るるびっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

AWAKE(2019年製作の映画)

3.7

人間と機械の戦いを描いた話では、通常は人間側を応援するものだろう。
本作では機械の方を応援したくなる。何故なら、これは AI を開発した人間が主人公のドラマだからだ。
成程、機械も誰かが造ったものだか
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国境の南(1941年製作の映画)

5.0

今年最高の経験!!!!!!(まだ2月ですが)
ビリー・ワイルダー脚本家時代の作品が、『ミッドナイト』『ニノチカ』『教授と美女』以外で観られるなんて!!
日本未公開でDVDもない。正にシネマヴェーラ渋谷
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キング・オブ・シーヴズ(2018年製作の映画)

2.9

爺さんの小便のようにキレがない映画。
事実は小説より奇なりと言いたいが、年寄りが集まって銀行強盗する映画は割とある。
『お達者コメディ/シルバー・ギャング』(1979年)
『ジーサンズはじめての強盗』
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

4.2

時間について描いた映画。
ホーキング博士はブラックホールから、時間の謎を解こうとしていた。
宇宙の始まりと共に時間は生まれた。
ブラックホールは、その起源を秘めた玉手箱なのである。
マクロの宇宙論とミ
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ボクの妻と結婚してください。(2016年製作の映画)

2.2

主人公がモラハラ体質に見える。
モラハラの特徴と思えるものは・・・
①ナルシスト
②相手の話を聞かない
③自分の考えに固執する(自分ルールがある)
④相手をコントロールしたがる
⑤相手のためにやってい
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風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.9

昔の日本の男は、精神年齢が中学生くらいではないだろうか。
倒れた妻に駆け寄りもしない夫の反応を、鬼畜だクズだ冷酷だと書かれたレビューが多い。むしろあれは子供っぽい反応なのではないか。
目前で人が倒れた
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.3

寅さんの話ではなく、甥の満男の話である。
なので興味が湧かない。
生粋の寅さんファンは、満男と泉のことが気になってたかも知れない。
007はやっぱショーン・コネリーというのと同じで、元気な寅さんは良い
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どん底作家の人生に幸あれ!(2019年製作の映画)

2.6

デビッド・カッパーフィールドといっても手品師ではない(東京タワー消してた~)。
ディケンズの小説の主人公だ(スペル同じ)。
マジシャンではないが、奇蹟に満ちた人生だった・・・かな?

実は本作はコメデ
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青春怪談(1955年製作の映画)

3.5

機知に満ちて大変面白いのだが、ストーリーではなくキャラクターの面白さで見せていると思う。
この時代の邦画は、大人たちと行動様式や価値観の違う戦後の若者たちを面白がって描いている。
理屈に合わない義理人
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バッド・マイロ!(2013年製作の映画)

3.2

「チャラリー、尻から怪獣〜🎵」
カモン、カモン、バッド・マイロ!!
アホ映画と思ったら、意外に深い話だった。
ストレスにさらされる現代人の苦悩。
みんなストレス抱えて、お腹に怪物を飼っているのかな?
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.6

ディズニーに勝つ、とキンコン西野氏は言う。
しかし、ディズニーは彼の数十歩先を行ってしまった。
商業的な事ではない。
テーマの深遠さにおいてだ。
『えんとつ町のプペル』では、「信じれば夢は叶う、世界は
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いちごブロンド(1941年製作の映画)

3.4

喧嘩っ早い歯医者のジェームズ・キャグニー。
憧れのストロベリーブロンドの娘を奪い、騙して自分を収監した議員が来院すると知り、どう痛めつけてやろうと思案する。
その回想の中で、苦労はしたが結局彼に騙され
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追憶の女(1942年製作の映画)

3.6

ダメ・クズ男を描いた映画は沢山あるが、ダメ・クズ女を描いた映画は少ないと以前書いた。
けれども本作は、クズ女がビッチぶりを発揮して最高である。

こんな昔に、ちゃんとクズ女を描いた映画が存在するのは素
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メメント(2000年製作の映画)

3.9

④自分は本当はどういう人間なのか、自分は何をしようとしているのか。
全て不確かな記憶の上に建てられた砂上の楼閣なのだ。
体に入れ墨で彫りつけても、記憶という曖昧なものを頼りにする以上、不確かなゲームの
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メリエスの素晴らしき映画魔術(2011年製作の映画)

4.0

映画に初めて物語構成をつけたパイオニア。
ジョルジュ・メリエス。
『月世界旅行』で、月の顔面にロケットを打ち込んだ絵のポップさ。
今だって、Tシャツやインテリアに出来るアート感覚だ(但し彩色版だと目か
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ROOM237(2012年製作の映画)

2.2

「ファンのたわ言」映画。
サザエさんの最終回は、みんな海の生き物などに還るとか、
ドラえもんのラストは、植物人間状態ののび太の夢。
などと同レベルの都市伝説。
神格化されたカリスマ監督キューブリックな
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.7

原作者は嘘発見器の発明者とのこと。
だから”真実の投げ縄”を持ってるし、今回は真実がテーマ。
また女性ヴィランが痴漢を蹴り飛ばしたように暴力で解決できたら簡単だが、女性ヒーローのワンダーウーマンには暴
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ヴィクトリア女王 最期の秘密(2017年製作の映画)

3.6

81歳の『ローマの休日』。
いくつになっても、恋は人を成長させる。
恋といっても、友情だったり教えだったりする。
『ローマの休日』は光の部分ばかり描いているが、女王には影の部分もある。権力争いや足を引
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悪魔とミス・ジョーンズ(1941年製作の映画)

4.3

この手の設定では教科書的な内容。
『水戸黄門』のように、身分を隠して自社デパートに平社員として調査に入る社長。
水戸黄門や『釣りバカ』のスーさんと違うのは、善人ではなく傲慢な経営者というところだ。
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

ほぼ女性しか出てこない。
LGBT絡みというより、男性を排除することで人間としての女性を描けるからだと思った。
男が居ると、どうしても性差の問題が浮上してノイズになるからだ。
以前『サンライズ』のレ
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フォーカス(2015年製作の映画)

3.6

「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
ご存知『カリ城』での銭形の台詞。
要はそんな話でしょ?
詐欺師の男とスリの女が、金と恋を巡って争う。
本当に盗まれたのは、財宝か心か。

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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.8

ゾンビ物に『ニューヨーク1997』『マッドマックス』を、掛け合わせたリミックス映画。
こうやって、過去の名作とゾンビ映画を掛け合わせれば無限に新作ができるゾ!!
ブルース・ウィリスも『ダイ・ゾンビ』で
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

3.0

主婦と若い男がテロリストに間違えられる、という所のみ面白い。
しかしシナリオ側の狙いは、誰が真犯人か二転三転するというものらしい。そこはクソ詰まらない。
真犯人を悟らせないように、怪しい人物を複数置い
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姫君海を渡る(1935年製作の映画)

3.4

キャロル・ロンバードは、グレタ・ガルボに少し雰囲気が似ている。
だから本作でも威厳のある、スウェーデン王女を演じている。
ガルボなら本物の王女を演じるだろう。コメディエンヌのロンバードは、ニセ王女を演
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ちょっとフランス風(1949年製作の映画)

3.6

ダグラス・サークはメロドラマのイメージが強いが、こうしたスクリューボール・コメディ(変人喜劇)も撮るんだなぁ。
けれども女性キャラの心情描写に傾くので、やはりメロドラマ的だ。

冒頭、映画撮影のシーン
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アメリカの恐怖(1936年製作の映画)

3.8

「これで奴も電気椅子だぜ」
「あら、椅子なんて贅沢よ」
男が言うようなタフでハードな台詞を、煙草ふかしたジョーン・ベネットに言わせる。
シャープでハードボイルドでカッコイイなぁ。
ラオール・ウォルシュ
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無責任時代(1937年製作の映画)

3.5

これを観ると、ウィリアム・A・ウェルマン監督はあまりコメディが上手くないなと思う。
ウェルマン的な社会批判よりも、ベン・ヘクトの雑な脚本術が目立つ。

生き馬の目を抜くNYで、インチキでセンセーショナ
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

2.3

『モンスター』シャーリーズ・セロン。
『ストレイ・ドッグ』ニコール・キッドマン。
そして、本作のアン・ハサウェイ。
共通するのは、超美人なのに不細工メイク。
ハリウッドでは、ブスメイクこそ美人の証明ら
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.3

ドヤ顔がすぎる映画。
キンコン西野という人は、手の内をひけらかさないと気が済まないらしい。
彼が手品をしたら黙ってするのではなく種明かしをして、それがどう凄いか語るだろう。ドヤ顔で。
映画はしょっぱな
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必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)

2.7

鳥刺しと言っても居酒屋のメニューではない。
この話、海外の人が観たらどう思うだろうか?
あまり理解されないと思う。
陰謀というレベルではなく、単に姑息なのだ。
トップがバカ殿なのは、世界でもよくあるだ
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.8

現代こそ、鬼がウヨウヨ。
斬られて滅ぶ瞬間に、罪を告白する。
営業鬼「年寄り騙すつもりはなかった、会社の命令だから、俺は俺は悪くない~」
イジメ鬼「気づいたんだよ、先にイジメればイジメられないって、も
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GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)

3.6

フィルマ―クスのオンライン試写会で鑑賞。
日本でも高齢で進学する方は居る。
それも偉業だがゴゴ(婆ちゃん)の場合は、自分ではなく女性地位向上のため曾孫娘と共に入学した。94歳にして。
ケニアの村では、
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グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

3.4

差別意識丸出しのマゾ映画。
バカにしてる原住民に食べられるという、屈折したエクスタシー。
女性への割礼は酷く見えるけど、異文化を頭ごなしに否定する所に「欧米か!」連中の俺様主義が覗ける。
クジラ食うな
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.5

母は強し、されど悲し。
事件の秘密を追い、息子の秘密を知り、母自身も秘密を持つ。
もはや踊るしかなし。

PS:被害者の友人(?)の笑顔写真が、いとうあさこに激似(写真だけ)。
もはやレオタードで踊る
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

3.7

なぜアノマロカリスなのだろう?
桃子さんが関心を持つ生き物が、マンモスとアノマロカリスなのである。
アノマロカリスは、古生代の覇者で長らく正体不明だった。
そして現生生物と基本的に違う体の仕組みを持つ
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

2.0

プライベートフィルムのような物だ。
父親の無念を果たした映画。
良く言えば父への愛。悪く言えば映画の私物化。
問題なのは、父への愛の為に『市民ケーン』の真実を矮小化している可能性があること。

脚本を
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