moneさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

結婚とは。そして離婚とは。

カルテット巻真紀の台詞より、
「いなくなるってその人がいないっていう状態がずっと続くってことです。」

子供にとっての親の離婚も似ている。
親自身は他人同士だから縁は切れ
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.9

前作よりエンターテイメント性が増し、サスペンス劇的性格は少し弱まっていたけど、期待を裏切らないプロットと演出。
観賞後の爽快感と満足感がすごい。

大好きなジャネール・モネイの白タキシードでの大活躍が
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.8

この世の全てを知っているかのような顔で常識論を展開する高校生と、それに真正面からぶつかる予備校講師。
軽妙な2人の掛け合いがまあ面白い!

「普通」に囚われることなく、自分がどう思ったのか、自分がどう
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クリスマス・クロニクル(2018年製作の映画)

3.8

34丁目の奇跡と打って変わって、こちらは最新のサンタムービー。笑
テンポよくて見やすいし、CG技術も相まってもし現代にサンタがいたら?というのがとてもリアルに、同時にファンタジックに描かれている。現代
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三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

3.9

クリスマス映画の古典的作品の一つ。
裁判でサンタか否かを争ったり、どこまでも現実主義的な話なのにしっかり心が温まる。

古典たる所以が詰まった名クリスマスムービー。

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.5

ゴダールの商業映画復帰作。
唐突なスローモーションと冒頭のオペラに始まり道端の楽団や教室のシーンの声、そして全体的な前衛音楽などの音楽技法が新鮮だった。物語はこれまでで一番わからなかった。

彼岸花(1958年製作の映画)

4.7

人間の機微が、音楽が、空間が、豊か。

小津を見た次の日は、何気ない日常生活が途端に色彩を持って映画のワンフレームかのようにたち現れて愛しく思える。小津マジックなのかな。

そして何本か見ているうちに
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.2

当時物理的な戦闘状態に置かれていた大学において、言葉を介して展開された日本国民としてのイデオロギーを巡る戦いを、熱量と緊張感そのままに迫ることのできる良質なドキュメンタリーだった。インタビューや解説も>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.8

あまりのストーリーに度肝を抜かれたけれど、久しぶりに映画を見ていて予想できない展開の数々に驚かされたので映画体験としては評価したい。不快感や嫌悪感などネガティブな感情が湧き上がる作品だっけどそれでも面>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.5

最初のタイトルの出し方はめちゃめちゃ好きだったけど、後のストーリーは正直そこまでハマりきれず。

音楽や撮り方はとても好みだった。
電話とところどころの会話の場面では小津を意識した真正面のカット。記憶
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お早よう ニューデジタルリマスター(1959年製作の映画)

4.2

小津作品はじっくり消化してからレビューを書こうと思う。
一作一作見るたびにこんなに美しい映画があるのかと感動するけれど、同時に楽しみが一つ消えてしまったような気もして寂しい。
大切に見ていきたい。
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アスファルト(2015年製作の映画)

3.9

とある団地の住民に起こった3組の出会い。アンニュイでシュールな展開が続くけど、ふとした瞬間に心があたたまる。

シチュエーションはどことなく奇妙で歪なんだけど、お互いがお互いのありのままに対して誠実に
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マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

2.4

本作舞台のコート・ダジュールからの帰りの飛行機で鑑賞。
つまんなさすぎてびっくりしていたらクレジットで監督ウディアレンと知って納得。
時間の有り余った国際線でなかったら見れていない。そもそも今回も見て
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ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)

4.0

全体を通してコンセプショナルでコンテンポラリー。原作を読んでいないと、導入からのかなり抽象的な展開についていけなくなるかも。
それでもやはり吉本ばななの描いた死と再会を再構築するにはかなり面白いアプロ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.7

久しぶりのノルウェー語に加え、港湾エリアの新開発が不人気であることなど、オスロネタに触れられたのは嬉しかった。
また美しいカットが多く、主人公が時の止まった世界から駆け出すシーン、そして最初にパーティ
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勝手にしやがれ 4Kレストア版(1960年製作の映画)

3.6

ロッセリーニの『イタリア旅行』に感動したゴダールが、映画は「男と女と車」という3要素だけで十分に撮れると確信し撮った初の長編作品。(いつか読んだ蓮實先生のテクストより)

文字通り「男と女と車」に集約
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.8

イーサンホークの憑依がすごい。話し方、歌い方、表情の作り方、妥協のない役作りに終始鳥肌がたった。依存から抜け出せず破滅へと向かう一人の人間にここまで寄り添い、緻密で繊細に描ききることができるとは。>>続きを読む

女は男の未来だ(2004年製作の映画)

3.7

相変わらず少し不思議な時間軸で話が進む。
エリックロメールの『緑の光線』『美しき結婚』のような拗らせ女性とは対照的に、欲望に忠実すぎる男性が印象的な本作。
絵画を教える大学教授がとにかく高圧的で気持ち
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CHICAS DAY/2人の秘密(2013年製作の映画)

3.8

今回のSSFF2022の中でもかなりお気に入りの作品。
美しく秘密の友情。子供にとって、自分を一人の対等の人間として扱ってくれる大人がいることは本当に大事だと思う。ニューシネマパラダイスのトトとアルフ
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自由が丘で(2014年製作の映画)

4.4

ホンサンス監督作品を初観賞。
加瀬亮と韓国人たちが慣れない英語を使って素朴なコミュニケーションを取るのが良かった。シンプルだけど、本質的な内容をついた、会話のやり取り。
作品としては時間軸の刻み方・構
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良い時も悪い時も(2017年製作の映画)

2.3

結婚を控えながらもどこか憂鬱そうな新郎。気が強そうな新婦とノリがきつい義兄の描写からマリッジブルーかと思いながら見進めてゆくと、その理由がストリッパーに対して吐いた「君に責任の何が分かるのか」という言>>続きを読む

「お電話ありがとうございます。」(2017年製作の映画)

3.6

煽りの極地のようなコールセンター側のチームワーク。
爽やかに残酷なコールセンターとひたすら憤怒する客側のコントラストが良い。テンポよくて見やすかった。

大人たち(2014年製作の映画)

3.4

最初のリビングから寝室への移動のシーンで感じた違和感が後半に効いてきて気持ちよかった。

真顔で凄い悪ノリしてくるスペイン映画のこの感じ、結構好み。短い時間の中で観客をぐっと引きつけるショートフィルム
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海辺のオクトパス(2019年製作の映画)

3.0

最初の上下反転したカットから始まる通り、子供たちの視点で描かれる夏。映像が良かった。

いじわるな兄弟、子供扱いする大人、そしてちょっぴり怖い友達のおじいちゃん。
自分たちの力でそんな大人たちも驚かす
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ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)

3.0

原作しか読んでいないため映画版を見たのは初めて。オールスター勢揃いで凄く豪華な内容だった。そしてそれでも中々倒せない、白ひげを凌ぐんじゃないかとさえ思ってしまうダグラスバレット規格外の強さにはびっくり>>続きを読む

フレンズ:ザ・リユニオン(2021年製作の映画)

3.5

改めて当時のシットコムにおける革命的な脚本とキャスティングの奇跡がドラマの成功をもたらしたのだと思う。どのキャラクターもこれ以外のキャスティングは考えられない。それにしてもセットの解体が最終撮影後即刻>>続きを読む

眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

5.0

CMBYNの脚本で再注目された監督、ジェームズアイヴォリーの代表作。『シネマパラダイス』を見た時と同じく、OPで心を掴まれた。O mio babbino caro は元々大好きな曲でSpotifyやY>>続きを読む

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

4.4

コロナ禍で多く行われた人気コンテンツのキャスト同窓会の中でも頭抜けて素晴らしいクオリティだった。全世界のポッタリアンに対する番組側の本気が、編集・演出はもちろん、全シリーズの監督を引っ張り出してきた点>>続きを読む

ひめゆりの塔(1953年製作の映画)

3.7

今年は沖縄復帰50周年ということで昔見た作品のレビュー書き起こし。高校時代、修学旅行で本島に行く際事前学習で鑑賞したもの。

当時女子校に通っていたので、突如学園生活から戦場へと彼女達を取り巻く世界が
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.0

タイムループの理論がしっかりしている反面、ポップでクレイジー。バランスがとれていてすごく面白かった。やっぱり世界観が緻密に作り込まれている作品は見応えがあって、途中どれだけふざけられてもすんなり受け入>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

3.0

拗らせまくって泣いてしまうデルフィーヌ。周りの人はそれぞれ自分なりの方法で世話を焼いたり気にかけたりしてとても優しい。
でもやはり物事の捉え方も時間の過ごし方も、自分の在り方を決めるのは自分次第だなと
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.8

ロメール作品の中で海辺のポーリーンを超えて今のところ一番好きな作品。

ファビアンとブランシュのカップルは一生推せる。2人とも優しくて波長が合ってるのが画面ごしにここまでわかるのが面白い。
そして最終
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女は女である(1961年製作の映画)

4.3

初ゴダール。とにかくアンナカリーナの魅力に首ったけになるような作品。
予想外のカットアップ感覚や突然始まるミュージカルに振り回されながら、エミールとアンジェラの喧嘩を堪能する映画。ジャックドゥミのよう
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