なるほどコレは高評価なのも納得。「犬神家の一族」→「八つ墓村」という横溝正史的ストーリーラインをなぞりつつ、終盤にかけて京極夏彦的“あやかし”がミックスされ、大団円に繋がっていく。水木しげるの戦争体験>>続きを読む
まさかの戦国版“おっさんずラブ“。しかもびっくりするくらいにコメディ。それでいてR15+。だんだんたけし軍団の暗喩に見えてくる展開も含め、こんな映画を撮れる監督は北野武しかいない。秀吉演じるたけしが途>>続きを読む
いや、凄いなこれ。ベン・アフレックとロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだら、想像の斜め上を行きまくるトンデモ・アクションスリラーが出来上がった。途中から何の話を見ているのかさっぱり分からず。あと、>>続きを読む
男一匹、ツルハシ担いでナチスを殲滅!あからさまなマカロニ・ウエスタンへの目配せ、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を彷彿とさせる虐げられた女性たちとの連帯、「太陽を盗んだ男」菅原文太ばりの不死身ぶ>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャー流「プロフェッショナル 仕事の流儀」。フリードキンとかジョン・シュレシンジャーの70年代ノワールを彷彿とさせる大傑作。物語ではなくあくまで語りに奉仕する、映像作家としてのフィン>>続きを読む
めちゃめちゃ面白かったのだが、街の看板に書かれていた「ボーリング」というカタカナの棒線の向きが逆だったのは、ブレーランナー感を意識し過ぎてやりすぎだと思った。
多民族が生活するトランシルヴァニアの村を舞台に、分断が進む現在進行形のヨーロッパを描く。実は「熊は、いない」とか「コカイン・ベア」とか、最近活気付いているクマ映画の系譜を継ぐ作品でもある。冬枯れの景色>>続きを読む
ディカプリオはわざとアゴをしゃくれさせて、「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドに顔を寄せていると思ってる。で、共演のロバート・デ・ニーロは若き日のヴィトー・コルレオーネを演じてた。絶対なんかある。
まるでレンブラントやフェルメールのように陰影が強調された撮影は、絵画的。とにかくビジュアル面で絶賛モードな本作ですが、個人的には意外にも楽しい音楽映画だったことがツボ。東方三博士によるお歌のコーナー、>>続きを読む
岩井俊二は「ヴァンパイア」あたりから歪なものを歪なまま描くようになった気がしていて、過去と現在の交錯、双子のような二人の女性、淡い死の匂いと言った岩井的コードを散りばめて、この上なく歪な作品を撮りあげ>>続きを読む
『ジョン・ウィック』がミニマル・テクノ的なアクション反復映画とするなら、『イコライザー』はサビに至るまでのAメロ、Bメロを愛でるべき正統派アクション。そして第3作目の今回は、イタリアを舞台にすることで>>続きを読む
黄泉の国からヒッチコックが蘇り、自身のキャリアを振り返るという、破格の構成。マーク・カズンズは、過去ではなく現代と接続させることで、この偉大な映画作家の普遍性を浮き彫りにさせている。
エモーションが高まると暗転で繋ぎ、決定的瞬間を回避する語り口。ある時は揺らぎ、ある時はフィックスで捉える精緻なカメラワーク。人生の深淵を奥底から見つめるような細野晴臣の音楽。「窓辺にて」も最高だったが>>続きを読む
B級映画に期待するほぼ全てのことに対して100点満点で答えてくれる、A級のB級映画。前半のやや鈍重な展開が、中盤以降で一気に爆発する緩急を効かせた語り口も素晴らしい。「絶対こういう死に方だけはしたくな>>続きを読む
80年代の夜の銀座だけで繰り広げられる、マジカルストーリー。過去と現在をとんでもなくノンシャラント(無頓着)に、でも精密に行き来する語り口にシビれる。クリスタル・ケイが「Nobody Knows Yo>>続きを読む
超高速エディット、マンシンガンのような会話、カリカチュアされた人物造形があまり好みではない原田眞人監督作品だが、今作ではどうしようもない人間たちのどうしようもない犯罪劇を小気味良く描いて、すべてがプラ>>続きを読む
原作が80年代に書かれたため、いまだにアメリカが世界の警察を自認する描写には時代錯誤感アリ。海江田演じる大沢たかおの異物感的存在感は流石だが、セリフが平板的で思想が見えてこない。シン・ゴジラっぽい政府>>続きを読む
やっぱこの映画とてつもなくヘンだわ。極端に設計されたSE、ワンカットに執着した移動ショット、決して切り返しで見せない会話、親の不在、大人になることへの拒否、性と死、共同体の崩壊が、てんでバラバラに突っ>>続きを読む
シネフィルからは相当嫌われている福田雄一だが、青柳碧人の同名人気小説を原作することで、単なる会話のボケ・ツッコミだけに陥ることなく、物語としての最低限の構造を有していることは認めるべき。橋本環奈のコメ>>続きを読む
リンクレイターってその諧謔精神で物語を右斜め上から語る印象があったが、これはど真ん中ストレートをミットに放り込んだようなヒューマンコメディ。『TAR/ター』で十分お腹いっぱいだったのに、ケイト・ブラン>>続きを読む
あんまり期待してなかったんですが…すいませんでした!!全力土下座します。超絶大傑作。最高のヒップホップ・ムービー。思い出しただけで血湧き肉踊り、ちょっと泣けてくる。本気の本気のオススメ。
トム・クルーズの生身本気アクションとは対照的に、形式と様式美にこだわったネオ・ノワール。ドニー・イェンもヒロユキ・サナダもさすがの貫禄だが、まさかの抜擢となったシンガーソングライターのリナ・サワヤマが>>続きを読む
照れを振り切った青春の蹉跌、製鉄所から発せられる死の匂い、年間ベスト級のポテンシャルを備えた作品だとは思うが、特にクライマックスでの各キャラの行動原理が掴めなくて、置いてきぼりを喰らってしまった。すい>>続きを読む
レースゲームを通じて、もはやヴァーチャルとリアルの境界線が溶解していることを、かつて「第9地区」で地球人と宇宙人の境界線を溶解させたニール・ブロムカンプが描いているのがミソ。深読みすると、彼自身の映画>>続きを読む
いつも、いらんことばっかりやっているケネス・ブラナーの演出が個人的に受け付けられないのだが、今回はポアロシリーズで最もいらんことやっとる。あのGoProっぽい演出はなんなんだ。ミシェル・ヨーの使い方も>>続きを読む
ストーリーそのものよりも、人物の配置だったり、カメラの位置だったり、精緻な空間設計に感嘆。そして、“何を描き、何を描かないか”の取捨選択の確かさ。門脇麦や黒木華など俳優陣も見事だが、特に生理的イライラ>>続きを読む
単なる安否確認だったはずが、黒人に対する露骨な差別意識から、警察官が退役軍人を殺害するまでに至るリアルタイム・サスペンス。若干、状況が悪化していくサスペンスの積み上げ方が平板的な気もするが、この企画を>>続きを読む
初めての劇映画挑戦となる森達也が監督、荒井晴彦が脚本という時点で、もはや映画的事件。そして恐るべき水道橋博士の怪演。見終わって頭に何故か浮かんだのは、森達也の著書タイトル“世界はもっと豊かだし、人はも>>続きを読む
デヴィッド・リンチよりも悪夢的で、ヤン・シュヴァンクマイエルよりも絵画的。映画『コロニアの子供たち』にも登場した、元ナチス党員によるコミューン「コロニア・ディグニダ」を参照して、全体主義への抵抗が服従>>続きを読む
メガ盛りというかメグ盛りというか、常に複数のサスペンス&アクションが同時に進行しているような盛りっぷり。もはや捕食の頂点にいるのは、メガロドンではなくステイサムなのでは。
極端なまでに削ぎ落とされたシンプルな語り口、壁画のような平面的表現。なのにどこか官能性も感じさせるって、ミシェル・オスロ監督凄すぎるだろ。神話的構造を纏いつつ、家⽗⻑制批判という現代のテーマにも接続し>>続きを読む
スタンリー・クレイマーが60年代に「招かれざる客」で、スパイク・リーが90年代に「ジャングル・フィーバー」で描いた異人種間の恋愛を、ここまでポップに昇華してみせるとは。キャラをステレオタイプに徹するこ>>続きを読む
俳優たちが一切のタブーなしで逸話・秘話を語り(しかもタランティーノ自身の出演はナシ)、ワインスタイン問題にも言及した、かなり攻めた内容のドキュメンタリー映画かと。
バービーはバービー、ケンはケン。ジェンダー、国籍などあらゆる属性を引き剥がし、本当の自分自身を見つめ直す過程を描いた物語。
ラッセル・クロウを神父役にした時点で只事ではないと思ってたが、ここまでド派手なアクション映画だったとは。皆言ってるけど、ラッセル神父が巨体を揺らすスクーター姿が可愛すぎ。これぞ正しいラッセルの使い方。>>続きを読む