バラ科さんの映画レビュー・感想・評価

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

どこかに在る人生。事実だけが淡々と積み重なる。ひとつひとつの言動の理由はわからない。ただそこに、人となりが、大切にしているものがみえてくる。
彼は無口かもしれないけど、機微を受け取って動く心のさまが、
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.5

既存の枠組みを飛び出して、自由になっていく女性の強さや魅力が描かれていると感じた。とてもよかった。

アイスクリームを投げつけることも、店長に内緒で店内を装飾することも、夏休みにイヤリングをつけること
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

何を書いても陳腐になりそうだ。素晴らしかった。
「それぞれに真実がある」というミドリカワ書房の歌を思い出した。(歌詞の内容ではなく、題名として)

事実と解釈の歪みを提示され、それぞれの視点の提供がな
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

「孤独を知り、悲しみの淵から信頼の世界へ踏み出し、他者と共に生きる」この物語をそんな風に受け取った。

何かを守るときには力を使う覚悟を決めないといけない場面がある。自分は何を守りたいのか、どう愛した
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.8

本当に大事なことがよく描かれた作品だと思う。
本作の山場を迎えるシーンについて、厳しい言及を見かけて、自分の心に強く届いたことと少し違ったのでそこを言葉にしておきたいと思った。

受け取ったのは、「そ
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

2.5

みんな自分が好きで、さみしくて、それを抱える相手も愛しくて、欲を満たす相手を探してる部分もあって、でも与えたい気持ちもあって、ひとりではいられなくて、ただ一緒にいたくて、本当は傷つけ合いたくはなくて、>>続きを読む

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

傷ついた子供たちが愛を知る物語。
ピングドラムは生きる意味、運命の赤い果実を一緒に食べようは共に生きようと伝えること、運命の赤い果実を分け合うことは同じ痛みを分かち合う(抱き合い同じ炎に焼かれる)とい
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

自分の気持ちをわかってあげられるのも、呪縛に似た考えから解き放つことができるのも、自分だけなのだ。過去の経験を失敗と捉えるのか、今につながる糧と捉えるのかも自分次第。自分を信じて一歩踏み出す力さえあれ>>続きを読む

スパイダーマン3(2007年製作の映画)

2.5

全体として要素が多くまとめづらい。
復讐が復讐を呼ぶ憎悪の連鎖。凶暴性は増幅される。復讐心に支配されることで、自分や周囲にどんな影響を及ぼすか、という点では示唆的だけれど、腹に一物抱える人材多すぎてひ
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

3.0

他人にはない自分だけの能力を得て、どうありたいか?
力を行使することによるトレードオフは、「ただのピーター・パーカー」にとっては痛いものだった。「こんな能力さえなければ…」それが力が失われた要因だった
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

グッチ家の史実をもとに、欲望に蝕まれるさまをみた。出会いから栄枯盛衰までがどのパートもパンチある画力で飽きさせない。栄華を極めた最盛の時代からの転落というドラマティックさと俳優楽しめるエンタメ感はある>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.7

笑いあり涙ありの「大乱闘スマッシュブラザーズ」!マルチバース制度がアツい。公式の本気と愛とおふざけがつまってて最高。選択に伴う代償、決断に伴う責任を背負って大人になっていく成長過程の物語でもある。痛み>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

3.6

複数回みて理解の解像度が上がっていく、謎解きみたいな作品。初見では面白さというより発想の衝撃が勝る。あと音楽での演出と役者が良い。
劇場で観る体験も素晴らしいけど、重要なシーンを巻き戻したりしながら「
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

-

シンジくんと同じ気持ちになる映画。「何が起こっているんだ??」
説明のすっ飛ばし方がすごくてどこまでも置いてけぼり。教えてあげてよ可哀想!ってなる。そこにつけ込むがごとくカヲルくんは口説きがち。
早く
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.2

何度観ても破の面白さは突破してる。
戦闘と心理描写とほのぼのカットのバランスがちょうど良い。どこを取っても楽しめる。小難しいこと考えなくても滾る要素のオンパレードで…
焼き直しではない新しい物語の始ま
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.9

怪獣王者決定戦ムービー!これに心躍るかはかなり分かれると思う。かく言う私も観る前はどう転ぶかわからない、というテンションであったが、
画面の迫力と戦闘のリアルさに圧倒された。観てる最中「スペクタクル…
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

3.8

ロマン!謎!冒険!
情緒的で美しい画面に粋な名台詞の数々。映画にあってほしい要素が目白押し。
極め付けに清らかという言葉が似合いすぎるヒロインクラリス。お声の素晴らしさは当然のことながら、気高さと品の
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老人Z(1991年製作の映画)

3.6

なかなかハチャメチャな設定と展開ながら、なぜだか入り込める。画の作りが世界観を支えているのか。
91年公開の、有名制作人総出の隠れた(?)佳作。
一笑に付したくなるような表面設計の根底で、社会問題にも
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

3.5

酔狂な展開だらけで思った以上に笑い、行き着いた先には温かな感動があった。
面白場面集つなぎ合わせのようで、きれいにストーリーが続いていく。
幕間のどんでん返しには製作側の思惑通り素っ頓狂な声をあげてし
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デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたサマーウォーズのプロトタイプ的作品。やはり秀作。primeにて40分で視聴できることが分かり今更ながら。

インターネットは突然変異のモンスターにジャックされ、日常世界すら操作される。
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.5

奇跡のコラボレーションであり稀代の名作。オタクは必須履修です。

コミカルでファンタジーなるーみっくワールドに、退廃的なSF要素が加わった。
誰かの夢の中に閉じ込められてしまったら。ループによる曖昧な
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ファンシイダンス(1989年製作の映画)

3.5

とにかく美しい若かりし丸坊主のもっくん。
鈴木保奈美の役所がイカす!当時のトレンディ感。

家を継ぐため仕方なく上山したやる気のない修行僧が、抑圧された生活の中でもなんだかんだ仲間と遊んだりする話。平
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.1

言葉にできない。ストーリーに連なるように、今までになく新たに湧き出る感情がある。

記憶は残酷な宝物だ。きれいで、辛くて、情動が喚起される。その時の状況によって溺れることも眺めることもできる。
どんな
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最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

3.0

悲しいけれど、大切な人がいなくなった後の世界でも、美しい。痛みを抱えるすべての人へ。

救われたくて助けたくて、立場はくるくる反転する。二人ならどこへでもいける気がした。無限の可能性があった。
けれど
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.0

抗いようもなく落ちる恋。キスをしても関係をもっても、心の面では実らず結ばれない。いつまでも焦がれたまま。
期待が大きくなりすぎてセーブできないほど惚れてしまった悲哀。
同じ熱量になれず、気持ちは双方向
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.5

後味は、悪い。最後の方は終始恐ろしかった。

復讐が復讐を呼ぶ。主観の視点が客観に切り替わったとき、全体がみえてはっとする。探していたものは自分が持っていて、こんなところにいたのかと。
もしも、何ヶ年
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

「若おかみは小学生!」この題とパッケージングでカタルシスを体験できるとは誰が予想できただろうか。
ここまで深みのある作品とは、良い意味で裏切られた。間違いなく全世代楽しめて最後には泣ける。感動だけでな
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ズートピア(2016年製作の映画)

3.6

天敵同士が相棒になる、ドラマチックファンタジー。夢とスリルとアクションと陰謀と、あらゆる要素満載。上手いこと子供向けに仕上げた完成度の高い作品。寓話性だけでなく画作りが巧みなのでノンストップで飽きずに>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.5

惚れてしまったんだから仕方ない。
恋の芽生えと才能の開花。音楽の神様が舞い降りた。愛あるところに悲しみと喜びが生まれる。

りんごみたいなほっぺたしながら大人ぶり、経験と感情が丸ごとすべて歌になる。
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イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)

3.0

輝かしい成功の裏にある挫折、苦悩、愛憎、低調、感情の波。

ファッションは芸術ではないと自嘲する場面があるが、生活のなかで得たインスピレーションを形にし、表現することで、人々に様々な感覚を喚起させる。
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.5

本当に、愛おしい時間についての話だった。

タイムトラベル能力を持って生まれた主人公。
若き日はカジュアルに、後悔を塗り替えるように使う。そんな能力があればそう使うよねっていうわかりやすいパターン。そ
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ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

4.0

もっと早く見ればよかった。昔から大好きだけど、DB映画は超エンタメ。

今作はバトルシーン多めで、気合いを感じる画作り!何かを超越して途中別次元に飛んでいるし、ネタ要素も挟まれる感じがちょうど良い。
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HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION(2017年製作の映画)

3.5

爆破セレモニー…?とか言いたいことはたくさんあるが、「瞬間」を楽しもう。合言葉はDon't think,feel.

もうそれぞれのチームの見せ場があるだけで、キャラソン、じゃなかった音楽が鳴るだけで
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HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY(2017年製作の映画)

3.5

魅せ方が上手い!掌の上で踊らされるかの如く、漫画でいう見開きバーーーンなショットに反応しちゃう。見得の切り方も紹介シーンも登場シーンもみていてワクワクする。。
それぞれキャラクターが良すぎて、バトルシ
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.0

若き日のユアンマクレガーと欲に塗れた低俗な日々。「理由はない、ヘロインだけがある。」冒頭のこの独白に集約される。そして何度も訪れる限界の先。

独特な映像表現と音楽の的確なセンス、痛快な幕転換がこの映
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