麻菜さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.7

ファーストカット、躍動する心臓のズームイン
これから命についての物語を始める、というヨルゴス監督の宣言ともとれるシーンからこの映画は始まる
凡庸さのかけらもない、神は確かにそこに存在していた
アナとボ
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

4.6

恋人以外と寝るとき人は、真っ白なカンバスになり、そこに理想の自分を描く
そして、理想の自分と実際の自分にはギャップがあることに気付く
そこに、理想の自分になれない理由が隠されている
だが大抵の人は次の
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モルグ 死霊病棟(2019年製作の映画)

4.3

深夜の病棟で想像を絶する恐怖に直面した警備員の体験を描く、実際の怪奇事件を基に製作されたパラグアイ産ホラー
製作費6万5千ドルの低予算にも関わらず異例の大ヒットを遂げ、全世界でリメイク権が売買された
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学園天国(2000年製作の映画)

4.5

愛すべきアメリカンハイスクールムービー
こういう映画が無条件に好きなのは、自分が唯一叶えられなかったことへの執着が強すぎるせい
でも、これを手放す必要がないと気付いたお陰でずっと少女でいられる
こんな
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恋するポルノ・グラフィティ(2008年製作の映画)

4.0

大好きな小説に、一番美しいのは肉体関係を含んだ友情である、と書いてあったのを思い出した
ルームメイトとして共同生活を送っていた幼馴染のザックとミリーが、困窮した生活状況を打破するために、ポルノ映画で一
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ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

4.9

何の期待もせずに観始めたけど大正解
なんかすごいもんを観てしまった
移転間近のさびれた病院を舞台に、外にはカルト教団、中にはクリーチャー、そして異世界からは巨大な虚無という四面楚歌
死を覚悟で突き進む
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トランセンデンス(2014年製作の映画)

3.6

世界初の、意識をもった人工知能を作り出そうとする科学者の姿と結末を描いたSF
ネットワーク上に広がったコンピューターの演算能力はやがて、人類の脳の演算能力を凌駕してしまう
このままテクノロジーが指数関
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コンタクト(1997年製作の映画)

4.9

宗教なくして科学は不具であり、科学なくして宗教は盲目である
というアインシュタインの言葉を思い出した
私たちには理解できないものが存在し、それが最高の知恵と美として具現していること
人間の乏しい能力を
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

4.8

ノーマークだったけれど偶然視聴、結果最高
森に迷い込んだ3人の男女が、脱出を試みるも何度も同じ場所に戻ってしまうという、時空を超えた運命と接点を描くSFサスペンス
最初は何も明かされないままゆっくりと
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ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.8

A24とダニエルシャイナート監督の再タッグで、実際に起きたイーナムクロー事件を元に描かれたダークコメディ
開始10分で帰らぬ人となるディックロングを演じたのは、まさかの監督本人
ロバートパティンソン、
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愛のように感じた(2013年製作の映画)

4.0

今日はハーパーズの人たちと、21でランチをした
わたしは未だ忠実に、昼間はセブンアップ、寝る前にはアマレットジンジャーを飲んでいる
あの人を見たとき、わたしは神様の顔を見たような気がした
あの人に与え
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クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)

4.0

チャーリープラマー大好きなので、久しぶりにジャンルさえ知らないままレンタルしちゃった
着々と進んでいくジュブナイルスリラー、だけれどいつもと何か違う
連続殺人を描いているにも関わらず、残酷描写がほとん
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

4.5

連続殺人鬼も誰かの隣人だ
1984年、アメリカの片田舎を舞台に連続殺人事件の謎に挑む少年たちの、ひと夏の体験を描いたジュブナイルホラー
ET、グーニーズ、スタンドバイミー、13日の金曜日、エルム街の悪
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.2

進歩の敵は何か、それは混沌である
オリビアワイルドが見せる、旧き良きアメリカの悪夢と新時代の現実
舞台は1950年代、パームスプリングス
ミッドセンチュリーデザインのインテリア、華やかなカクテルドレス
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.3

2021年、すべての価値観が一変した直後の世界で、カンヌ国際映画祭が頂点に選んだのがこの怪作だった
身を任せて観た先に、素晴らしい映画体験が待っていることは確か
モーターショーのワンカット、頭を殴られ
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サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)

4.0

9.11以前ではアメリカ史上最悪の犠牲者を出した事件として語り継がれている、カルト教団、人民寺院による集団自殺をモチーフにしたモキュメンタリー
製作、脚本にイーライロス
この売り文句でショッキングホラ
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

4.5

オテサーネクとローズマリーの赤ちゃんを、ロビーで流すセンスを持ち合わせた産婦人科があるなら、わたしはそこで赤子を産む
クレイアニメーションと実写で映像化された、チェコの民話オテサーネク
シュヴァンクマ
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.9

外界から遮断された小さなシェルターで、両親と暮らす青年ジェームス
テレビ番組、ブリグスビーベアだけがたったひとつの生き甲斐であり、たったひとりの友達だ
ずっと世の中に残ってほしい、素晴らしい映画だった
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ファウンド(2012年製作の映画)

4.5

ホラーが大好きな12歳の少年、マーティ
彼の家族には、それぞれ彼が見つけた秘密があった
母はラブレター、父はアダルト雑誌
そして兄は、部屋に生首を隠している
数日で新しくなる、大抵は黒人女性だ
800
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5時から7時の恋人カンケイ(2014年製作の映画)

4.9

ニューヨークに関する名言は、本や映画や劇の中でなく、セントラルパークのベンチにある
時として、人生が本当に素晴らしいことを知るために
初めてあなたと寝たあと、世界の美しさに驚かされた
あなたも私もいな
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デス・レース2000年(1975年製作の映画)

4.2

人間はかくも暴力が好きなのか
1975年4月27日、3日後にベトナム戦争の終結を控えたアメリカで、このカルト作が解き放たれた
製作当時、スタッフ陣が思い描いた西暦2000年という未来
独裁国家となった
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.7

聖書から復讐観念を除くと、ペラペラでパンフレットにさえならないと気付いてから、神様がすぐ側にいるような気がする
Happy 60th Birthday, Quentin Jerome Tarantin
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エンド・オブ・ウォッチ(2012年製作の映画)

4.7

世界屈指の重犯罪都市、LAサウスセントラルの日常を描いたクライムアクション
ロス市警全面協力で撮影され、主演のジェイクとペーニャは役作りのため、5か月間ロス市警の巡回に同行し訓練を受けた
複数視点のP
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ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.8

1980年代当時、無認可だったHIV代替治療薬を密輸販売し、アメリカのHIV患者が特効薬を手にできるよう奔走した、実在のカウボーイの半生を描いたドラマ
この時代は医者でさえ、HIVが同性愛者の性行為で
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裏窓(1954年製作の映画)

4.8

映画史上最も有名な窓といえば、ヒッチコックの裏窓
裏窓というワンシチュエーション、ジェフの主観のみで進んでいく実験的なサスペンスストーリー
確かなものは敢えて映されないまま、断片的な情報であれやこれや
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.8

シナリオやキューカードはない、シェイクスピアには劣ってもこれは本当の人生だ
フラットアースのドキュメンタリーを観ていたら、この映画がでてきたので今更鑑賞
おはよう!そして会えない時のために、こんにちは
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ブロウ(2001年製作の映画)

4.7

常に風に背を向けて、顔には太陽の光を
運命の風に乗り、星と踊れるように
乾杯
70年代に若くして伝説のドラッグディーラーとなった、ジョージユングの半生を描いた作品
あのクラックブーム、アメリカで誰もが
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ウォーム・ボディーズ(2013年製作の映画)

4.7

昔観てすごく面白かった記憶があり、再鑑賞したら紛れもない良作だったーーー
ゾンビ映画としてもラブコメとしても、頭ひとつ抜けている
SATCでスタンフォードが言った、「人は誰かに愛されてこそ何者かになれ
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アムステルダム(2022年製作の映画)

4.3

第一次世界大戦中に出会ったバート、ハロルド、ヴァレリーがアムステルダムで固い絆を誓い、のちに巨大な陰謀に巻き込まれる史実に基づいたクライムストーリー
評価が低かったのでサブスクを待ったのに、あっさり大
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スーサイド・ライブ(2017年製作の映画)

4.0

自殺を生中継するというショッキングなリアリティ番組を描いており、B級スリラーかと思いきや、重厚な社会派サスペンスだった
大金目当ての志願者、狂っていく番組関係者といった様々な視点からネット社会へ警鐘を
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

4.2

神をも信じられなくなった、クリスマスの夜に
近年のパンデミック、ワクチン問題のメタファーかのように感じるこの作品
重要なのは、誰が正しかったかではない
未曽有の事態に直面すると人は、正常な判断ができな
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.8

スリーフレーバーコルネット3部作の1作目
史上最も愛すべきゾンビ映画、というキャッチコピーはまさに
エドガーライト監督とサイモンペッグ、ニックフロストの歴史はここから始まった
今作は、ジョージロメロ監
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エベレスト3D(2015年製作の映画)

4.3

1996年、アドベンチャーコンサルタンツ隊
ロブホール、スコットフィッシャー、アンディハリス、ダグハンセン、難波康子に捧ぐ
人間は何かに取り憑かれたように、山へと吸い寄せられる
そして、そこで目にする
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サイン(2002年製作の映画)

4.2

旧約の預言者エゼキエルは、愛する妻を亡くしたが、神からの使命を遂行し続けた
この映画に散りばめられたサインは、決して伏線などではない
あれはまさに、神が創り定めたシナリオだった
全ての出来事が、偶然で
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インビジブル(2000年製作の映画)

4.0

小さい頃観た記憶があると思ったら、20年くらい前に金曜ロードショーでよく放送されていたんだな
レビューを読んでいると幼少期、この映画に性癖を捻じ曲げられた人が何人もいてすごく良い
SF、スリラーの天秤
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永遠の僕たち(2011年製作の映画)

4.9

死に取り憑かれた全ての若者たちへ
ガスヴァンサントからのラブレターを
初めて君を、両親に会わせたのは墓地だった
真似して引いたチョークラインの中に横たわり、キスをしたりもした
ガラパゴス諸島へ一緒に行
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