時の堆積をまなざすような、ゆったりとした贅沢な映画。
象徴的なのは、まるで瞼を閉じるように、ゆっくりと切り替わるシーン。次は開かれるのだろうか、光が差すのだろうかと少しどきどきする。
正直、ストーリー>>続きを読む
移民、ジェンダー規範、セクシュアリティや職業といった、サンドラを構成する様々な要素が、裁判や、テレビを通して彼女を異形の存在に仕立て上げる様を見せつけられると同時に、カメラワークやストーリーテリングの>>続きを読む
夜と朝、お守りと本、こうしたメタファーやストーリーで、二者択一ではない、寄り添いと理解によるケア、そしてその連鎖のあたたかさを映画にみる。ケアによる連帯というユートピアだ。
個人的には、前情報等なし>>続きを読む
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マリオネットの糸を断ち切り、色彩豊かな世界へ飛び出し、リプロライツや尊厳と共に旅をする。晴々しく耽美なシーンの連続。
(小説を随分昔に読んだことあるけど、かなりイメージと違ってびっくりした。)
好>>続きを読む
テレビでアズカバンの囚人が放映されると聞いて、アルフォンソキュアロンの映像が見たくなり、再鑑賞。
仕事での人間関係に諦念を感じる今、過去に一度見た時より通じる部分が多く、博士の逃避と再生を描く本映画>>続きを読む
感想書くの忘れてて、少し記憶が曖昧。
ユーモアに溢れていて、でもそのユーモアを笑うことができるのは、特権性があるからなのでは?と笑うたびに自問する。
歪な社会構造、肉体の老いや死、それに伴う不安等>>続きを読む
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これを見るために、東京まで遠征した!
3年くらい前に見たアピチャッポン監督のMEMORIAにも、感じた。映画館で見ることの真価を体験できる映画。
台本読みから始まり、紙に書かれた文字が、実態と背景を>>続きを読む
願いを持つことは、叶わないという可能性や未来の悲しみを抱えることでもある。
そうした可能性を内包しつつも、人は夢を見ることで日々を輝かせる。
願いとは、希望を持つことなのかもしれないなと感じた。
世界>>続きを読む
ブロマンス。差別的な主人公が、冥婚を通してゲイを一人の人間として尊重できるようになるまで。関係性構築までの関わりの細やかさ。
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怒涛の展開と、昨今日本でも話題になる連れ去りといった問題も絡んでいて、問題提起としても、エンタメとしてもとてもおもしろかった。
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赦すことは時に許すことと混同される。
男性もこの村の成り立ちの被害者。
強制すること、説得すること。
マリチェが劇中当初から燻らせる怒りは、どうしようもない、抗いようもないと思っている搾取に対して。>>続きを読む
立ち込める霧とその湿度。
焦らされること、自分を失うこと。
人に近づくこと。
理解したいと思う心と理解できない魅力。
永遠に心の中を占めるもの。
山と海。情念と知性。
指を投げつける音が大砲の音に聞こえる。
優しさで歴史に名を残した人は、その特権ありきだとしても杉原千畝がいるのではとか思った。
どちらにせよ名前が残ることなんてたいしたはなしじゃない。
ロッカールームトークやboyswillbeboysを漫然と受け入れてきた社会によって生み出されたワインスタイン。
受け入れてきたのは、その実害に遭うことはなく、直視せず、見過ごすことができた特権的的な>>続きを読む
監視する監視される、搾取する搾取される、権力構造。
相手の特性を理解することと、それを利用することの違いであるとか、
一瞬の揺らぎから起こる傲慢とか。
最高の映画だった。
不確定な要素を掘り進めることは、相手を信頼しようとする気持ちと、自己防衛の狭間でゆらぐことなのかもしれない。
砕け散った大切なものを、ひとつひとつ丁寧にとりもどしていく。
何度損なわれても、なんどでも再構築してやる。
この映画は、素晴らしいお守りだ。