐアクションと共にある。車から屋根をのぼって伝ってからのキス。エテックスが二役やる中で、子供から大人に変わる編集>>続きを読む

デジャヴ(2006年製作の映画)

5.0

同僚が死んだのを知って静かに背を向けて歩き出す、なんてかっこいいんだ。走りだすまでにも逡巡しない。徹底されたアクションでの語り。
モニタ越しの時空を超えた目線の交錯は見る度に泣く。画面の向こうの彼女が
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

スタンダードで映される東京の画が物質的でいやらしさがなく、聳え立つスカイツリーの画はこんなに良いのかという発見が嬉しい。影、反射、木漏れ日、鏡、写真、夢、パン、ティルトといった要素で主題の世界の多層性>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.0

あまりに形骸化されたメッセージ連打がきつい。頂上に立つ王に向かって下界の民衆が立ち上がるのはアガるけど、凡庸な図式を超えるものは感じず。願いのために邪悪な欲に支配されていくという願いと欲の表裏一体ぶり>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

きのこ採集の手元から始まる、生活の動作の細やかな抽出。追手の行動が映りきらない居心地悪い不穏さ。遠方を眺めることがサスペンスに繋がり、スタンダードサイズはその奥行き方向を効果的に映す。温かいラストは悲>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.8

タランティーノはこれが1番好き。車体から降りたカートラッセルだけが映り続けて喋り続けて、女性側の車の位置はどうなってんだとなってたら、「アディオス」から唐突に発砲される。心理的なショットの排除。窓から>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.5

高畑勲の飛翔には駿と違い動力源がない。初めて気になる異性と話して飛翔するが、結婚となると突き落とされる。飛ぶことは都合の良い超越にはならず一瞬の夢として、落とすことが現実で描かれる。
終盤の車内での会
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.5

肝心なところは画面にうつされず、アザラシも人もあっけなく殺される暴力の乾きぶり。バスの中と拳銃を取り出そうとして諌めるシーンのカット割、音声の入り、ソリッドさに痺れる。

パワーズ・オブ・テン(1968年製作の映画)

3.0

宇宙=人間なのだあ ズームアップがひたすら続くことの恐怖

狩人の夜(1955年製作の映画)

4.0

過剰ともいえる陰影の強さがファンタジー世界を際立たせている。ショット単位ですごいものをあげたらキリがない映像の美しさ。単純な追いかけっこ劇だけどロバート•ミッチャムのキャラクター性と画の強さが不穏さを>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.2

下降を強いる地下の悪人と上昇する夢見るウォンカの運動が徹頭徹尾描かれている。ハシゴを使って少女と指切りをするアクションでもウォンカは梯子を登る。そして少女を助ける場面でも再びハシゴが描かれ約束が果たさ>>続きを読む

父ありき(1942年製作の映画)

4.5

序盤の省略のスピード感すごい。修学旅行に行くぞとなったら即写真撮影会に繋がるし、気づいたら大人になっている。
修学旅行の写真撮影のショットは遺影というか心霊写真のようだなと思ってたら本当に生徒が死ぬの
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じゃりン子チエ(1981年製作の映画)

4.2

チエの独特のガニ股歩きは父親の歩き方と同じだ。血の繋がりを動作から物語る。日常動作を再定義するアニメーションならでは。
母の「チエは大丈夫、賢いから」の瞬間にボートはぶつかる。ウェットで辛気臭いものに
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不変の海(1910年製作の映画)

4.0

空間と時間のフレーミング力が叙情につながる

パンダコパンダ(1972年製作の映画)

4.8

多幸感!ラストに全員が川に飛び込んでいく無意味さ、嬉しいことがあると逆立ちしてしまうという理由のなさ、逆立ちには効果音までついている。運動に理由がない。子パンダまでミミの逆立ちを真似していく連鎖。最初>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

奇妙なズームによって平凡な会話の中の不穏さが露呈していく。男から逃げた行き場のない女は、山から山へ移り、終着地としての海へ。
邪魔者として頑なに映されることのない男の顔がインターフォンの画面でカットバ
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ピストルと少年(1990年製作の映画)

3.8

会話シーンの撮り方がいい。3人のうち一人が弾き出されたりまた入ったり運動が継続される。またそれぞれの顔が魅力的に映っている。弟の希望を語る最後の顔。銃によって従属関係が変化し、ラストまで関係性が変化し>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.5

乗客紹介シーンはあるが乗客の存在が生きていないし銃撃戦の位置関係はわかりずらい。が余計ないざこざはおこらず、全員が職能に徹しているので物語は有機的に駆動していく。

(2023年製作の映画)

4.0

首の飛び方と草履の軌道が一致した瞬間に驚く。荒川良々の切腹シーンのロングくらいで、武にしてはあんまりいいショットが見れなくて悲しい。首に意味を付与しすぎている故、首は死んでるかの確認でしかないというラ>>続きを読む