主人公との別れ際に女中がプレゼントした匙袋は、女中の心理状態を完璧に象徴化している。
五所の作品に出てくる登場人物は基本的に人間不信に陥っていることもあり、人間以外の「物」を映すショットに暗示的な意>>続きを読む
会話シーンや、主人公の潜んだ暴力性が明るみになるプロセスが面白くない。どう転んでも「労働者=搾取の対象」の構造に行きつくのだから、もう少しダイナミックな要素を入れてほしかった。
原作を丁寧に映像化しよ>>続きを読む
開始3分から退屈していた。無駄に長い。鑑賞中ずっと早く終わんないかなと思っていた。
崖から落ちる石が地面に当たってバウンドしていたのは思わず吹き出してしまった。
自らが招いた災難にもかかわらず和尚の無>>続きを読む
終始ゆったりとしたテンポのストーリーテリングが、終盤の展開を見事に際立たせる。
アデルハイトの顔を正面から映した印象的なショットや、主人公が彼女の体をなめるように見るシーンから分かることは、主人公はア>>続きを読む
『トラップ・ストリート』(2013)の監督だったことを今知った(あちらの作品ページの人物表記が間違っている。英語版Wikiの情報が正しい)。どうりで良くできた作品だったわけだ。
『トラップ・ストリー>>続きを読む
冒頭20分がとてつもなく退屈だったのを覚えている。その後からは徐々に盛り上がり、バカバカしいバトルの場面で爆発する。唐突にワイヤーアクションが始まるところは笑った。
粋なセリフは聞いていて素直に気持ち良い。楽しい仕掛けが満載で退屈しない。ラストのふざけ具合が最高。
フィンランドで物議を醸したか知らないが、観客を唸らせるほどの考察は特にないと感じた。現代でこの映画を観ることの価値は小さい。
男主人公が転職してからのくだりのつまらなさが目立った。シーンとシーンのつな>>続きを読む
ここまでやり切ったのなら、もう傑作としか言えない。ドゥミは何かムカつくけれども、『ローラ』は本当に好き。誰にも真似できない感覚が冴え渡る。ローラが幼なじみと別れるシーンは圧巻。
完成度が高い。
ドゥミの作品はこの完成度の高さがムカつく。
あのラストはいかにもドゥミらしさ炸裂といった印象。
『陽山道』に続いて、キムギヨン作品2作目の鑑賞。
徹底的なナンセンス。精密なナンセンス。ナンセンスに対して真摯に向き合った、キム・ギヨンの遺作としてふさわしい作品。
50年代から80年代にかけて活躍>>続きを読む
光と闇(監督は「秘密」と表現していたが、完全なパーソナルなものではなくて、コミュニティ内で察される程度に共有できるレベル)の物語。
「追い詰められていく人間」を描く他作品と全く異なるところは、主要登>>続きを読む
各登場人物が一切の融通を利かせず、一貫した舞台を作り上げていた。ラストの花火のシーンがとても良い。少年が身を置く舞台が春節の花火によって、学校から国家レベルのスケールへと一気に拡大される。
感動の物語。しかし、
老人がビオスコープ爺さんだと判明した場面から徐々にテキトーなつくりになっているのが気になる。
ビオスコープが無用の長物と化しているのはいかがなものか。ビオスコープが無いと、自分み>>続きを読む
ただただ退屈。セリフの音質が悪すぎてイライラする。拷問のような90分だった。
この作品を形容するにふさわしい言葉が見つからないので幼稚な表現をすると、本作は「よく出来た作品」。作家性を感じる良い作品。
映画監督になるという選択を肯定するという意味で、自身の半生自体を肯定する映画を撮るのだけれども、発展しなかった恋をどう位置付けるのかという葛藤があった、、、
すなわち、発展できなかった恋を正当化するに>>続きを読む
題材は斬新で、面白い演出もあり、観る価値が十分ある作品ではあると思った。それでも何かが足りないとも強く感じる。具体的には、、、
①文明が見えてこない。仮にあえて原始的な争いを見せていたのであっても、>>続きを読む
心底どうでもいいと思える作品を観たのは初めてかも知れない。特に感じたことはないけれども、不愉快に感じたわけでもない。
以下、感想の羅列。後で編集し直す予定。
説明過多な部分が少々気になったが、監督は素晴らしい映像センスを持ったお方。骨壺を移動させただけでも詩情溢れる映像になる。あっぱれ。
「語る対象を然るべきタイ>>続きを読む
以下、感想の羅列。また後で編集し直す予定。
社会システムの側面から描写しないスタイルは意図的であるにしても、その選択は表現方法として本当に正しいのか。マイノリティの中のマイノリティであるロヒンギャ族>>続きを読む
ロジエの作品は基本的に「反省」の映画なので、長回しや生産性のない会話シーン自体が作家性として簡単に意味付けできてしまう。これがこの監督の捨てがたい魅力。
その中でも本作は、若干アイデア勝負な部分が大き>>続きを読む
主人公の「あまのじゃく」さ(平たく言えば)と、それに振り回される家族と観客。しかし、あくまでも観客が焦点を合わせるのは主人公の”老いた野獣”。笑いのセンスと映画製作のセンスの共有部分に立つ面白さがこの>>続きを読む
この作品がどのような経緯でコンペに選出されたのかを知りたい。
聾唖者というマイノリティを描くのであれば、彼女らによって作り出される特異な「空間」を、手話以外のコード(or 手話のコードを掘り下げて)を>>続きを読む
ストーリーの語り方にこの作品の最大の魅力がある。解釈の余地は別として、しっかりと計算されたカットの流れは観ていて安心感を覚える。また、何気ないカットをつないだだけでも作家性が滲み出してくる。北野武に近>>続きを読む
色々と足りていない部分が目立つ。淡々と進めるにしても、あのやり方では構想を映像にした意味を全く感じられない。良い題材なだけに残念。
結局のところ何をやりたかったのかが分からない。終始必然性を感じない流れに戸惑った。
「良い映画のお手本」のような作品。一切の無駄を省いた編集が見事。単なる手持ちカメラの撮影で満足しているだけの作品とは違い、カットごとに何をどのように写したいかが明確で、空間や物語のディテールに常に注意>>続きを読む
「ドゥルガとカビールが車から降りる→降りた車に追い付かれる」の部分の流れに工夫があって面白い。あのラストシーンは素晴らしいと言うか、あれ以外には考えられないといった印象。ロッテルダム産の尖った作品群の>>続きを読む