るるびっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

怪獣オタクが本当の怪物は人間の心の中にあるのだよ。
と、大人びたことを言いたいだけの映画。
ロボットと怪獣が暴れるよりは、クラシックなフィルム・ノワール調にしたほうがアダルトでしょって、言いたいだけの
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アンビュランス(2022年製作の映画)

3.6

監督はADHDなのかと疑いたくなる程、画面に落ち着きがない。
ドローン・チャンピオン操作の撮影では、画面がグルングルンする。
バットモービルより頑丈な救急車は、どれだけぶちかましても壊れることはない。
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.2

引きこもりのコスプレ覗き男。
バットマンというよりSICKマンである。
大体バットマンの登場人物はサイコばかり。
主人公を含めて、大抵心の闇を抱えている。
ゴッサム・シティというのは、本当は入院患者の
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白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.5

成瀬巳喜男監督の遺作で『乱れ雲』というのがあった。
交通事故で夫を失った未亡人と、加害者が禁断の恋に落ちる話だ。
本作は冤罪で夫を死刑にされた未亡人と、そこに現れた謎の男。
きっと真犯人で、そうと知ら
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.4

ナイル殺人事件のケレン味とは大違い。
地味にはったりもなく普通に進む。
油コテコテ中華と、さっぱり和食みたいに別物。

この映画の主役は、ベルファストという街であろう。
温かい家族と淡い初恋、思い出の
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アオラレ(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

👍👍👍👍

オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.4

↓これを見る限り、喜劇にした方が面白かっただろう。
https://www.youtube.com/watch?v=LlchKUQQzp0

死体でヒトラーを騙すという、前代未聞の諜報作戦。
うまく騙
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.6

原作にない部分が追加されている。
戦争で顔に傷を負ったポワロ。
恋人が、愛の力はすべてを乗り越えると勇気づける。

乗客は皆、金か愛かのどちらかの動機を持っていた。
被害者は、誰もが羨む美貌と財力と地
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.0

考えてみると、主人公側と悪役側と何が違うのだろう?
どちらも宝物を狙うという意味では強欲である。
だからこそ主人公は、宝物ではない何かを求めなくてはいけない。
今回の場合、表向きの理由は兄探しだ。
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

2.7

社会学者の本田由紀氏が、高度経済成長期に成立した「戦後日本型循環モデル」というのを示している。
高度経済成長を支えた仕組みだが、欧米のジョブ型と違う欠陥として家庭の分裂を招いた。
夫は仕事一筋。家庭と
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

3.4

『タコピーの原罪』という漫画がある。
『ドラえもん』のように便利道具を出すタコ型宇宙人タコピーが、子供たちをハッピーにするよう奮闘するが、道具で心は救われない。現状も悪化する。
道具で却って混乱する位
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.2

本当はフライトレコーダー内のデータだけで、謎解きをやってもらいたかった。そうすれば、唯一無二の作品になっただろう。
さすがにそれは難しいので、話を広げて二転三転させる展開にしている。

映画としては大
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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.8

裏切りの物語である。
ドラマは葛藤だという。
騙される人間と騙す人間が居たら、騙す方が葛藤がある。
特に裏切り者ほど、葛藤を抱えやすいと思う。
何も悩まない正しい人より、裏切りばかりを抱えた人物の方が
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.2

おでんは、屋台とか薄汚れた小料理屋で食べるから美味しい。
それを高級ホテルや一流レストランで食べても、おでんの味なんか味わえない。
そもそも三木聡監督というのは、サブカルの人だと思う。
みうらじゅん、
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.8

「グッチ」という名前にまつわる話。
富の象徴であり、名門であり、呪われた名前である。
劇中で偽ブランド、関西弁で言うパチモンが紹介される。
グッチに嫁いだ女性が本物かパチモンか。
偽ブランドに寛容だっ
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

4.0

『孤独な場所で』と同じように、サスペンスに託してある種の人間の悲哀、人生を描いている。

マット・デイモン演じる主人公は、貧乏な白人という労働者階級。
口下手で、コミュニケーションが苦手だ。
社会の中
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孤独な場所で(1950年製作の映画)

3.3

昔の犯罪映画は、単純なあらすじの中に当時では問題視されていなかった事を無意識に描いているケースがある。
『ガス燈』で、男性が女性を心理的に虐待する様を描いてそれがガスライティングという心理学用語になっ
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約束のネバーランド(2020年製作の映画)

2.3

前半は渡辺直美、後半は北川景子の怪演で持たせている映画。
IQ の高い子供達と管理者北川景子の知恵合戦と思ったら、出たとこ勝負のロープでの脱獄。知恵も何もない展開だった。
『大脱走』のように監視役の目
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

2.5

この22年で一番驚いたのは、監督のウォシャウスキーが兄弟から姉妹に変わったことだろう。
映画は、それを超える驚きはなかった。
兄、いや姉一人だけならまだしも、弟まで妹になるなんて・・・
『マトリックス
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

日本でやるなら、キモノマンか呉服マン?
シールド付き番傘、電磁鞭の兵児帯、リモコン下駄(あれ?)etc
日本にだって長い歴史と伝統があるのだ。
しかし、今の高校生は忠臣蔵も知らない。
これではキモノマ
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.8

「姉さん、ここはどこ?」
「ネズミの王国よ」
「ネズミの王国?」
「みんな高いお金で買収されて、黒人奴隷のように働かされているの。世界中のヒーローたちが、今やネズミの下で奴隷働きしているわ」
「あの太
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.3

『古畑任三郎』で、田村正和は人物の履歴書は面倒臭くて読まないから作らなくて良いと、脚本家の三谷幸喜に言ったそうだ。
『太陽は動かない』でも書いたが、邦画や日本のドラマの欠点はシナリオ学校で人物の履歴書
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.6

薄毛で腹のたるんだブリーフ親父が追っかけてくる〜💦
若い女性には血まみれゾンビより、ブリーフ親父の方が何倍も怖いらしい。サブイボ立ちまくりって感じ。
私はブリーフ派じゃないから関係ないね、と笑っていた
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

3.8

なんとなく主人公が好きになれない。
人知れぬ恋なのに人前で浮かれ、革命だと騒いで捕まり、恋人と引き離される。
イケメンでもないし、老けたアホ男のどこを彼女は好きになったのだろう?
大して反省もなくその
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群衆(1941年製作の映画)

4.2

フランク・キャプラってワンパターン!!
と、思ったら実は微妙に違っていたりする。
本作も他のキャプラ映画同様、お人好しの善人が資本家や政治家に騙され利用され全てを失い、そして命がけで何かを訴える。それ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.9

『羅生門』のオマージュというよりアンチテーゼ。
昔なら男が女を襲ったのは、実は悪女で誘惑されたから・・・というのも成り立った。
運命の女とか魔女とか悪女とか誘う女とか、それらは全て男性側から見た都合の
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アイス・ロード(2021年製作の映画)

3.7

男の旅は 一人旅
女の道は 帰り道
しょせん 通わぬ道だけど
惚れたはれたが 交差点
アーアー 一番星 空から
俺の心を 見てるだろう🎵

北限のトラック野郎、文太兄さんならぬリーアム兄さん・・・いや
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.9

キム兄やないか、キム兄が駐車場係かい。
嘘つけ、コックかお笑いやろう。
バス乗ってすべらない話? 違うんかい、なんで戦ってるねん?
え? キム兄やないの?
あーそうか、ラッシャー板前か。
さすがたけし
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

鼻チューブでも美男子!!
シャラメ以外できない芸当だ。鼻チューブの憂い顔でもサマになる。
大抵は三枚目か病人に見えてしまう。
普通は鼻チューブしたら、SF 大作ではなくバラエティ大作だ。
しかし、シャ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.4

怖がって良いのか、爆笑して良いのか迷う。
しかし不思議な爽快感があり、最後は姉妹ドラマに感動する。
不思議な感覚の映画。
創作というのは、こういう新感覚と言うか不思議な感覚を体験させたり、観客の知らな
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.3

父親の創った男の理想像を娘が修正する。
製作者アルバート・ブロッコリが創った007は、高級品を身につけた洒落男がスパイ仕事の傍ら行き先々で色んな女を口説くものだった。
いわば、男の願望を映画化したもの
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.9

元々ビリー・ワイルダー作品が好きなのだが、彼の作品には人を騙す話が多い。
悪事とは、見ている分にはスリリングで楽しい素材だ。
ワイルダーの場合、最初から手の内を明かして話を進めるので、観客は知らぬ間に
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.6

『ミッドナイト・エクスプレス』(1978年)という映画があった。
麻薬所持で捕まったアメリカ人男性が、地獄のようなトルコの刑務所から逃げ出す話だ。
当時、恐ろしいのはアメリカ以外の国だった。
今は外国
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ひばりのおしゃれ狂女(1961年製作の映画)

3.5

「ラピュタ阿佐ヶ谷」は、ほぼジブリと関係がない。
初めはアニメーション映画専用の映画館だった。
今ではラピュタと言いながら、やっているのは古い邦画ばかり。
ジブリマニアと全くバッティングしない不思議な
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間諜X27(1931年製作の映画)

3.8

「シネマヴェーラ渋谷」は、若者の街で唯一ベテランがたむろする場所だ。
周囲がハロウィン一色でも無関係。古い映画を上映している。時間の止まった聖地、または映画マニアの墓場。
マニアの爺婆集結。そこは常に
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